空を歩く男 -6-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文
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(「あそこにはな、みちがあるんだ。めにみえないみちが。)
「あそこにはな、道があるんだ。目に見えない道が。
(でもふつうのひとじゃあ、まずたどりつけないのさあ」)
でも普通の人じゃあ、まずたどり着けないのさあ」
(おや?)
おや?
(おっさんのことばではなく、なにかべつの、いわかんがあったきがした。)
おっさんの言葉ではなく、なにか別の、違和感があった気がした。
(しょうめんからかおをみると、ほおはにくがだぶついていて、)
正面から顔を見ると、頬は肉がダブついていて、
(はみだしたはなげとあいまってだらしないいんしょうだった。)
はみ出した鼻毛と相まってだらしない印象だった。
(しかしどこかあいきょうのあるかおだちだ。)
しかしどこか愛嬌のある顔立ちだ。
(そのどこにいわかんがあったのだろう。)
そのどこに違和感があったのだろう。
(まあ、いいや。)
まあ、いいや。
(あるこーるがいいかんじにのうみそをしびれさせている。)
アルコールがいい感じに脳みそを痺れさせている。
(「まわりのびるよりたかいばしょだ。そんなところにみちなんてあるわけがない。)
「周りのビルより高い場所だ。そんなところに道なんてあるわけがない。
(そうおもうだろ。でもなあ、そうじゃあないんだ。あのみちはな・・・・・」)
そう思うだろ。でもなあ、そうじゃあないんだ。あの道はな・・・・・」
(「きたのとおりの、こうそうびるからでしょう」)
「北の通りの、高層ビルからでしょう」
(おっさんはおどろいたかおをした。)
おっさんは驚いた顔をした。
(「おおよぅ。わかってんじゃねえかにいちゃん」)
「おおよぅ。分かってんじゃねえか兄ちゃん」
(そうなのだ。)
そうなのだ。
(このとうざいのとおりにめんしたびるはたかくともし、ごかいだ。)
この東西の通りに面したビルは高くとも四、五階だ。
(しかしはなれたとおりのびるにはもっとたかいものがある。)
しかし離れた通りのビルにはもっと高いものがある。
(そのきたのとおりにめんしたこうそうびるからのびているのだ。そのそらのみちは。)
その北の通りに面した高層ビルから伸びているのだ。その空の道は。
(よいにかきまわされたあたまが、ようやくそんなたんじゅんなこたえにたどりついていた。)
酔いにかき回された頭が、ようやくそんな単純な答えにたどり着いていた。
など
(そしてもっとみなみのとおりにもたかいびるがある。)
そしてもっと南の通りにも高いビルがある。
(そこまでのびているのか。あるいは、そのままひとのせかいではない、)
そこまで伸びているのか。あるいは、そのまま人の世界ではない、
(こくうへとのびていくみちなのか。)
虚空へと伸びていく道なのか。
(「れいどうなんでしょう」)
「霊道なんでしょう」
(まけじとかおをおっさんのはなさきにつきだす。)
負けじと顔をおっさんの鼻先に突き出す。
(しかしおっさんは、にやりとわらうと「ちがうねえ」といった。)
しかしおっさんは、にやりと笑うと「違うねえ」と言った。
(「ほんとうにみちがあるんだよ。いいからついてきな。)
「本当に道があるんだよ。いいからついてきな。
(しってるやつじゃなきゃぜったいにわからない。)
知ってるやつじゃなきゃ絶対に分からない。
(あそこへいくみちが、いっぽんだけあるんだ」)
あそこへ行く道が、一本だけあるんだ」
(そしてまたたよりないあしどりではんかがいをすすんでいく。)
そしてまた頼りない足取りで繁華街を進んでいく。
(なんだこのおっさんは。いみがわからない。しかしなんだかたのしくなってきた。)
なんだこのおっさんは。意味がわからない。しかしなんだか楽しくなってきた。
(「さあ、こっちだ」)
「さあ、こっちだ」
(おっさんはさんさろでみなみにおれようとした。)
おっさんは三叉路で南に折れようとした。
(「ちょっとちょっと、きたのとおりでしょ。そっちはみなみ」)
「ちょっとちょっと、北の通りでしょ。そっちは南」
(たぶんもくてきちはきたのおおどおりの、おくじょうでびあがーでんをやっているびるだ。)
たぶん目的地は北の大通りの、屋上でビアガーデンをやっているビルだ。
(ほうこうがちがう。)
方向が違う。
(しかしおっさんはふてきなえみをうかべてひとさしゆびをさゆうにふった。)
しかしおっさんは不敵な笑みを浮かべて人差し指を左右に振った。
(「きたにむかうのに、そのままきたへむかうってぇじょうしきてきなはっそうが、)
「北に向かうのに、そのまま北へ向かうってぇ常識的な発想が、
(このみちをみえなくしてんだよ」)
この道を見えなくしてんだよ」
(そんなことをいいながらふらふらとみなみのすじにはいり、)
そんなことを言いながらふらふらと南の筋に入り、
(やがてそのとおりにあったびるとびるのすきまのほそいろじへからだをねじこみはじめた。)
やがてその通りにあったビルとビルの隙間の細い路地へ身体をねじ込み始めた。
(ふとりぎみのからだにはいかにもきゅうくつそうだった。)
太り気味の身体にはいかにも窮屈そうだった。
(だめだ。よっぱらいすぎだ、これは。)
だめだ。酔っ払いすぎだ、これは。
(「いいから、ついてこい。)
「いいから、ついてこい。
(せかいはおりかさなってんだ。)
世界は折り重なってんだ。
(おなじみちにたっていても、どこからどうやってそこへたどりついたかで、)
同じ道に立っていても、どこからどうやってそこへたどり着いたかで、
(まったくちがう、べつのみちのさきがひらけるってこともあるんだ」)
まったく違う、別の道の先が開けるってこともあるんだ」
(うおおおおおおおおお。)
うおおおおおおおおお。
(そんなことをいきおいよくわめきながら、)
そんなことを勢い良くわめきながら、
(おっさんはざっきょびるのはざまへきえていった。)
おっさんは雑居ビルの狭間へ消えていった。
(なんだかこころひかれるものがあったぼくも、さけのいきおいをかってついていく。)
なんだか心魅かれるものがあった僕も、酒の勢いを駆ってついていく。
(それからぼくとおっさんは、はいこうじょうのしきちのなかをとおったり、)
それから僕とおっさんは、廃工場の敷地の中を通ったり、
(ふるいあぱーとのかいだんをのぼって、にかいのつうろをとおってから)
古いアパートの階段を上って、二階の通路を通ってから
(はんたいがたのかいだんからおりたり、いざかやにはいったかとおもうと、)
反対型の階段から降りたり、居酒屋に入ったかと思うと、
(なにもちゅうもんせずにそのままおくのといれのまどからぬけだしたりと、)
なにも注文せずにそのまま奥のトイレの窓から抜け出したりと、
(むちゃくちゃなるーとをすすみながら、すこしずつきたへむかいはじめた。)
無茶苦茶なルートを進みながら、少しずつ北へ向かい始めた。
(ますますたのしくなってきた。まちのねおんがきらきらとかがやいて、)
ますます楽しくなってきた。街のネオンがキラキラと輝いて、
(すべてがゆめのなかにいるようだった。)
すべてが夢の中にいるようだった。