『妖怪博士』江戸川乱歩3

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プレイ回数561難易度(4.1) 4470打 長文 長文モードのみ
少年探偵団シリーズ第3作品『妖怪博士』
※分かりやすくする為、表記等を一部改変しております

○少年探偵団シリーズ第3作品『妖怪博士』
前回→https://typing.twi1.me/game/369849
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初回→https://typing.twi1.me/game/369844

第2作品→https://typing.twi1.me/game/329807
第1作品→https://typing.twi1.me/game/314206
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 sai 9217 9.3 98.0% 471.3 4430 86 100 2024/05/16
2 HAKU 7979 8.2 96.9% 541.9 4466 142 100 2024/05/13
3 おっ 7963 8.2 96.4% 533.7 4414 164 100 2024/05/27
4 berry 7890 8.0 98.1% 547.1 4400 83 100 2024/05/12
5 subaru 7790 8.1 95.8% 543.2 4423 191 100 2024/05/14

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問題文

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(それからたいじくんはいそいでしょうじょのそばへかけより、)

それから泰二君は急いで少女のそばへ駆け寄り、

(ぽけっとからないふをだしてなわをきり、「しっかり)

ポケットからナイフを出して縄を切り、「しっかり

(してください。ぼく、たすけにきたんです」と、しょうじょが)

してください。ぼく、助けに来たんです」と、少女が

(あんしんするようにささやきながらだんだん、てあしのなわを)

安心するようにささやきながら段々、手足の縄を

(といていきました。ところがみょうなことに、なわが)

といていきました。 ところがみょうなことに、縄が

(おおかたとけてしまっても、しょうじょはいしのようにみうごきさえ)

大方とけてしまっても、少女は石のように身動きさえ

(しないのです。きをうしなっているのかと、かたへてを)

しないのです。 気を失っているのかと、肩へ手を

(あててそっとゆすりうごかしてみました。「しっかり)

当ててソッと揺すり動かしてみました。「しっかり

(してください。きみ、しっかりしてください」でも、)

してください。きみ、しっかりしてください」 でも、

(しょうじょはすこしもうごきません。いや、そればかりか、)

少女は少しも動きません。いや、そればかりか、

(なんだかてざわりがへんなのです。やわらかいはずの)

なんだか手ざわりが変なのです。やわらかいはずの

(かたのにくがこちこちとかたくて、ぶきみにつめたいのです。)

肩の肉がコチコチと硬くて、不気味に冷たいのです。

(たいじくんはそれにきがつくと、おもわずぞっとしました。)

泰二君はそれに気がつくと、思わずゾッとしました。

(「このおねえさんは、しんでいるのかもしれない。)

「このお姉さんは、死んでいるのかもしれない。

(そしてこれはほんでよんだ、しごのこうちょくじょうたいになって)

そしてこれは本で読んだ、死後の硬直状態になって

(いるのかもしれない」とおもったからです。たいじくんは、)

いるのかもしれない」と思ったからです。 泰二君は、

(どうしたらいいのかわからなくなりましたが、なわを)

どうしたらいいのか分からなくなりましたが、縄を

(といたのですから、さるぐつわもはずしてあげようと、)

といたのですから、さるぐつわも外してあげようと、

(かおのまえにまわってしろいぬのをとりさろうとしました。)

顔の前にまわって白い布を取り去ろうとしました。

(そしてしょうじょのかおをつくづくみると、たいじくんは)

そして少女の顔をつくづく見ると、泰二君は

など

(またしてもぎょうてんしてしまいました。ああ、なんという)

またしても仰天してしまいました。ああ、なんという

(ことでしょう。あんなにもむねをどきどきさせて、)

ことでしょう。あんなにも胸をドキドキさせて、

(たすけてあげようとくろうしたこのしょうじょが、にんげんではない)

助けてあげようと苦労したこの少女が、人間ではない

(ことがわかったのです。それは、まるでいきている)

ことが分かったのです。それは、まるで生きている

(かのように、よくできたろうざいくのにんぎょうが)

かのように、よく出来たロウ細工の人形が

(しばられて、さるぐつわをはめられて、そこに)

しばられて、さるぐつわをはめられて、そこに

(ころがっていたのです。いったいだれが、なんのために、)

転がっていたのです。 一体だれが、何のために、

(こんなみょうなことをしておいたのでしょう。)

こんなみょうなことをしておいたのでしょう。

(さっきのあやしいろうじんが、わざわざにんぎょうをしばったり)

