王子とこじき 29

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数12難易度(4.4) 4238打 長文
作者 マーク・トウェイン
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 7477 7.5 98.8% 554.3 4192 47 87 2026/02/08

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問題文

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(やさしかったふたりのおんなのことははおやに、かんしゃしながらはしったえどわーどは) 優しかった二人の女の子と母親に、感謝しながら走ったエドワードは (まるでものおとひとつしない、もりのおくまできていた。) まるで物音ひとつしない、森の奥まで来ていた。 (とりのこえもきこえなかったし、あせまでこおりつくようにさむくなっていた。) 鳥の声も聞こえなかったし、汗まで凍り付くように寒くなっていた。 (なんじゅっぺんもつまづきながら、みちでないところをあるいていくと) 何十ぺんもつまづきながら、道でないところを歩いていくと (あたりはとっぷりとくれていった。) あたりはとっぷりと暮れていった。 ((あそこにひとがすんでいる)) (あそこに人が住んでいる) (えどわーどは、そのときしらずしらずのあいだに) エドワードは、そのとき知らず知らずの間に (けさまでいたやさしいいえのことをおもいだしていたのである。) 今朝までいた優しい家のことを思い出していたのである。 ((いってみよう・・・)) (行ってみよう・・・) (そこは、あっちこっち、つぎはぎだらけのこやだった。) そこは、あっちこっち、つぎはぎだらけの小屋だった。
(なかからひとのこえがする。しばらくのあいだ、じいっときいていたが) 中から人の声がする。しばらくの間、じいっと聞いていたが (それはひとりごとか、それともおいのりのこえのようで、なかにいるのはひとりらしかった。) それは独り言か、それともお祈りの声のようで、中にいるのは一人らしかった。 (ちかづいてみると、まどからなかをのぞいてみた。ふみかためられたどまに) 近づいてみると、窓から中を覗いてみた。踏み固められた土間に (みすぼらしいつくえやいすがあって、すみにはだんろがあった。) みすぼらしい机や椅子があって、隅には暖炉があった。 (そのよこにかみをまつったさいだんがあった。) その横に神をまつった祭壇があった。 (さいだんには、ろうそくがともっている。そして、そのまえにあたまのはげた) 祭壇には、ろうそくがともっている。そして、その前に頭の禿げた (ひげのまっしろなろうじんが、ひつじのかわをきてたったひとりでねっしんにいのりをささげていた。) ひげの真っ白な老人が、羊の皮を着てたった一人で熱心に祈りをささげていた。 ((あれほどかみをいのるものならば、わたしのこともわかってくれるにちがいない)) (あれほど神を祈る者ならば、私のこともわかってくれるに違いない) (えどわーどはとをあけてなかへはいると、そのしんぷらしいろうじんのうしろにたった。) エドワードは戸を開けて中へ入ると、その神父らしい老人の後ろに立った。 (ろうじんはゆっくりとふりむいておごそかにきいた。) 老人はゆっくりと振り向いて厳かに聞いた。
など
(「だれじゃ、おまえは」) 「誰じゃ、おまえは」 (「いぎりすこくおうだ」) 「イギリス国王だ」 (「そうか。これはこれは、ようこそおいでくだすった」) 「そうか。これはこれは、ようこそおいでくだすった」 (ろうじんはうれしそうにおじぎをすると、すぐえどわーどにいすをすすめ) 老人は嬉しそうにお辞儀をすると、すぐエドワードに椅子を勧め (それから、せわしなくだんろにまきをくべた。) それから、せわしなく暖炉に薪をくべた。 (「・・・じつは、かみのおいでになるきよらかなこのとちへ、) 「・・・実は、神のおいでになる清らかなこの土地へ、 (いままでたくさんのひとがやってきた。) 