小説長文10! 第三話

背景
投稿者投稿者白鮮まり @まりとっつぉ🎐 🩵❄️🪽✨  いいね0  お気に入り登録
プレイ回数9  難易度(3.7) 2915打 長文
サバイバル小説系です!「NØWHERE」第三話
小説なので、全然見るだけでもだいじょぶですっ!
画像協力者:AI(光の演出、衣装)

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示
(えきのけいじばんがしょうとうしてから、おれたちはしばらくうごけなかった。) 駅の掲示板が消灯してから、俺たちはしばらく動けなかった。 (「とけいとうへいくな、か。」) 「時計塔へ行くな、か。」 (ゆうまがつぶやいた。) 悠真が呟いた。 (「さっきのこえ、だれだったんだろう。」) 「さっきの声、誰だったんだろう。」 (あおいのといに、おれはこたえられなかった。) 葵の問いに、俺は答えられなかった。 (このまちには、おれたちのそんざいをはあくしているなにものかがいる。) この街には、俺たちの存在を把握している何者かがいる。 (それなのに、べつのだれかはとけいとうへいくなとけいこくしてきた。) それなのに、別の誰かは時計塔へ行くなと警告してきた。 (「とりあえず、にちぼつまでにあんぜんなばしょをさがそう。」) 「とりあえず、日没までに安全な場所を探そう。」 (おれたちはえきをはなれ、ちかくのこうきょうしせつへむかった。) 俺たちは駅を離れ、近くの公共施設へ向かった。 (たてもののいりぐちにはかぎがかかっていたが、うらてのひじょうぐちはひらいていた。) 建物の入口には鍵が掛かっていたが、裏手の非常口は開いていた。
(なかはうすぐらく、うけつけにもじむしつにもひとかげはない。) 中は薄暗く、受付にも事務室にも人影はない。 (けいじばんにはしせつのあんないずがはられていた。) 掲示板には施設の案内図が貼られていた。 (ところが、まちのちずとおなじように、) ところが、街の地図と同じように、 (そとへつづくどうろのぶぶんだけがしろくぬりつぶされていた。) 外へ続く道路の部分だけが白く塗りつぶされていた。 (「これ、さいしょからしろかったのかな。」) 「これ、最初から白かったのかな。」 (あおいがあんないずをみつめる。) 葵が案内図を見つめる。 (「わからない。でも、ぐうぜんとはおもえない。」) 「分からない。でも、偶然とは思えない。」 (おれたちはにかいのかいぎしつにはいった。) 俺たちは二階の会議室に入った。 (まどからはとけいとうがみえた。) 窓からは時計塔が見えた。 (そのはりは、あいかわらずごぜんじゅうじじゅうはっぷんをさしている。) その針は、相変わらず午前十時十八分を指している。
など
(「なあ、あのとけい、ほんとうにとまってるのか?」) 「なあ、あの時計、本当に止まってるのか?」 (ゆうまがうでどけいをかくにんした。) 悠真が腕時計を確認した。 (ごごごじよんじゅっぷん。) 午後五時四十分。 (とけいとうだけでなく、まちじゅうのとけいがおなじじこくをしめしているらしい。) 時計塔だけでなく、街中の時計が同じ時刻を示しているらしい。 (それなのに、たいようはかくじつにしずみはじめていた。) それなのに、太陽は確実に沈み始めていた。 (ごごごじごじゅうきゅうふん。) 午後五時五十九分。 (しせつないのしょうめいが、いっせいにてんめつした。) 施設内の照明が、一斉に点滅した。 (そして、すぴーかーからきかいてきなこえがながれた。) そして、スピーカーから機械的な声が流れた。 (「だいにきそくをおしらせします。」) 「第二規則をお知らせします。」 (さんにんともいきをひそめる。) 三人とも息を潜める。 (「にちぼつご、たてもののそとからなまえをよばれても、けっしてへんじをしてはいけません。」) 「日没後、建物の外から名前を呼ばれても、決して返事をしてはいけません。」 (「へんじをしたばあい、たいざいしゃとしてのとうろくがまっしょうされます。」) 「返事をした場合、滞在者としての登録が抹消されます。」 (ほうそうがとぎれた。) 放送が途切れた。 (「とうろくがまっしょうって......どういういみだよ。」) 「登録が抹消って......どういう意味だよ。」 (ゆうまがかおをしかめる。) 悠真が顔をしかめる。 (「わからない。でも、ぜったいにへんじをしないほうがいい。」) 「分からない。