さっきの怪しい老人が、わざわざ人形をしばったり

(なんかするはずはありません。ろうじんがここへしのびこむ)

なんかするはずはありません。老人がここへ忍び込む

(まえから、このにんぎょうはしばられていたにちがいない)

前から、この人形はしばられていたに違いない

(のです。ろうにんぎょうは、そこによこたわったまま、)

のです。 ロウ人形は、そこに横たわったまま、

(かわいらしいがらすのめで、じっとたいじくんをみあげて)

可愛らしいガラスの目で、ジッと泰二君を見上げて

(いました。ほんとうに、いきているかのようにうつくしいかお)

いました。本当に、生きているかのように美しい顔

(です。おともだちのさくらいくんのおねえさんにそっくりです。)

です。お友だちの桜井君のお姉さんにソックリです。

(たいじくんは、なんだかこわくなってきました。まほうにでも)

泰二君は、なんだか怖くなってきました。魔法にでも

(かけられているような、おそろしいゆめでもみている)

かけられているような、恐ろしい夢でも見ている

(ような、なんともいえないへんてこなきもちです。)

ような、なんともいえないヘンテコな気持ちです。

(あのあやしいろうじんはどこへかくれてしまったのか。さきほど)

あの怪しい老人はどこへ隠れてしまったのか。先程

(から、もうじゅっぷんくらいたっているのに、もどってくる)

から、もう十分くらい経っているのに、戻って来る

(ようすもありません。ふるめかしくてうすぐらいようかんのなかに、)

様子もありません。古めかしくて薄暗い洋館の中に、

(たったひとりとりのこされたような、うすきみわるいさびしさ)

たった一人取り残されたような、薄気味悪い寂しさ

(です。たいじくんは、しばらくものをかんがえるちからがなくなって)

です。 泰二君は、しばらく物を考える力がなくなって

(しまったかのように、ぼんやりとそこにたたずんで)

しまったかのように、ボンヤリとそこにたたずんで

(いましたが、ふときがつくと、いつのまにかへやの)

いましたが、ふと気がつくと、いつのまにか部屋の

(なかがまっくらになっているではありませんか。「おや」)

中が真っ暗になっているではありませんか。「おや」

(とおもって、ふりむいてみると、いましがたまで)

と思って、振り向いてみると、今しがたまで

(ひらいたままになっていたひとつだけのまどが、いつ)

ひらいたままになっていた一つだけの窓が、いつ

(だれがしたのか、がんじょうなてつのとでぴったりと)

だれがしたのか、頑丈な鉄の戸でピッタリと

(ふさがれているではありませんか。そのとが、)

ふさがれているではありませんか。その戸が、

(そとからのこうせんをさえぎったので、こんなにくらくなった)

外からの光線を遮ったので、こんなに暗くなった

(のです。たいじくんはびっくりして、そこにかけより、)

のです。泰二君はビックリして、そこに駆け寄り、

(りょうてでちからいっぱいとをひらこうとしましたが、)

両手で力一杯戸をひらこうとしましたが、

(おしてもひいてもびくともうごかないのです。ああ、)

押しても引いてもビクとも動かないのです。 ああ、

(なんというへんてこなたてものでしょう。そとからみただけ)

なんというヘンテコな建物でしょう。外から見ただけ

(でも、なんとなくうすきみわるかったのですが、その)

でも、なんとなく薄気味悪かったのですが、その

(へやのなかにうつくしいしょうじょのにんぎょうがいきたにんげんのような)

部屋の中に美しい少女の人形が生きた人間のような

(かっこうでしばられていたり、ひともいないのに、)

かっこうでしばられていたり、人もいないのに、

(ひとりでにまどのとがしまったりするのでは、)

ひとりでに窓の戸が閉まったりするのでは、

(まるで「おばけやしき」ではありませんか。たいじくんは、)

まるで「オバケ屋敷」ではありませんか。 泰二君は、

(とうとうまっくらなへやのなかにとじこめられてしまった)

とうとう真っ暗な部屋の中に閉じ込められてしまった

(のです。でぐちをさがそうとすれば、おくのろうかのほうへ)

のです。出口を探そうとすれば、奥の廊下のほうへ

(でてみるほかはありませんが、しかしそちらには、)

出てみる他はありませんが、しかしそちらには、

(あのきみわるいろうじんがにやにやわらいながら、まちかまえて)