今までたくさんの人がやってきた。 (しかし、ふさわしくないやつばかりだったので、すべておいかえした。) しかし、ふさわしくないやつばかりだったので、すべて追い返した。 (だが、こくおうははじめてだ・・・。ああ、ついにこくおうもめいよもかねもすてて) だが、国王は初めてだ・・・。ああ、ついに国王も名誉も金も捨てて (とうとう、わしのかみのまえにひざまずきにおいでなされたか」) とうとう、わしの神の前にひざまずきにおいでなされたか」 (ここまできいて、えどわーどもさすがにはなしがおかしいとおもいはじめた。) ここまで聞いて、エドワードもさすがに話がおかしいと思い始めた。 (ろうじんはつづけた。) 老人は続けた。 (「ここで、かみにちかづくには、たべるものはくさ、のむものはみずだけじゃぞ。) 「ここで、神に近づくには、食べるものは草、飲むものは水だけじゃぞ。 (こくおうであろうがなかろうが、かみのまえにはおなじこと。) 国王であろうがなかろうが、神の前には同じこと。 (もし、こくおうのけらいがおってくるようなことがあっても、わしにまかせなされ。) もし、国王の家来が追ってくるようなことがあっても、わしに任せなされ。 (ただちにかみのちからによっておいかえしてしまう」) ただちに神の力によって追い返してしまう」 (そして、あとはぶつぶつとくちのなかでいのりともなんともつかぬことをつぶやいていた) そして、あとはぶつぶつと口の中で祈りとも何ともつかぬことをつぶやいていた (ともかくえどわーどは、いままでじぶんがであったことをきいてもらいたいとおもって) ともかくエドワードは、今まで自分が出会ったことを聞いてもらいたいと思って (くちをきった。ところが、ろうじんはてをあげてそれをさえぎった。) 口を切った。ところが、老人は手を上げてそれを遮った。 (「しずまれ。いまこそ、わしのひみつをうちあけよう」) 「しずまれ。今こそ、わしの秘密を打ち明けよう」 (そういって、えどわーどのみみにくちをよせていおうとしたが) そう言って、エドワードの耳に口を寄せて言おうとしたが (いきなり、とびはなれた。「きいていまいな、だれも」) いきなり、飛び離れた。「聞いていまいな、誰も」 (えどわーどは、なんだかひどくこわくなって) エドワードは、なんだかひどく怖くなって (「だれもいるはずないとおもいます」とこたえた。) 「誰もいるはずないと思います」と答えた。 (そこでろうじんは、ぶきみににやりとして) そこで老人は、不気味ににやりとして (「よし。それならばうちあけよう。わしはな、てんごくからつかわされたてんし。) 「よし。それならば打ち明けよう。わしはな、天国からつかわされた天使。 (いちばんくらいのたかいだいてんしなのじゃ」とおしころしたこえでささやいたのだった。) 一番くらいの高い大天使なのじゃ」と押し殺した声で囁いたのだった。 (えどわーどはみぶるいして、(さあ、たいへんなことになった。) エドワードは身震いして、(さあ、大変なことになった。 (やっとたすかったとおもったのに、またひどいところへきたものだ。) やっと助かったと思ったのに、またひどい所へ来たものだ。 (このしんぷはびょうきなんだ。じぶんをだいてんしなどというのは、きがちがっているからだ)) この神父は病気なんだ。自分を大天使などというのは、気が違っているからだ) (とおもうのを、まるでわかったようにろうじんはつづけた。) と思うのを、まるでわかったように老人は続けた。 (「そうか。そなたもこのかみのいるところへきて、おそれをなしみぶるいしているのじゃな) 「そうか。そなたもこの神のいる所へ来て、恐れをなし身震いしているのじゃな (そうとも、ここはかみのおんまえにちがいない。わしはいきたいとおもえば、) そうとも、ここは神の御前に違いない。わしは行きたいと思えば、 (いつでもてんごくへいける。しかもいっしゅんのうちにもどってこられる。) いつでも天国へ行ける。しかも一瞬のうちに戻ってこられる。 (にじゅうねんまえ、かみはわしのゆめのなかにあらわれて、わしに、いつでもほうおうになれる・・・。) 