保育園 -22-(完)
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 8075 | 神 | 8.2 | 97.8% | 393.3 | 3248 | 72 | 75 | 2026/03/28 |
| 2 | HAKU | 7831 | 神 | 8.0 | 97.0% | 408.2 | 3298 | 101 | 75 | 2026/03/30 |
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問題文
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(はしってくるぼくにおびえたようなひょうじょうをしたほいくしたちだったが、)
走ってくる僕に怯えたような表情をした保育士たちだったが、
(「とんぼをかります」というと、げんかんからでてきて、)
「トンボを借ります」と言うと、玄関から出てきて、
(うらてのものおきへあんないしてくれた。)
裏手の物置へ案内してくれた。
(とってのさびついたとんぼをひきずりながらえんていにでてくると、)
取っ手の錆びついたトンボを引きずりながら園庭に出てくると、
(けむりがたっているのがみえる。)
煙が立っているのが見える。
(ししょうがまほうじんのうえで、まねきんのてをもやしているのだ。)
師匠が魔法陣の上で、マネキンの手を燃やしているのだ。
(くろいけむりがゆらゆらとたちのぼっている。)
黒い煙がゆらゆらと立ち上っている。
(ぽしぇっとにはいっていたらしいこがたのがすぼんべにのずるをとりつけて、)
ポシェットに入っていたらしい小型のガスボンベにノズルを取り付けて、
(らいたーでひをつけ、ばーなーのようにつかっていた。)
ライターで火をつけ、バーナーのように使っていた。
(けむりをすわないようにふくのそでをくちもとにあてながら、)
煙を吸わないように服のそでを口元に当てながら、
(ししょうはそうしてまねきんのてをもやしていった。)
師匠はそうしてマネキンの手を燃やしていった。
(やがてもえかすをけとばし、ぼくにむかって「とんぼ」をいう。)
やがて燃えカスを蹴飛ばし、僕に向かって「トンボ」を言う。
(てわたすとししょうはためらいもなくまほうじんをけした。)
手渡すと師匠はためらいもなく魔法陣を消した。
(わいぱーでよごれをとるように。)
ワイパーで汚れを取るように。
(じめんがすっかりならされ、まほうじんなどあとかたもなくなったころ、)
地面がすっかりならされ、魔法陣など跡形もなくなったころ、
(ししょうはぼくにかおをむけた。)
師匠は僕に顔を向けた。
(「かいけつ」)
「解決」
(そうしてわらった。)
そうして笑った。
(だがそのかおはどこかこわばり、ひたいからおちるあせでいちめんがぬれている。)
だがその顔はどこか強張り、額から落ちる汗で一面が濡れている。
(ちちゅうふかくからわきあがってくるようなぷれっしゃーもいつのまにか)
地中深くから湧き上がってくるようなプレッシャーもいつの間にか
など
(むさんしていた。)
霧散していた。
(それからまたぼくらはえんしゃにもどり、ごさいじしつでくるまざにすわった。)
それからまた僕らは園舎に戻り、五歳児室で車座に座った。
(ほいくしたちは、こつぜんとあらわれたまほうじんとそこからしゅつどしたまねきんのてに、)
保育士たちは、忽然と現れた魔法陣とそこから出土したマネキンの手に、
(いまでもしんじられないというようすでなまつばをのんでいる。)
今でも信じられないという様子で生唾を呑んでいる。
(やがて、くまのぬいぐるみをうめたとしょうげんしたゆいせんせいが、)
やがて、クマのぬいぐるみを埋めたと証言した由衣先生が、
(あんなものはしらないとわめいた。)
あんなものは知らないと喚いた。
(だが、げんじつにでてきたのはまねきんのてだ。)
だが、現実に出てきたのはマネキンの手だ。
(おちつかせようとやさしいことばをかけるえつこせんせいのよこで、)
落ち着かせようと優しい言葉をかける悦子先生の横で、
(あさみせんせいがくちをあく。)
麻美先生が口を開く。
(「わたしもきいたはなしで、じしんがなかったんだけど。やっぱりまちがいない。)
「私も聞いた話で、自信がなかったんだけど。やっぱり間違いない。
(ぬまたちかちゃんは、たしかぼしかていだったはず」)
沼田ちかちゃんは、確か母子家庭だったはず」
(ふしかていじゃなくて。)
父子家庭じゃなくて。
(それもじょうはつなどではなく、しべつだったはずだ、というのだ。)
それも蒸発などではなく、死別だったはずだ、と言うのだ。
(ではあのよる、ゆいせんせいのまえにあらわれてぬいぐるみをたくしたおとこはだれなのだ。)
ではあの夜、由衣先生の前に現れてぬいぐるみを託した男は誰なのだ。
