小説長文9! 第四話
恋愛小説系です!「雨音に紛れる恋」第四話
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!
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(それからというもの、わたしとみなとはほうかごにいっしょにすごすことがふえた。)
それからというもの、私と湊は放課後に一緒に過ごすことが増えた。
(きっかけは、ぶんかさいのじゅんびについてはなすためにいのこったことだった。)
きっかけは、文化祭の準備について話すために居残ったことだった。
(「ことしのぶんかさい、なにやるんだろうね。」)
「今年の文化祭、何やるんだろうね。」
(「まだきまってないんじゃないか。」)
「まだ決まってないんじゃないか。」
(「わたし、きっさてんとかたのしそうだとおもう。」)
「私、喫茶店とか楽しそうだと思う。」
(「あさくら、こういうのすきそう。」)
「朝倉、こういうの好きそう。」
(「どういういみ?」)
「どういう意味?」
(「みんなでなにかつくるの、すきだろ。」)
「みんなで何か作るの、好きだろ。」
(ずぼしだった。)
図星だった。
(わたしはわらいながらうなずいた。)
私は笑いながら頷いた。
(「うん。たしかにすきかも。」)
「うん。確かに好きかも。」
(そんなはなしをしながら、きづけばきょうしつにはわたしたちふたりしかのこっていなかった。)
そんな話をしながら、気づけば教室には私たち二人しか残っていなかった。
(まどのそとは、ゆうやけにそまっている。)
窓の外は、夕焼けに染まっている。
(「もうこんなじかんなんだ。」)
「もうこんな時間なんだ。」
(「そろそろかえるか。」)
「そろそろ帰るか。」
(かばんをもってきょうしつをでる。)
鞄を持って教室を出る。
(しょうこうぐちへむかうろうかをならんであるく。)
昇降口へ向かう廊下を並んで歩く。
(いままでなら、ただのかえりみちだった。)
今までなら、ただの帰り道だった。
(でもいまは、みなととあるいているだけですこしとくべつにかんじる。)
でも今は、湊と歩いているだけで少し特別に感じる。
(「あさくら。」)
「朝倉。」
など
(「なに?」)
「なに?」
(「あしたものこる?」)
「明日も残る?」
(「え?」)
「え?」
(「ぶんかさいのあん、もうすこしかんがえたい。」)
「文化祭の案、もう少し考えたい。」
(わたしはすこしおどろいた。)
私は少し驚いた。
(「うん。いいよ。」)
「うん。いいよ。」
(「じゃあ、やくそく。」)
「じゃあ、約束。」
(そのことばをきいたしゅんかん、むねがすこしだけはねた。)
その言葉を聞いた瞬間、胸が少しだけ跳ねた。
(つぎのひ。)
次の日。
(わたしはじゅぎょうがおわるのを、いつもよりたのしみにしていた。)
私は授業が終わるのを、いつもより楽しみにしていた。
(「さな、かえらないの?」)
「紗奈、帰らないの?」
(「きょうはちょっとのこる。」)
「今日はちょっと残る。」
(「めずらしいね。」)
「珍しいね。」
(ともだちにそういわれて、わたしはごまかすようにわらった。)
友達にそう言われて、私は誤魔化すように笑った。
(きょうしつへもどると、みなとはすでにせきでまっていた。)
教室へ戻ると、湊はすでに席で待っていた。
(「はやいね。」)
「早いね。」
(「あさくらがおそい。」)
「朝倉が遅い。」
(「ごめん。」)
「ごめん。」
(「べつに。」)
「別に。」
(わたしたちはぶんかさいのあんをだしあった。)
私たちは文化祭の案を出し合った。
(きっさてん。)
喫茶店。
(おばけやしき。)
お化け屋敷。
(げーむこーなー。)
ゲームコーナー。
(いろんなあんがでたけれど、なかなかきまらない。)
いろんな案が出たけれど、なかなか決まらない。
(「どうせなら、きたひとがゆっくりできるのがいいな。」)
「どうせなら、来た人がゆっくりできるのがいいな。」
(わたしがいうと、みなとがうなずいた。)
私が言うと、湊が頷いた。
(「じゃあ、きっさてんでいいんじゃないか。」)
「じゃあ、喫茶店でいいんじゃないか。」
(「ほんとうに?」)
「本当に?」
(「あさくらがやりたいんだろ。」)
「朝倉がやりたいんだろ。」
(「うん。」)
「うん。」
(おもわずえがおになる。)
思わず笑顔になる。
(するとみなとも、すこしだけわらった。)
すると湊も、少しだけ笑った。
(「じゃあ、きまり。」)
「じゃあ、決まり。」
(ふたりでわらう。)
二人で笑う。
(そのしゅんかん、わたしはふとおもった。)
その瞬間、私はふと思った。
(もっとみなとといっしょにいたい。)
もっと湊と一緒にいたい。
(ぶんかさいのじゅんびだけじゃなくて、かえりみちも、きゅうじつも、もっとはなしたい。)
文化祭の準備だけじゃなくて、帰り道も、休日も、もっと話したい。
(どうしてそんなことをおもうのか、じぶんでもわからなかった。)
どうしてそんなことを思うのか、自分でも分からなかった。
(かえりみち。)
帰り道。
(えきへむかいながら、わたしはなんどもみなとをみた。)
駅へ向かいながら、私は何度も湊を見た。
(「どうした?」)
「どうした?」
(「え?」)
「え?」
(「さっきからこっちみてる。」)
「さっきからこっち見てる。」
(「......なんでもない。」)
「......なんでもない。」
(「へんなの。」)
「変なの。」
(みなとはそういってわらった。)
湊はそう言って笑った。
(そのえがおをみたしゅんかん、むねがまたおおきくなった。)
その笑顔を見た瞬間、胸がまた大きく鳴った。
(わたしはすこしだけうつむく。)
私は少しだけ俯く。
(もしかして、)
もしかして、
(わたしはみなとのことを。)
私は湊のことを。
(そこまでかんがえて、あわててくびをふった。)
そこまで考えて、慌てて首を振った。
(「どうした?」)
「どうした?」
(「なんでもないって。」)
「なんでもないって。」
(まだ、このきもちになまえをつけるゆうきはなかった。)
まだ、この気持ちに名前をつける勇気はなかった。
(でもひとつだけ、はっきりしていることがある。)
でも一つだけ、はっきりしていることがある。
(あしたもみなとにあいたい。)
明日も湊に会いたい。
(あしたもいっしょにかえりたい。)
明日も一緒に帰りたい。
(そして、もっとかれのことをしりたい。)
そして、もっと彼のことを知りたい。
(えきにつくと、みなとがてをふった。)
駅に着くと、湊が手を振った。
(「じゃあ、またあした。」)
「じゃあ、また明日。」
(「うん。またあした。」)
「うん。また明日。」
(そのひとことが、いままでよりずっとうれしかった。)
その一言が、今までよりずっと嬉しかった。
(わたしはみなとのせなかをみおくりながらおもう。)
私は湊の背中を見送りながら思う。
(いつからだろう。)
いつからだろう。
(こんなに、あのひとのことをきにするようになったのは。)
こんなに、あの人のことを気にするようになったのは。
(こたえはまだわからない。)
答えはまだ分からない。
(でも、わたしたちのきょりはたしかにすこしずつちかづいていた。)
でも、私たちの距離は確かに少しずつ近づいていた。