あの気味悪い老人がニヤニヤ笑いながら、待ち構えて

(いるかもしれないのです。たいじくんは、とほうにくれて)

いるかもしれないのです。 泰二君は、途方に暮れて

(しまいました。かといって、いつまでもこのくらい)

しまいました。かといって、いつまでもこの暗い

(へやに、にんぎょうとふたりきりでいるわけにはいきません。)

部屋に、人形と二人きりで居る訳にはいきません。

(こわくてたまらないのです。しょうじょのにんぎょうが、)

怖くてたまらないのです。少女の人形が、

(あまりにもよくできているものですから、くらやみのなかで)

あまりにもよく出来ているものですから、暗闇の中で

(ひょっこりたちあがりそうなきがして、もうじっと)

ヒョッコリ立ち上がりそうな気がして、もうジッと

(していられないほど、おそろしいのです。そこで、あやしい)

していられない程、恐ろしいのです。 そこで、怪しい

(ろうじんにであうのはかくごのうえで、とうとうそのへやから)

老人に出会うのは覚悟の上で、とうとうその部屋から

(ろうかへにげだしてしまいました。びくびくしながら)

廊下へ逃げ出してしまいました。 ビクビクしながら

(ろうかをみまわしましたが、そのへんに、あのろうじんが)

廊下を見まわしましたが、そのへんに、あの老人が

(かくれているようすもありません。いえじゅうがしーんとしずまり)

隠れている様子もありません。家中がシーンと静まり

(かえって、ほんとうにあきやのようなかんじです。ろうかは)

返って、本当に空き家のような感じです。 廊下は

(かぎのてにまがっていて、そのところどころにどあがついて)

カギの手に曲がっていて、その所々にドアがついて

(いるのですが、どのどあもなかからかぎがかかっている)

いるのですが、どのドアも中からカギがかかっている

(とみえ、とってをまわしてみてもひらくようすがあり)

とみえ、取っ手を回してみてもひらく様子があり

(ません。みんな、きみのわるい「あかずのへや」です。)

ません。みんな、気味の悪い「あかずの部屋」です。

(たいじくんはいまにもなきだしそうになるのを、やっとの)

泰二君は今にも泣き出しそうになるのを、やっとの

(おもいでたえながら、とうとうろうかのいちばんおくにある)

思いで耐えながら、とうとう廊下の一番奥にある

(へやのまえまでたどりつきました。みると、そのいちばん)

部屋の前までたどりつきました。 見ると、その一番

(おくのへやだけ、どあがはんぶんほどあいているのです。)

奥の部屋だけ、ドアが半分程あいているのです。

(「このなかに、だれかいるのか」とおもうと、また)

「この中に、だれか居るのか」と思うと、また

(みょうにこわくなってきます。どあがしまっていれば)

みょうに怖くなってきます。ドアが閉まっていれば

(しまっているでうすきみわるいし、あいていればあいて)

閉まっているで薄気味悪いし、あいていればあいて

(いるで、やっぱりこわいのです。でも、いまさら)

いるで、やっぱり怖いのです。 でも、今さら

(ためらっているばあいではありません。たいじくんはかふくに)

ためらっている場合ではありません。泰二君は下腹に

(ぐっとちからをいれて、ゆうきをふるいおこしました。)

グッと力を入れて、勇気を奮い起こしました。

(そして、そのあいたどあのなかをひょいとのぞき)

そして、そのあいたドアの中をヒョイとのぞき

(こんだのです。)

こんだのです。

(「ひるたはかせ」)

「ヒルタ博士」

(どあのなかをのぞいてみると、そのへやがおもったより)

ドアの中をのぞいてみると、その部屋が思ったより

(ずっとひろくてたいへんりっぱなのに、まずびっくりして)

ずっと広くて大変立派なのに、まずビックリして

(しまいました。へやのしほうのかべは、たかいてんじょうまでとどく)

しまいました。 部屋の四方の壁は、高い天井まで届く

(しょだなになっていて、きんいろのもじをしたようしょがぎっしり)

書棚になっていて、金色の文字をした洋書がギッシリ

(つまっています。それから、そのしょだなのよっつのすみ)

詰まっています。それから、その書棚の四つの隅

(には、おとなほどもあるせたけのいかめしいせっこうぞうが、)

には、大人ほどもある背丈のいかめしい石膏像が、

(にょきにょきとつったっているのです。)

ニョキニョキと突っ立っているのです。

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