本 -8-(完)
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | berry | 7179 | 王 | 7.3 | 97.4% | 374.0 | 2758 | 73 | 66 | 2026/05/20 |
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問題文
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(としょかんのぼうだいにそんざいするほんのどれかににげたかもしれない、なんていわれても)
図書館の膨大に存在する本のどれかに逃げたかもしれない、なんて言われても
(すぐにはかくにんのしようがないが、そのことついてはじしんがあった。)
すぐには確認のしようがないが、そのことついては自信があった。
(なぜかといわれてもうまくこたえられないのだが、)
何故かと言われても上手く答えられないのだが、
(おれのこれまでのけいけんにうらうちされたかんだ。)
俺のこれまでの経験に裏打ちされたカンだ。
(なにより、るーぷをやぶるほうほうをおもいついたしゅんかんにさめてしまったじぶんじしんと、)
なにより、ループを破る方法を思いついた瞬間に冷めてしまった自分自身と、
(こたつにはいってねむったそのおれになにもできなかったという、)
こたつに入って眠ったその俺になにも出来なかったという、
(かいげんしょうとしての、こういってはなんだが、しょぼさ、がそれをほきょうしている。)
怪現象としての、こう言ってはなんだが、しょぼさ、がそれを補強している。
(おんきょうもにたようなかんそうをもったのか、あっさりとなっとくしたようだ。)
音響も似たような感想を持ったのか、あっさりと納得したようだ。
(「ありがとう。さすが」)
「ありがとう。さすが」
(さすが、のあと、ししょうのしのじがつづくまえにおれはかぶせていった。)
さすが、の後、師匠のしの字が続く前に俺は被せて言った。
(「おまえ、いつまでこんなことにくびつっこんでいくつもりだ」)
「お前、いつまでこんなことに首突っ込んで行くつもりだ」
(するときょとんとして、「だって」というのだ。)
するとキョトンとして、「だって」と言うのだ。
(「だって、これからじゃない。だいがくにはいったら、)
「だって、これからじゃない。大学に入ったら、
(もっといろいろたのしいことできそうだし」)
もっと色々楽しいことできそうだし」
(そのことばをきいたしゅんかん、じぶんがろうじんになってしまったようにかんじてしまった。)
その言葉を聞いた瞬間、自分が老人になってしまったように感じてしまった。
(そうか、こいつはこれからなのか。)
そうか、こいつはこれからなのか。
(おれがおかるとどうにどっぷりとつかってむちゃばかりやっていた)
俺がオカルト道にどっぷりと浸かって無茶ばかりやっていた
(あのむきどうなひびが、こいつにはこれからやってくるのか。)
あの無軌道な日々が、こいつにはこれからやってくるのか。
(じぶんにはもうもどってこないじかんがぜんほういにむかってひらかれているしょうじょに、)
自分にはもう戻って来ない時間が全方位に向かって開かれている少女に、
(めをあけられないようなまぶしさをかんじておれはめをそらした。)
目を開けられないような眩しさを感じて俺は目を逸らした。
など
(「そういえば」と、おんきょうはかれーをすくおうとしていたすぷーんをとめる。)
「そういえば」と、音響はカレーを掬おうとしていたスプーンを止める。
(「きのうるりちゃんにあったよ」)
「昨日瑠璃ちゃんに会ったよ」
(いっしゅんいみがわからず、あめりかへかえったんじゃないのかと)
一瞬意味が分からず、アメリカへ帰ったんじゃないのかと
(いいそうになってから、ああ、そういうことはとひとりごちた。)
言いそうになってから、ああ、そういうことはと一人ごちた。
(「わたし、じもとのだいがくにいくのはさ、)
「わたし、地元の大学に行くのはさ、
(るりちゃんとあそびたいってのもあるんだよね」)
瑠璃ちゃんと遊びたいってのもあるんだよね」
(「あいつ、このまちにしかいられないのか」)
「あいつ、この街にしかいられないのか」
(「うん」)
「うん」
(そうかーー)
そうかーー
(the king stays here,)
The king stays here,
(the king leaves here.)