(そもそもそれはほんとうにぬいぐるみだったのか。)
そもそもそれは本当にぬいぐるみだったのか。
(うたがいのめがゆいせんせいにあつまる。)
疑いの目が由衣先生に集まる。
(「しらない。わたししらない」)
「知らない。私知らない」
(さくらんしてそうくりかえすだけのゆいせんせいに、ししょうはとりなすようにつげる。)
錯乱してそう繰り返すだけの由衣先生に、師匠は取り成すように告げる。
(「きおくのこんらんですね。このえんにすくっていたれいのしわざでしょう。)
「記憶の混乱ですね。この園に巣食っていた例の仕業でしょう。
(ですがそれももうおわったことです。げんきょうはさっきわたしが)
ですがそれももう終わったことです。元凶はさっき私が
(もやしてしまいましたから。もうなにもれいてきなものはかんじられません。)
燃やしてしまいましたから。もう何も霊的なものは感じられません。
(これでおかしなことはおこらないはずです」)
これでおかしなことは起こらないはずです」
(きっぱりとそういったししょうに、せんせいたちはどこかあんどしたようなかおになった。)
きっぱりとそう言った師匠に、先生たちはどこか安堵したような顔になった。
(「もしなにかあったら、あふたーさーびすでかけつけますよ。)
「もしなにかあったら、アフターサービスで駆けつけますよ。
(いつでもよんでください」)
いつでも呼んでください」
(そのえがおに、みんなころりとだまされたのだ。)
その笑顔に、みんなころりと騙されたのだ。
(かいけつなどしていなかった。)
解決などしていなかった。
(これまでにこのほいくえんでおこっていたかいきげんしょうのげんいんはおそらく、)
これまでにこの保育園で起こっていた怪奇現象の原因は恐らく、
(ししょうがかんじていた「のこりかす」のほうだろう。)
師匠が感じていた「残りカス」の方だろう。
(だがそれはもうきえさっている。)
だがそれはもう消え去っている。
(いつ?)
いつ?
(たぶん、まほうじんがさいしょにあらわれたひ。)
たぶん、魔法陣が最初に現れた日。
(いや、ちかちゃんのちちおやをなのるおとこがえたいのしれないなにかをたずさえて)
いや、ちかちゃんの父親を名乗る男が得体の知れないなにかを携えて
(やってきたひかもしれない。)
やってきた日かも知れない。
(それは、そんなごくふつうのあくりょうなど、)
それは、そんなごく普通の悪霊など、
(ちかづいただけでふきとばされてきえてしまうような、)
近づいただけで吹き飛ばされて消えてしまうような、
(そこしれないちからをもったものだったのだろうか。)
底知れない力を持ったものだったのだろうか。
(だがししょうはなにもいわなかった。)
だが師匠はなにも言わなかった。
(ただぼくたちはおれいをいわれて、そのほいくえんをでた。)
ただ僕たちはお礼を言われて、その保育園を出た。
(さりぎわ、えつこせんせいがまだないているゆいせんせいをしったして、)
去り際、悦子先生がまだ泣いている由衣先生を叱咤して、
(「ほら、しっかりして。もうだいじょうぶだから」とかたをだいてあげていた。)
「ほら、しっかりして。もう大丈夫だから」と肩を抱いてあげていた。
(まあ、これはこれでよかったのかな、とぼくはおもった。)
まあ、これはこれで良かったのかな、と僕は思った。
(そのかえりみち、じむしょへむかうとちゅうでししょうはぶんぐやにたちより、)
その帰り道、事務所へ向かう途中で師匠は文具屋に立ち寄り、
(しないのちずをかった。かなりしょうさいなちずだ。)
市内の地図を買った。かなり詳細な地図だ。
(そしてそのばにそれをひろげ、さっきのほいくえんがのっているばしょに)
そしてその場にそれを広げ、さっきの保育園が載っている場所に
(まーかーでしるしをつけた。)
マーカーで印をつけた。
(ひづけとまほうじんのえ。そしてまねきんのてのずあんをそえて。)
日付と魔法陣の絵。そしてマネキンの手の図案を添えて。
(「それをどうするんですか」)
「それをどうするんですか」
(ぼくがきくと、ししょうははぐらかすようにいった。)
僕が訊くと、師匠ははぐらかすように言った。
(「どうもしないよ。けど、なんとなく、な」)
「どうもしないよ。けど、なんとなく、な」
(そのときのししょうのめのおくのひかりを、ぼくはいまもおぼえている。)
その時の師匠の目の奥の光を、僕は今も覚えている。
(なんだかくらく、ふかいひかりだ。)
なんだか暗く、深い光だ。
(それをみたときのぼくは、なんともいえないふあんなきもちになった。)
それを見た時の僕は、なんとも言えない不安な気持ちになった。
(しのきざし。)
死の兆し。
(それをはっきりいしきしたのは、そのときがさいしょだったのかもしれない。)
それをはっきり意識したのは、その時が最初だったのかも知れない。