風の行方 -3-

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プレイ回数66順位1592位  難易度(4.5) 3213打 長文 長文モードのみ
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8124 8.2 98.9% 385.5 3166 34 61 2026/01/29
2 subaru 7928 8.2 96.4% 387.1 3187 118 61 2026/01/31
3 HAKU 7829 8.0 97.0% 397.6 3212 99 61 2026/02/01
4 Jyo 5771 A+ 6.0 96.2% 527.8 3168 122 61 2026/01/31

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問題文

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(いぜんにもえんげきぶのおんなのどうきゅうせいにいいよったことがあったらしいのだが、) 以前にも演劇部の女の同級生に言い寄ったことがあったらしいのだが、 (そのときもあいてにされず、それでもめげないでひたすらねちねちと) その時も相手にされず、それでもめげないでひたすらネチネチと (いいよりつづけて、とうとうそのどうきゅうせいはたいぶしてしまったのだそうだ。) 言い寄り続けて、とうとうその同級生は退部してしまったのだそうだ。 (ただそのさいも、いえにまでいくすとーかーのようなまねや) ただその際も、家にまで行くストーカーのような真似や (らんぼうなふるまいにでるようなことはなかったらしい。) 乱暴な振る舞いに出るようなことはなかったらしい。 (そんなはなしをふくすうのひとからきかされ、こんかいはそのおとこのほうが) そんな話を複数の人から聞かされ、今回はその男の方が (えんげきぶからいんたいするのだし、かみのけだけですむのなら) 演劇部から引退するのだし、髪の毛だけで済むのなら (それですべておわりにしたい。そうおもうようになった。) それですべて終わりにしたい。そう思うようになった。 (それですむうちに・・・・・) それで済むうちに・・・・・ (そしてあるよる、ねるまえにてれびをけしたとき、そのしずけさにふいにこころぼそさが) そしてある夜、寝る前にテレビを消した時、その静けさにふいに心細さが (こみあげてきて、「よし、あしたかみのけをわたそう」ときめたのだった。) 込み上げてきて、「よし、明日髪の毛を渡そう」と決めたのだった。 (しかし、いざはさみをてにもってもうかたほうのてで) しかし、いざハサミを手に持ってもう片方の手で (かみのけのいっぽんをえらんでつかみとると、) 髪の毛の一本を選んで掴み取ると、 (これからなにかだいじなものをもじどおりきりすててしまうようなかんかくにおそわれた。) これからなにか大事なものを文字通り切り捨ててしまうような感覚に襲われた。 (いっぽうてきなひがいしゃのじぶんが、どうしてこんなことまでしなければならないのか。) 一方的な被害者の自分が、どうしてこんなことまでしなければならないのか。 (そうおもうと、むかむかといかりがこみあげてきた。) そう思うと、ムカムカと怒りがこみ上げてきた。 (そうだ。なにもじぶんのかみのけでなくともよいんだ。) そうだ。なにも自分の髪の毛でなくとも良いんだ。 (おなじくらいのながさだったら、だれのだろうがどうせわかりっこない。) 同じくらいの長さだったら、誰のだろうがどうせ分かりっこない。 (そうおもったときめにはいったのが、へやのいしょうだんすのうえにかざっていた) そう思ったとき目に入ったのが、部屋の衣装箪笥の上に飾っていた (にほんにんぎょうだった。) 日本人形だった。
など
(こどものころにおやにかってもらったそのにんぎょうは、いまでもおきにいりで、) 子どものころに親に買ってもらったその人形は、今でもお気に入りで、 (このげしゅくさきまでもちこんでいたのだった。) この下宿先まで持ち込んでいたのだった。 (じょうたいもよく、いつかじぶんがきることをゆめみたきれいなきものをせいそにまとっていた。) 状態も良く、いつか自分が着ることを夢見た綺麗な着物を清楚にまとっていた。 (そっとそのかみにてをふれると、なめらかなかんしょくがゆびのはらをなでた。) そっとその髪に手を触れると、滑らかな感触が指の腹を撫でた。 (たしかほんもののじんもうをいっぽんいっぽんうえこんでいると、おやにきかされたことがあった。) 確か本物の人毛を一本一本植え込んでいると、親に聞かされたことがあった。 (これなら・・・・・) これなら・・・・・ (そうおもって、つかんだゆびさきにちからをこめるといっぽんのながいあでやかなかみのけがぬけた。) そう思って、掴んだ指先に力を込めると一本の長い艶やかな髪の毛が抜けた。 (ねもとをみると、さすがにもうこおんはついていなかったが、) 根元を見ると、さすがに蒙古音はついていなかったが、 (あのおとこも「ぬいたものをほしい」なんていわなかったはずだ。) あの男も「抜いたものを欲しい」なんて言わなかったはずだ。 (すこしかんがえて、もうこんのないそのねもとをはさみですこしかっとした。) 少し考えて、毛根のないその根元をハサミで少しカットした。 (これではえていたけをきったものとおなじになったし、) これで生えていた毛を切ったものと同じになったし、 (ながさもかのじょのものよりすこしながめだったのでちょうどよい。) 長さも彼女のものより少し長めだったのでちょうど良い。 (くろのびみょうないろあいもじぶんのものとほとんどおなじようにみえた。) 黒の微妙な色合いも自分のものとほとんど同じように見えた。 (それもとうぜんだった。りょうしんはかのじょのかみのいろつやとよくにたにんぎょうを) それも当然だった。両親は彼女の髪の色艶と良く似た人形を (えらんでかってくれたのだから。) 選んで買ってくれたのだから。 (つぎのひ、おとこにそのかみのけをわたした。はんかちにつつんで。) 次の日、男にその髪の毛を渡した。ハンカチに包んで。 (「そのはんかちもさしあげますから、もうかかわらないでください」というと、) 「そのハンカチも差し上げますから、もう関わらないでください」と言うと、 (おもいのほかすなおにうなずいて、ありがとう、とうれしそうにわらった。) 思いのほか素直に頷いて、ありがとう、と嬉しそうに笑った。 (さいごのそのえがおも、きもちがわるかった。かえるかはちゅうるいをまえにしているような) 最後のその笑顔も、気持ちが悪かった。カエルか爬虫類を前にしているような (きがした。けさまでにくい、というしんりなのかもしれなかったが、) 気がした。袈裟まで憎い、という真理なのかも知れなかったが、 (もううしろをふりかえることもなくあしばやにそのばをさった。) もう後ろを振り返ることもなく足早にその場を去った。 (すべてわすれてしまいたかった。) すべて忘れてしまいたかった。 (それからすうじつがたち、そのおとこもまったくかのじょのしゅういにあらわれなくなっていた。) それから数日が経ち、その男も全く彼女の周囲に現れなくなっていた。 (ほんにんのかおがめのまえにないとげんきんなもので、たいしたじつがいもなかったことだし、) 本人の顔が目の前にないと現金なもので、たいした実害もなかったことだし、 (だんだんとそれほどわるいひとではなかったようなきがしはじめていた。) だんだんとそれほど悪い人ではなかったような気がしはじめていた。 (そして、めいんめんばーのいちぶがぬけたあとのさいしょのこうえんである、) そして、メインメンバーの一部が抜けた後の最初の公演である、 (あきこうえんのことをおもうと、しぜんときもちがきりかわっていた。) 秋公演のことを思うと、自然と気持ちが切り替わっていた。 (そんなあるひ、よるにいつものようにへやでてれびをみているときに) そんなある日、夜にいつものように部屋でテレビを見ている時に (それはおこった。) それは起こった。 (ばらえてぃばんぐみがおわり、じゅういちじのにゅーすをながめていると、) バラエティ番組が終わり、十一時のニュースを眺めていると、 (ふいにへやのなかにものすごいおとがひびいた。) ふいに部屋の中に物凄い音が響いた。 (なにか、かたいかぐがはかいされたようなしょうげきおん。) なにか、硬い家具が破壊されたような衝撃音。 (しんぞうがとびあがりそうになった。うろたえながらもへやのなかのいじょうを) 心臓が飛び上がりそうになった。うろたえながらも部屋の中の異常を (さがそうと、いきをのんでしゅういにめをやる。) 探そうと、息を飲んで周囲に目をやる。 (たんすやたなからなにかおちたのだろうかとおもったが、) 箪笥や棚からなにか落ちたのだろうかと思ったが、 (それらしいものがゆかにおちているこんせきはない。) それらしいものが床に落ちている痕跡はない。 (そしてなにより、そんなたかがにめーとるていどのたかさから) そしてなにより、そんなたかが二メートル程度の高さから (ものがおちたようななまやさしいおとこではなかった。) 物が落ちたような生易しい男ではなかった。 (もっとらんぼうてきな、ぞっとするはかいおん。) もっと乱暴的な、ゾッとする破壊音。 (それきりへやはまたしずかになり、) それきり部屋はまた静かになり、 (てれびからにゅーすきゃすたーのこえだけがもれでてくる。) テレビからニュースキャスターの声だけが漏れ出てくる。
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