でも、絶対に返事をしないほうがいい。」 (おれがそういったちょくごだった。) 俺がそう言った直後だった。 (「......そうま。」) 「......蒼真。」 (まどのそとから、こえがきこえた。) 窓の外から、声が聞こえた。 (おれのなまえだった。) 俺の名前だった。 (さんにんのうごきがとまった。) 三人の動きが止まった。 (「そうま、そこにいるんだろ?」) 「蒼真、そこにいるんだろ?」 (ききおぼえのないこえだった。) 聞き覚えのない声だった。 (けれど、まるでむかしからおれをしっているようなくちょうだった。) けれど、まるで昔から俺を知っているような口調だった。 (「ねえ、へんじをしてよ。」) 「ねえ、返事をしてよ。」 (こえがすこしずつちかづいてくる。) 声が少しずつ近づいてくる。 (おれはくちをとじたまま、まどからはなれた。) 俺は口を閉じたまま、窓から離れた。 (するとこんどは、べつのなまえがよばれた。) すると今度は、別の名前が呼ばれた。 (「あおい。」) 「葵。」 (あおいのかおからちのけがひいた。) 葵の顔から血の気が引いた。 (「あおい、たすけて。」) 「葵、助けて。」 (そのこえは、しょうじょのものだった。) その声は、少女のものだった。 (あおいはふるえるてでくちもとをおさえた。) 葵は震える手で口元を押さえた。 (「......おかあさんのこえ。」) 「......お母さんの声。」 (かのじょはいまにもへんじをしそうだった。) 彼女は今にも返事をしそうだった。 (おれはあわててくびをよこにふった。) 俺は慌てて首を横に振った。 (へんじをしてはいけない。) 返事をしてはいけない。 (それが、このまちのきそくだった。) それが、この街の規則だった。 (やがてこえは、ゆうまのなまえもよびはじめた。) やがて声は、悠真の名前も呼び始めた。 (おれたちさんにんは、たがいのかおをみつめながらちんもくをまもった。) 俺たち三人は、互いの顔を見つめながら沈黙を守った。 (すうふんご、こえはぴたりととまった。) 数分後、声はぴたりと止まった。 (まどのそとをのぞくと、がいとうのしたに、あのかげのないひとかげがたっていた。) 窓の外を覗くと、街灯の下に、あの影のない人影が立っていた。 (そいつはまどをみあげ、ゆっくりとくちをうごかした。) そいつは窓を見上げ、ゆっくりと口を動かした。 (こえはきこえなかった。) 声は聞こえなかった。 (それでも、なにをいっているのかわかったきがした。) それでも、何を言っているのか分かった気がした。 (つぎは、なまえをよぶだけではすまない。) 次は、名前を呼ぶだけでは済まない。 (ひとかげがやみのなかへきえたあと、しつないのすぴーかーがふたたびなった。) 人影が闇の中へ消えたあと、室内のスピーカーが再び鳴った。 (「きそくのじゅんしゅをかくにんしました。」) 「規則の遵守を確認しました。」 (「だいさんきそくは、あしたごぜんじゅうじじゅうはっぷんにつうちされます。」) 「第三規則は、明日午前十時十八分に通知されます。」 (おれはおもわずとけいとうをみた。) 俺は思わず時計塔を見た。 (ごぜんじゅうじじゅうはっぷん。) 午前十時十八分。 (なぜ、あしたのつうちじこくまでおなじすうじなのだろう。) なぜ、明日の通知時刻まで同じ数字なのだろう。 (そして、あのこえはなぜ、おれたちのなまえをしっていたのだろう。) そして、あの声はなぜ、俺たちの名前を知っていたのだろう。 (あおいがちいさくつぶやいた。) 葵が小さく呟いた。 (「ねえ、そうまくん。わたしたち、ほんとうにこのまちにきたのかな。」) 「ねえ、蒼真くん。私たち、本当にこの街に来たのかな。」 (おれはこたえられなかった。) 俺は答えられなかった。 (ただひとつ、たしかなことがある。) ただ一つ、確かなことがある。 (このまちは、おれたちをとじこめているだけではない。) この街は、俺たちを閉じ込めているだけではない。 (まるでおれたちのことを、さいしょからしっていたかのようだった。) まるで俺たちのことを、最初から知っていたかのようだった。
問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

白鮮まり @まりとっつぉ🎐 🩵❄️🪽✨のタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード