蘇州恋慕

(おしゃべりやめて)

お喋りやめて

(ぼくらてとてをふれたら)

僕ら手と手を触れたら

(いともやすくこいにおちてしまうだろう)

いとも易く恋に落ちてしまうだろう

(ざらめのしかれたばいじょうに)

ザラメのしかれた白酒に

(ほっぺをあかくそめられたしまつだ)

頬っぺを赤く染められた始末だ

(こさめのみっどないと)

小雨の真夜中

(とにもかくにもやどなし)

兎にも角にも宿無し

(かっこつけてもかねもしかけもありません)

格好つけても金もシカケもありません

(はじめてであったふたりはよったふりして)

初めて出会った二人は酔ったフリして

(なにをせがみあうのか)

何をせがみあうのか

(きいてごらんよかわのさやか)

聴いてごらんよ川の清か

(みてごらんしずかなまちのひ)

見てごらん静かな街の灯

(そしゅうにうかぶきっかさえときめかずにいられない)

蘇州に浮かぶ菊花さえときめかずにいられない

(ねえこんなにすきだとよあけまえにちゃんときづいたよ)

ねえこんなに好きだと夜明け前にちゃんと気づいたよ

(ああいっしょうでいちどいやなんどでも)

ああ一生で一度いや何度でも

(おうかするこいだ)

謳歌する恋だ

(ねえあしたもあめなら)

ねえ明日も雨なら

(きみのかさにおじゃましたくて)

君の傘にお邪魔したくて

(ただじっとながめたらいたずらにきみはほほよせた)

ただじっと眺めたら悪戯に君は頬寄せた

(どころかちゅんときすをした)

どころか、ちゅんとキスをした

(はじめましてと)

はじめまして。と

(しらをきるようなかおして)

白を切るような顔して

(ゆうべあんなにさいたじじょうはなんだったの)

昨夜あんなに咲いた事情は何だったの

(きゃっぷのゆるんだしょうこうしゅが)

キャップの緩んだ紹興酒が

(みっともなくてーぶるにころがった)

みっともなくテーブルに転がった

(あけないでくれかーてんを)

あけないでくれカーテンを

(きえてはくれるなまぼろし)

消えてはくれるな幻

(まどべにながるるうんがさえぼくらをわかつなら)

窓辺に流るる運河さえ僕らを別つなら

(ねえこんなにすきだとよあけまえにちゃんときづいたよ)

ねえこんなに好きだと夜明け前にちゃんと気づいたよ

(ああいっしょうでいちどいやなんどでも)

ああ一生で一度いや何度でも

(おうかするこいだ)

謳歌する恋だ

(こんやもどうかな)

今夜もどうかな（ダメなら次）

(だめならつぎのつぎでも)

ダメなら次の次でも

(いまきみがそのきならぼくのじかんはきみのものさ)

いま君がその気なら僕の時間は君のものさ

(いこくのまちかどめぐりあえば)

異国の街角巡りあえば

(ときめかずにいられない)

ときめかずにいられない

(ねえこんなにすきだとよあけまえにちゃんときづいたよ)

ねえこんなに好きだと夜明け前にちゃんと気づいたよ

(ああいっしょうでいちどいやなんどでも)

ああ一生で一度いや何度でも

(おうかするこいだ)

謳歌する恋だ

(ねえあしたもあめなら)

ねえ明日も雨なら

(きみのかさにおじゃましたくて)

君の傘にお邪魔したくて

(ただじっとながめたらいたずらにきみはほほよせた)

ただじっと眺めたら悪戯に君は頬寄せた

(こんやもどうかな)

今夜もどうかな（ダメなら次）

(だめならつぎのつぎでも)

ダメなら次の次でも

(ただきみがそのきならぼくのじかんはきみのものさ)

ただ君がその気なら僕の時間は君のものさ

(そしたらちゃんとむきあって)

そしたら、ちゃんと向き合って、

(もういちどちゅんときすをしよう)

もう一度、ちゅんとキスをしよう