心霊写真 -61-
師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
cicciさんのアカウント
https://typing.twi1.me/profile/userId/130158
全部手打ちのため、読みなどによく間違いがあります。いつも修正ありがとうございます。
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| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | HAKU | 8149 | 神 | 8.3 | 97.1% | 352.3 | 2958 | 87 | 61 | 2026/09/01 |
| 2 | だったかもしれな | 8021 | 神 | 8.1 | 98.0% | 368.0 | 3013 | 61 | 61 | 2026/09/01 |
| 3 | berry | 8009 | 神 | 8.1 | 98.5% | 359.7 | 2923 | 42 | 61 | 2026/09/01 |
| 4 | kaa | 7070 | 王 | 7.3 | 96.0% | 401.5 | 2962 | 123 | 61 | 2026/09/01 |
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問題文
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(まつうらがさったあと、よるくじはんになるまえにぼくらはおがわちょうさじむしょをでた。)
松浦が去った後、夜九時半になる前に僕らは小川調査事務所を出た。
(なんだかつかれはてていて、いましょちょうがかえってきてしまったら)
なんだか疲れ果てていて、今所長が帰って来てしまったら
(ちくいちなにがあったかせつめいするようなげんきはなかったのだ。)
逐一何があったか説明するような元気はなかったのだ。
(なにごともなかったかのようにじむしょをかたづけ、あわただしくざっきょびるをでると、)
何ごともなかったかのように事務所を片付け、慌しく雑居びるを出ると、
(いっかいのきっさてんぼすとんのいりぐちに、)
一階の喫茶店ボストンの入り口に、
(かくてるぐらすのえのぷれーとがかけられているのがみえた。)
カクテルグラスの絵のプレートが掛けられているのが見えた。
(ひげのますたーがだつさらしてはじめたこのみせは、ひるまはきっさてんで、よるはばーになる。)
髭のマスターが脱サラして始めたこの店は、昼間は喫茶店で、夜はバーになる。
(そのがらすどからもれるあわいひかりをみていると、)
そのガラス戸から漏れる淡い光を見ていると、
(なんだかのみたいきぶんになったので、そっとししょうにじぇすちゃーをおくる。)
なんだか飲みたい気分になったので、そっと師匠にジェスチャーを送る。
(さすがにこのぼすとんではおがわしょちょうにみつかるかのうせいがあったので、)
さすがにこのボストンでは小川所長に見つかる可能性があったので、
(べつのみせにいくつもりだったが、ししょうはせおったりゅっくさっくの)
別の店に行くつもりだったが、師匠は背負ったリュックサックの
(かたぐちのねじれをもどしながら、「ようがあるから」とそっけなくいった。)
肩口の捩れを戻しながら、「用があるから」とそっけなく言った。
(「ぼくもいきます」)
「僕も行きます」
(いやなよかんがした。このひとはまだなにかするきなのか。そんなよかんが。)
嫌な予感がした。この人はまだなにかする気なのか。そんな予感が。
(いや、しょうじきにいう。くろやに、なつおにあわせたくなかった。)
いや、正直に言う。黒谷に、夏雄に会わせたくなかった。
(すくなくともふたりきりでは。いまはだめだ。)
少なくとも二人きりでは。今はだめだ。
(「かちてにしろ」)
「勝手にしろ」
(あるきだしたししょうをおう。だぼくをうけたばしょがきしみ、いたみがはしる。)
歩き出した師匠を追う。打撲を受けた場所がきしみ、痛みが走る。
(だからいまはだめだ。)
だから今はだめだ。
(ふかいりするな、といわれた。だからいまはだめだ。)
深入りするな、と言われた。だから今はだめだ。
など
(なのにたすけられた。だからいまはだめだ。)
なのに助けられた。だから今はだめだ。
(むりょくかんがこみあげてきた。)
無力感が込み上げて来た。
(だからいまは。)
だから今は。
(「けっこうあるくぞ」)
「結構歩くぞ」
(ふりかえっていうししょうに、「だいじょうぶです」といたみをかくす。)
振り返って言う師匠に、「大丈夫です」と痛みを隠す。