二十年前、神はわしの夢の中に現れて、わしに、いつでも法王になれる・・・。 (いいか。ほうおうじゃぞ。そうおっしゃったのだ」) いいか。法王じゃぞ。そうおっしゃったのだ」 (ろうじんは、あやしいわらいをほおにうかべて、なおもしゃべりつづけた。) 老人は、怪しい笑いを頬に浮かべて、なおもしゃべり続けた。 (「・・・にもかかわらず、こくおうはわしのもっていたしゅうどういんをぶちこわしてしまった) 「・・・にもかかわらず、国王はわしの持っていた修道院をぶち壊してしまった (そこで、わしはしかたなくこのもりのなかへみをかくした。) そこで、わしは仕方なくこの森の中へ身を隠した。 (ああ、ほうおうになるはずのわしのみのうえは、めちゃくちゃになったのじゃ」) ああ、法王になるはずのわしの身の上は、めちゃくちゃになったのじゃ」 (そのこえは、まるでけもののようだった。) その声は、まるで獣のようだった。 (えどわーどはへやのすみで、おそろしさにふるえているよりほかなかった。) エドワードは部屋の隅で、恐ろしさに震えているよりほかなかった。 (やがていちじかんほど、くちのなかでぶつぶついっていたろうじんは、やっとしずまって ) やがて一時間ほど、口の中でぶつぶつ言っていた老人は、やっとしずまって (ふつうのひとのようなくちをきくようになった。) 普通の人のような口をきくようになった。 (「さむかろうが。もっとまえへでてあたるがよい」) 「寒かろうが。もっと前へでてあたるがよい」 (しんせつなものごしに、えどわーどもやっとろうじんをたよりにするきもちになった。) 親切な物腰に、エドワードもやっと老人を頼りにする気持ちになった。 (なにかときをつかってくれて、たべものもくれた。) なにかと気を使ってくれて、食べ物もくれた。 (からだがあたたまったようだとわかると、こやのうらのちいさなへやに) 体が温まったようだとわかると、小屋の裏の小さな部屋に (えどわーどをつれていった。そこには、にわかづくりらしかったが) エドワードを連れて行った。そこには、にわかづくりらしかったが (ねごこちのよさそうなべっどがあった。) 寝心地の良さそうなベッドがあった。 (「さあ、ここでゆっくりおやすみ」) 「さあ、ここでゆっくりお休み」 (そういいながらろうじんは、えどわーどのかみのけをなでた。) そう言いながら老人は、エドワードの髪の毛をなでた。 (するととつぜん、ろうじんはさけんだ。) すると突然、老人は叫んだ。 (「おまえは、こくおうだといったな。どこのこくおうじゃ」) 「お前は、国王だと言ったな。どこの国王じゃ」 (「・・・いぎりす・・・こくおうだ」) 「・・・イギリス・・・国王だ」 (もうえどわーどは、きかれてこたえるよりも) もうエドワードは、聞かれて答えるよりも (ねむいほうがさきだったので、ぼんやりこたえた。) 眠い方が先だったので、ぼんやり答えた。 (「すると、そなたのちちのへんりーはどうした」) 「すると、そなたの父のヘンリーはどうした」 (「おなくなりあそばした」) 「お亡くなりあそばした」 (「ふむ、しんだか・・・」) 「ふむ、死んだか・・・」 (そうこたえたろうじんのかおはいかりとくるしみにもえて、ゆがんだ。) そう答えた老人の顔は怒りと苦しみに燃えて、ゆがんだ。 (「・・・おまえのちちおや、へんりーのおかげで、わしはしゅうどういんをこわされたうえに) 「・・・お前の父親、ヘンリーのおかげで、わしは修道院を壊されたうえに (このもりのなかへほうりだされたのだ。いまはたったひとり。) この森の中へ放り出されたのだ。今はたった一人。 (ほうおうになれるじんぶつがじゃぞ」) 法王になれる人物がじゃぞ」 (だが、もうえどわーどはこたえなかった。) だが、もうエドワードは答えなかった。 (なぜかといえば、ねむくてねむくて、ふたつのまぶたがくっついてはなれなかったからである) なぜかと言えば、眠くて眠くて、二つの瞼がくっついて離れなかったからである (ろうじんはでていった。) 老人は出て行った。
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