風の行方 -5-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
cicciさんのアカウント
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 8175 | 神 | 8.2 | 98.6% | 353.6 | 2931 | 40 | 60 | 2026/02/01 |
| 2 | subaru | 7754 | 神 | 8.0 | 96.6% | 366.9 | 2947 | 102 | 60 | 2026/01/31 |
| 3 | HAKU | 7704 | 神 | 7.9 | 96.6% | 373.3 | 2980 | 104 | 60 | 2026/02/01 |
| 4 | だったかもしれな | 7653 | 神 | 7.8 | 97.3% | 385.3 | 3030 | 81 | 60 | 2026/02/10 |
| 5 | Jyo | 6344 | S | 6.4 | 97.9% | 453.0 | 2935 | 61 | 60 | 2026/02/03 |
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問題文
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(あぱーとはすぐにわかり、ひょうさつのないどあをのっくしていると、)
アパートはすぐに分かり、表札のないドアをノックしていると、
(となりのへやからぶしょうひげをはやしたおとこがでてきて、こういった。)
隣の部屋から無精ひげを生やした男が出てきて、こう言った。
(「ひっこしたよ」)
「引っ越したよ」
(「いつですか」)
「いつですか」
(ぼりぼりとあごをかきながら「し、ごにちまえ」とこたえる。)
ぼりぼりと顎を掻きながら「四、五日前」と答える。
(ここにすんでいたのが、そがというがくせいだったことをかくにんして、)
ここに住んでいたのが、曽我という学生だったことを確認して、
(ひっこしさきをしりたいからおおやはどこにいるのかとかさねてきいた。)
引越し先を知りたいから大家はどこにいるのかと重ねて訊いた。
(すると、そのりんじんは「なんか、とうじつにきゅうにひっこすからってれんらくがあって、)
すると、その隣人は「なんか、当日に急に引っ越すからって連絡があって、
(しききんのこともあるのにひっこしさきもいわないできえた、)
敷金のこともあるのに引越し先も言わないで消えた、
(っておおやがぶつぶついってたよ」とおしえてくれた。)
って大家がぶつぶつ言ってたよ」と教えてくれた。
(し、ごにちまえか。ちょうどにんぎょうのじけんがあったころだ。)
四、五日前か。ちょうど人形の事件があったころだ。
(そのふごうにいやなよかんがしはじめた。)
その符号に嫌な予感がし始めた。
(れいをいってそのあぱーとからでたあと、こんどはそのあしでしないのはんこやにいった。)
礼を言ってそのアパートから出た後、今度はその足で市内のハンコ屋に行った。
(いぜんししょうのおつかいにいかされたみせだった。)
以前師匠のお遣いに行かされた店だった。
(ししょうはてんないにずらりとあったさんもんばんのなかから「そが」のはんこをえらんでかった。)
師匠は店内にズラリとあった三文判の中から「曽我」の判子を選んで買った。
(やすかったが、りょうしゅうしょをしっかりともらっていた。)
安かったが、領収書をしっかりともらっていた。
(あてなが「うえさま」だったことから、これからすることがなんとなくそうぞうできた。)
宛名が「上様」だったことから、これからすることがなんとなく想像できた。
(はんこやをでると、あんのじょうつぎのもくてきちはしやくしょだった。)
ハンコ屋を出ると、案の定次の目的地は市役所だった。
(ししょうはげんかんからしみんかのまどぐちをぬすみみて、)
師匠は玄関から市民課の窓口を盗み見て、
(ぼくに「じゅうみんひょうのしんせいしょをいちまいとってこい」といった。)
僕に「住民票の申請書を一枚とってこい」と言った。
など
(いうとおりにすると、こんどはたてもののかげでぼーるぺんをつきつけ、)
言うとおりにすると、今度は建物の陰でボールペンを突きつけ、
(そのしんせいしょの「いにんじょう」のらんをかかせた。)
その申請書の「委任状」の欄を書かせた。
(もちろんいにんしゃは「そがたけひろ」だ。)
もちろん委任者は「曽我タケヒロ」だ。
(そしてかったばかりのはんこをついて、)
そして買ったばかりの判子をついて、
(「ここでまってろ」としみんかのまどぐちへあるいていった。)
「ここで待ってろ」と市民課の窓口へ歩いて行った。
(そのいかにもものなれたようすに、こうしんじょのちょうさいんらしさをかんじてかんしんしていた。)
そのいかにも物慣れた様子に、興信所の調査員らしさを感じて感心していた。
(なにより、ぽけっとからけいたいしきのしゅにくがでてきたことがいちばんのおどろきだった。)
なにより、ポケットから携帯式の朱肉が出てきたことが一番の驚きだった。
(まえにももっているところをいたことがあったが、こんなこともあろうかと、)
前にも持っているところをいたことがあったが、こんなこともあろうかと、
(いつももちあるいているらしい。)
いつも持ち歩いているらしい。
(どっぷりつかっているな、このせかいに。)
どっぷり浸かっているな、この世界に。
(しかしそれさえ、かのじょのもつばいたりてぃのいちめんにすぎないということも)
しかしそれさえ、彼女の持つバイタリティの一面に過ぎないということも
(かんじていた。)
感じていた。
(しばらくまっていると、うかないかおをしてもどってきた。)
しばらく待っていると、浮かない顔をして戻ってきた。
(「どうでしたか」ときくと)
「どうでしたか」と訊くと
(「だめだ。こっちにじゅうみんひょうじたいうつしてなかった。じょうはつのしかたから、)
「駄目だ。こっちに住民票自体写してなかった。蒸発の仕方から、
(てんしゅつとどけはだしてないかのうせいがたかかったから、)
転出届は出してない可能性が高かったから、
(すんでたあぱーとのじゅうみんひょうさえとれれば、こせきとぜんじゅうしょがわかって、)
住んでたアパートの住民票さえ取れれば、戸籍と前住所が分かって、
(いろいろやりようがあったんだけど」)
色々やりようがあったんだけど」
(ししょうはそういいながらしやくしょのそとへあるきだす。)
師匠はそう言いながら市役所の外へ歩き出す。
(「おおやをつかまえて、あぱーとにこしてくるまえのじゅうしょをききだしますか」)
「大家をつかまえて、アパートに越してくる前の住所を訊き出しますか」
(「いや、むずかしいだろう。じゅうみんひょうをしないにうつしていないということは、)
「いや、難しいだろう。住民票を市内に移していないということは、
(えんぽうのじっかにじゅうしょをおいたままだったかのうせいがたかい。)
遠方の実家に住所を置いたままだった可能性が高い。
(かんだけど、そがはまだこのまちにいるきがする。)
カンだけど、曽我はまだこの街にいる気がする。
(だからじっかをさがしだしてもやつのあしどりをたどれるかどうかはあやしいな。)
だから実家を探し出してもやつの足取りをたどれるかどうかは怪しいな。
(ま、ぎゃくにじっかにかえってるんだったら、じつがいはなさそうだ。)
ま、逆に実家に帰ってるんだったら、実害はなさそうだ。
(とりあえずいますべきことは、さいあくのじたいをそうていして、じんそくにうごくことだな」)
とりあえず今すべきことは、最悪の事態を想定して、迅速に動くことだな」
(となると、やっぱりだいがくとえんげきぶのれんちゅうにききこみをするしかないか。)
となると、やっぱり大学と演劇部の連中に訊き込みをするしかないか。
(ししょうはいまいましそうにつぶやいた。)
師匠は忌々しそうに呟いた。
(もしそががまだそのきんぺんにいるのなら、)
もし曽我がまだその近辺にいるのなら、
(それではこちらのうごきもつつぬけになってしまうかのうせいがあった。)
それではこちらの動きも筒抜けになってしまう可能性があった。
(「どうすっかなあ」)
「どうすっかなあ」
(ししょうはおおげさにあたまをりょうてでかきながらあるく。)
師匠は大げさに頭を両手で掻きながら歩く。
(くーらーのきいていたしやくしょのなかからでると、)
クーラーの効いていた市役所の中から出ると、
(ねっきがぜんしんにおおいかぶさってきて、いきがつまるようだった。)
熱気が全身に覆いかぶさってきて、息が詰まるようだった。
(そしてたいようこうせんがようしゃなくはだをさす。)
そして太陽光線が容赦なく肌を指す。
(しかし、しばらくあるいていると、つよいかぜがふきつけてきてそのねっきが)
しかし、しばらく歩いていると、強い風が吹き付けてきてその熱気が
(すこしちらされた。あいかわらずかぜがつよい。あさからずっとふきまわっている。)
少し散らされた。相変わらず風が強い。朝からずっと吹き回っている。
(「きのうからだよ」)
「昨日からだよ」
(とししょうはいった。かぜはきのうからふいているらしい。そういえばきのうは)
と師匠は言った。風は昨日から吹いているらしい。そう言えば昨日は
(ほとんどねてすごしたのでおぼえていないが、そうだったかもしれない。)
ほとんど寝て過ごしたので覚えていないが、そうだったかも知れない。