(あるきながらししょうはまつうらのことをすこしはなした。にししょのけいじにきいたことを。)
歩きながら師匠は松浦のことを少し話した。西署の刑事に聞いたことを。
(「あいつはわかいころ、ひごろからいがみあってたしんせきすじのわかいしゅと、)
「あいつは若いころ、日ごろからいがみ合ってた親戚筋の若い衆と、
(ほんかくてきにやりあったことがあった。)
本格的にやりあったことがあった。
(さらってかんきんしてぶちのめしたらしいんだが、さいしゅうてきにころしはしなかったんだ。)
攫って監禁してぶちのめしたらしいんだが、最終的に殺しはしなかったんだ。
(うでをいっぽんもぎとっただけだった。)
腕を一本もぎとっただけだった。
(だけど、そのもぎとるまでにうでのつけねをしばってな。ちをとめてくさらせたんだ。)
だけど、そのもぎとるまでに腕の付け根を縛ってな。血を止めて腐らせたんだ。
(そのうでにうじのたまごをうめたらしい。ふかしなかったら、ころすってせんげんして。)
その腕に蛆の卵を埋めたらしい。孵化しなかったら、殺すって宣言して。
(そのあいてのおとこは、じぶんのうでのにくをくいやぶってうじのようちゅうがかおをだすのを、)
その相手の男は、自分の腕の肉を喰い破って蛆の幼虫が顔を出すのを、
(ひたすらねがっていた。)
ひたすら願っていた。
(まるでやくぶつちゅうどくしゃがみるようなあくむを」)
まるで薬物中毒者が見るような悪夢を」
(「おとこはどうなったんです」)
「男はどうなったんです」
(「たすけられたときにはおかしくなっていたらしい。)
「助けられた時にはおかしくなっていたらしい。
(のこったもういっぽんも、もぎとってくれとわめいていたそうだ」)
残ったもう一本も、もぎ取ってくれと喚いていたそうだ」
(うじがでてくるからだ。そうおもったにちがいない。)
蛆が出てくるからだ。そう思ったに違いない。
(まつうらのへびのようなつめたいかおをおもいだして、せなかにおぞきがはしる。)
松浦の蛇のような冷たい顔を思い出して、背中におぞ気が走る。
(そんなにんげんに。そんなにんげんとわかっていながら、)
そんな人間に。そんな人間と分かっていながら、
(ししょうはひるみながらもけっしてひかなかった。)
師匠は怯みながらも決して引かなかった。
(どうすればそんなししょうのようになれるのか。)
どうすればそんな師匠のようになれるのか。
(ぼくはそのことをかんがえながらあるいた。)
僕はそのことを考えながら歩いた。
(はんかがいをはなれ、じゅうたくがいへとすすむ。ろじょうにともりはすくない。)
繁華街を離れ、住宅街へと進む。路上に灯りは少ない。
(ときどきぽつりとたっているがいとうが、)
時々ぽつりと立っている街灯が、
(りゅっくさっくをせおったせなかをうかびあがらせる。)
リュックサックを背負った背中を浮かび上がらせる。
(やがてふるびたあぱーとのまえでとまる。みおぼえのないあぱーとだ。)
やがて古びたアパートの前で止まる。見覚えのないアパートだ。
(ししょうはいちかいのみぎはしのへやのどあをのっくした。へんとうはない。)
師匠は一階の右端の部屋のドアをノックした。返答はない。
(しかしこうしのはまったちいさなまどからはあかりがもれている。)
しかし格子の嵌った小さな窓からは明かりが漏れている。
(すこしつよくたたく。じかんがすぎる。)
少し強く叩く。時間が過ぎる。
(どあがほんのすこしひらく。ししょうはすぐにはんぽぶんはなれる。)
ドアがほんの少し開く。師匠はすぐに半歩分離れる。
(「だれだ」)
「誰だ」
(みたことのないおとこのかおがはんぶんだけのぞいた。けいかいしたひょうじょう。)
見たことのない男の顔が半分だけ覗いた。警戒した表情。
(ししょうはにこりとわらっていった。)
師匠はにこりと笑って言った。
(「まつうらにでんわしてくれ。たんていが、たむらとはなしをしたがっていると」)
「松浦に電話してくれ。探偵が、田村と話をしたがっていると」
(おとこはぎょっとしたかおをした。そこへかんぱついれずたたみこむ。)
男はギョッとした顔をした。そこへ間髪入れず畳み込む。
(「おがわちょうさじむしょのうらいだ。まつうらとたむらからきいているんじゃないのか。)
「小川調査事務所の浦井だ。松浦と田村から聞いているんじゃないのか。
(しんぱいするな。いしだぐみのにんげんじゃないよ。もちろんほかのくみでもない。)
心配するな。石田組の人間じゃないよ。もちろん他の組でもない。
(こんなかわいいやくざがいるか?」)
こんなかわいいヤクザがいるか?」
(ししょうのかるくちに、おとこはあわてたように「まて、すこしまて」といってどあをしめた。)
師匠の軽口に、男は慌てたように「待て、少し待て」と言ってドアを閉めた。