キャスティングミス

(いつかみたぐらんぎにょる)

いつか見た　グランギニョル

(くらくうすよごれたちいさなげきじょうで)

昏く薄汚れた小さな劇場で

(こっけいにつとむさま)

滑稽に　務む様

(うさったいきゃくほんまばらなてびょうしと)

憂さったい脚本　まばらな手拍子と

(ああたいしゅうしばいとたいしゅうがいじんせい)

ああ大衆芝居と大衆外人生

(えいゆうがんぼうとおどれ)

英雄願望と踊れ

(ただだいしょうしだいとあしもとをみた)

只、代償次第と足元を見た

(ぼくはやくがほしかった)

僕は”役”が欲しかった

(せりふないしゅやくをいきるなら)

台詞無い主役を生きるなら

(いっそまーだーさーかすでちのあめと)

いっそマーダーサーカスで血の雨と

(にひりずむのきげきをごらんあれ)

ニヒリズムの喜劇をご覧あれ

(ほうらおまえがほしがっていたものだ)

ほうら、お前が欲しがっていたものだ

(くだらないどんちょうのまくあい)

下らない緞帳の幕間

(じっとまーだーさーかすのどうけしは)

じっとマーダーサーカスの道化師は

(てらすすぽっとまたひとりころした)

照らすスポット　また一人殺した

(ぞくなきゃくほんだろうわらえあくま)

俗な脚本だろう　笑え悪魔

(いつかみたぐらんぎにょる)

いつか見た　グランギニョル

(なまぐさいちのりでてらてらわらう)

生臭い血糊でてらてら笑う

(さもゆえつこそここにあり)

さも愉悦こそ　ここにあり

(ああやゆするぐんしゅうあんじにしずむきみ)

ああ揶揄する群衆　暗示に沈む君

(さあふはいしゅうさかなにばいしゅんふららばい)

さあ腐敗臭肴に売春婦ララバイ

(けいもうだんしゃくはいんだ)

啓蒙男爵は去んだ

(まだたいこうしばいとさしがねをみた)

まだ太閤芝居と指矩を見た

(ぼくはやくがほしかった)

僕は”藥”が欲しかった

(ひだいしたじこのなれのはて)

肥大した自己の成れの果て

(おいでまーだーさーかすのいのなかへ)

おいでマーダーサーカスの井の中へ

(にひりずむのきげきをごらんあれ)

ニヒリズムの喜劇をご覧あれ

(そうだだれもがりんぐのうえだ)

そうだ　誰もがリングの上だ

(ばちがいなえがおとかーてんこーる)

場違いな笑顔とカーテンコール

(いっぽまーだーさーかすのどうけしを)

一歩マーダーサーカスの道化師を

(てらすすぽっとまたひとりころした)

照らすスポット　また一人殺した

(あいたやくをうめろわらうあくま)

空いた役を埋めろ　笑う悪魔

(せいのこうりかししこうをはらって)

生の高利貸し　思考を払って

(いきをすうことはただだから)

息を吸う事は只だから

(せいのこうりかししこうをはらって)

生の高利貸し　思考を払って

(らくになれ)

楽になれ

(せいのこうりかししこうをはらって)

生の高利貸し　思考を払って

(いきをはくことはただですか)

息を吐く事は只ですか？

(せいのこうりかししこうをはらって)

生の高利貸し　思考を払って

(だれかのみみうちで)

誰かの耳打ちで

(せりふないしゅやくをいきるなら)

台詞無い主役を生きるなら

(いっそまーだーさーかすでちのあめと)

いっそマーダーサーカスで血の雨と

(にひりずむのきげきをごらんあれ)

ニヒリズムの喜劇をご覧あれ

(ほうらおまえがほしがっていたものだ)

ほうら、お前が欲しがっていたものだ

(ばちがいなえがおとかーてんこーる)

場違いな笑顔とカーテンコール

(いっぽまーだーさーかすのどうけしを)

一歩マーダーサーカスの道化師を

(てらすすぽっとまたひとりころした)

照らすスポット　また一人殺した

(あいたやくをうめろわらうあくま)

空いた役を埋めろ　笑う悪魔

(これでいいんだろうわらえあくま)

これでいいんだろう　笑え悪魔