風の行方 -7-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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| 1 | berry | 8083 | 神 | 8.1 | 99.1% | 310.4 | 2530 | 21 | 52 | 2026/01/31 |
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問題文
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(「おまえ、そのともだちのはなし」)
「お前、その友だちの話」
(「え」)
「え」
(「みじかいかみのけだれのよ、っておこられたともだちだよ」)
「短い髪の毛誰のよ、って怒られた友だちだよ」
(「はい」)
「はい」
(「ほんとうにうわきをしていたのか」)
「本当に浮気をしていたのか」
(そのことばにはっとした。うわきなんかしていないはずだ。)
その言葉にハッとした。浮気なんかしていないはずだ。
(いまのかのじょをみつけただけでもきせきのようなおとこだったから。)
今の彼女を見つけただけでも奇跡のような男だったから。
(そのへやに、かのじょのでも、じぶんのでもないみじかいかみのけ。)
その部屋に、彼女のでも、自分のでもない短い髪の毛。
(そのへやに、かのじょのでも、じぶんのでもないみじかいかみのけ。)
その部屋に、彼女のでも、自分のでもない短い髪の毛。
(ふつうにかんがえればだれかほかの、おとこのゆうじんがあそびにきておとしたのだろうと)
普通に考えれば誰か他の、男の友人が遊びにきて落としたのだろうと
(おもうところだ。しかし、そうれんそうせずにいきなりつめよられたということは、)
思うところだ。しかし、そう連想せずにいきなり詰め寄られたということは、
(なにかりゆうがあるはずだ。)
なにか理由があるはずだ。
(たとえば、まえのひにふたりでへやでそうじをしたばかりで、)
例えば、前の日に二人で部屋で掃除をしたばかりで、
(ゆうじんはだれもたずねてはきていないはずだったとか。)
友人は誰も訪ねては来ていないはずだったとか。
(だったらそのかみのけは、どこから?)
だったらその髪の毛は、どこから?
(ぼくはおもらずじぶんのふくをみた。すみからすみまで。)
僕はおもらず自分の服を見た。隅から隅まで。
(そしてふくのひょうめんにからみついたかみのけをみつけてしまった。それもさんぼんも。)
そして服の表面に絡みついた髪の毛を見つけてしまった。それも三本も。
(ぞわぞわとひふがあわだつ。)
ぞわぞわと皮膚が泡立つ。
(どれもおなじにんげんのかみのけとはおもえなかった。よくかんさつするとながさやふとさ、)
どれも同じ人間の髪の毛とは思えなかった。よく観察すると長さや太さ、
(いろあいがすべてちがう。)
色合いがすべて違う。
など
(こうして、ゆうじんのふくについただれかのかみのけが、へやのなかにおちたのか。)
こうして、友人の服についた誰かの髪の毛が、部屋の中に落ちたのか。
(そういえば、きょうじぶんのへやをでたときからかおになにかほこりのようなものが)
そう言えば、今日自分の部屋を出たときから顔に何かほこりのようなものが
(あたっていきがつまることがなんどかあった。)
当たって息が詰まることが何度かあった。
(あれはもしかしてかみのけだったのかもしれない。すべて。)
あれはもしかして髪の毛だったのかも知れない。すべて。
(そらははれわたっていて、ぽつぽつとうかんだくもは)
空は晴れ渡っていて、ぽつぽつと浮かんだ雲は
(どれもまったくうごいていないようにみえた。じょうくうはかぜがないのだろうか。)
どれもまったく動いていないように見えた。上空は風がないのだろうか。
(ししょうはほどうのまんなかでかぜをみようとするようにくびをつきだしてめをみひらいた。)
師匠は歩道の真ん中で風を見ようとするように首を突き出して目を見開いた。
(そしてしばらくそのままのかっこうでいたかとおもうと、まえをみたままくちをひらく。)
そしてしばらくそのままの格好でいたかと思うと、前を見たまま口を開く。
(「かみが、まざっているぞ」)
「髪が、混ざっているぞ」
(かぜのなかに。)
風の中に。
(そういって、なんともいえないえみをうかべた。)
そう言って、なんとも言えない笑みを浮かべた。
(「こものだとおもったけど、これはすごいな。いったいどういうことだ」)
「小物だと思ったけど、これは凄いな。いったいどういうことだ」
(ししょうのそのことばをきいて、そこにふくまれたいみにしょっくをうける。)
師匠のその言葉を聞いて、そこに含まれた意味にショックを受ける。
(「これが、ひとのしわざだっていうんですか」)
「これが、人の仕業だって言うんですか」
(まちのなかにふくかぜに、かみのけがまざっているのが、だれかのしわざだと。)
街の中に吹く風に、髪の毛が混ざっているのが、誰かの仕業だと。
(ぼくはほおにふきつけるかぜにけんおかんをおぼえてあとずさったが、)
僕は頬に吹き付ける風に嫌悪感を覚えて後ずさったが、
(かぜはにげばなくどこからもふいていた。そのめにみえないくうきのながれにのって、)
風は逃げ場なくどこからも吹いていた。その目に見えない空気の流れに乗って、
(むすうのだれかのかみのけがちゅうをまっていることをそうぞうし、はきけをもよおす。)
無数の誰かの髪の毛が宙を舞っていることを想像し、吐き気をもよおす。
(「とこやの・・・・・ごみばこがかぜでたおれて、そのままごみぶくろいっぱいのかみのけが)
「床屋の・・・・・ゴミ箱が風で倒れて、そのままゴミ袋いっぱいの髪の毛が
(かぜにとばされたんじゃないですか」)
風に飛ばされたんじゃないですか」
(むりにかるくちをたたいたが、ししょうはくびをふる。)
無理に軽口を叩いたが、師匠は首を振る。
(「みろ」)
「見ろ」
(つかんだままのかみのけをにほんともぼくにつきつける。)
掴んだままの髪の毛を二本とも僕につきつける。
(よくみると、どちらにももうこんがついていた。あわててじぶんのからだについていた)
よく見ると、どちらにも毛根がついていた。慌てて自分の身体についていた
(さっきのかみのけもかくにんするが、そのすべてにもうこんがついている。)
さっきの髪の毛も確認するが、そのすべてに毛根がついている。
(はさみできられたものではなく、あきらかにぬけたけだ。)
ハサミで切られたものではなく、明らかに抜けた毛だ。
(たしかにつうこうにんのかみのけがしぜんにぬけおちることはあるだろう。)
確かに通行人の髪の毛が自然に抜け落ちることはあるだろう。
(それがかぜにながされてくることも。だが、もんだいなのはそのひんどだった。)
それが風に流されてくることも。だが、問題なのはその頻度だった。
(ししょうが、ちかくにあったきっさてんのかんばんにちかづいてゆびをさす。)
師匠が、近くにあった喫茶店の看板に近づいて指をさす。
(そこにはなんぼんかのかみのけがはりついて、ふきつけるかぜにこきざみにゆれていた。)
そこには何本かの髪の毛が張り付いて、吹き付ける風に小刻みに揺れていた。
(「いくぞ」)
「行くぞ」
(ししょうがぼくのじてんしゃのうしろにいきおいよくとびのった。ぼくはすぐにこぎだす。)
師匠が僕の自転車の後ろに勢いよく飛び乗った。僕はすぐにこぎ出す。