The king leaves here.
(ふいに、あたまのなかにるりのすきだったことばがよみがえった。)
ふいに、頭の中に瑠璃の好きだった言葉が蘇った。
(おうはとどまり、おうははなれる。)
王は留まり、王は離れる。
(じぶんのなまえをしょうかいするときに、いつもこのんでこのことばをつかっていた。)
自分の名前を紹介する時に、いつも好んでこの言葉を使っていた。
(もちろんほんみょうではない。じぶんでつけたなまえだ。)
もちろん本名ではない。自分でつけた名前だ。
(それはほんらいかのじょのかおのあるぶいをたんてきにあらわすことばだったが、)
それは本来彼女の顔のある部位を端的に表す言葉だったが、
(ここにきみょうなふごうがうまれていた。)
ここに奇妙な符合が生まれていた。
(i stay here, i leave here.)
I stay here, I leave here.
(きんぐをじぶんにかえることで、うまれついてかのじょにおこっている)
キングを自分に変えることで、生まれついて彼女に起こっている
(そのふしぎなげんしょうをあらわすことばになるのだ。)
その不思議な現象を表す言葉になるのだ。
(それも、にゅーよーくへかえったかのじょをあらわすときにはそのことばがぎゃくてんする。)
それも、ニューヨークへ帰った彼女を表す時にはその言葉が逆転する。
(おもしろいな。)
面白いな。
(おれはにんげんをとりまく、めにみえないぐうぜんというものや、)
俺は人間を取り巻く、目に見えない偶然というものや、
(うんめいというものをあらためてかんじた。)
運命というものを改めて感じた。
(「こんどあったら、めをいためないようにきをつけろっていっておいてくれ」)
「今度会ったら、目を痛めないように気をつけろって言っておいてくれ」
(「なにそれ。からこんのこと?るりちゃん、もうしてないよ」)
「なにそれ。カラコンのこと?瑠璃ちゃん、もうしてないよ」
(おんきょうがふしぎそうにそういう。)
音響が不思議そうにそう言う。
(「いや、いい」)
「いや、いい」
(おれは、みえざるあくいのしゅようなひょうてきとなったよにんの、)
俺は、見えざる悪意の主要な標的となった四人の、
(あるきょうつうてんのことをかんがえていた。)
ある共通点のことを考えていた。
(よんにんのうちのさんにん。それがぐうぜんなのか、そうでないのか、)
四人のうちの三人。それが偶然なのか、そうでないのか、
(すべてがおわったいまでもわからないのだった。)
すべてが終わった今でも分からないのだった。
(かれーをたべおわったころ、こしをうかしかけたおれにおんきょうがいう。)
カレーを食べ終わったころ、腰を浮かしかけた俺に音響が言う。
(「じゃあ、はるからよろしくね、ししょう」)
「じゃあ、春からよろしくね、師匠」
(あいかわらずじょうからしたまでくろずくめのかっこうでそんなことをいうのだ。)
相変わらず上から下まで黒尽くめの格好でそんなことを言うのだ。
(はらのなかをよみとれないひょうじょうで。)
腹の中を読み取れない表情で。
(おれはいっしゅん、じぶんがべつのにんげんになったようなさっかくにおちいり、うろたえた。)
俺は一瞬、自分が別の人間になったような錯覚に陥り、うろたえた。
(うろたえながらも、なんとかいいかえしたのだった。)
うろたえながらも、なんとか言い返したのだった。
(「うかってからいえ」)
「受かってから言え」
(ししょうだと?このおれが。)
師匠だと?この俺が。
(これまでただいたずらのようにそうよばれていたのとはちがう、)
これまでただイタズラのようにそう呼ばれていたのとは違う、
(ぞわぞわするかんかくがあった。)
ぞわぞわする感覚があった。
(これについてはだんじてうんめいではない。と、おもう。)
これについては断じて運命ではない。と、思う。
(しいていえば・・・・・)
しいて言えば・・・・・
(しいていえば、そう。)
しいて言えば、そう。
(やっぱり、no fateということになるんだろう。)
やっぱり、no fateということになるんだろう。