こころ① 夏目漱石

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難易度(4.4) 3030打 長文タグこころ 夏目漱石 小説 長文
夏目漱石のこころです
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 aaa 6050 A++ 6.2 96.9% 479.8 2998 95 58 2020/10/07
2 かえで 5939 A+ 6.1 96.3% 493.3 3044 114 58 2020/11/11
3 123 4654 C++ 5.3 89.0% 582.2 3091 381 58 2020/10/21
4 sachiko 4252 C+ 4.3 98.8% 706.0 3038 36 58 2020/10/10
5 まぶちゃん 3067 E++ 3.3 92.2% 906.7 3035 254 58 2020/11/08

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問題文

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(わたしはそのひとをつねにせんせいとよんでいた。)

私はその人を常に先生と呼んでいた。

(だからここでもただせんせいとかくだけでほんみょうはうちあけない。)

だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。

(これはせけんをはばかるえんりょというよりも、)

これは世間をはばかる遠慮というよりも、

(そのほうがわたしにとってしぜんだからである。)

そのほうが私にとって自然だからである。

(わたしはそのひとのきおくをよびおこすごとに、すぐ「せんせい」といいたくなる。)

私はその人の記憶を呼び起こすごとに、すぐ「先生」と言いたくなる。

(ふでをとってもこころもちはおなじことである。)

筆を執っても心持は同じことである。

(よそよそしいかしらもじなどはとてもつかうきにはならない。)

よそよそしい頭文字などはとても使う気にはならない。

(わたしがせんせいとしりあいになったのはかまくらである。)

私が先生と知り合いになったのは鎌倉である。

(そのときわたしはまだわかわかしいしょせいであった。)

その時私はまだ若々しい書生であった。

(しょちゅうきゅうかをりようしてかいすいよくにいったともだちからぜひこい)

暑中休暇を利用して海水浴に行った友達からぜひ来い

(というはがきをうけとったので、)

というはがきを受け取ったので、

(わたしはたしょうのかねをくめんして、でかけることにした。)

私は多少の金をくめんして、出かけることにした。

(わたしはかねのくめんにに、さんにちをついやした。)

私は金のくめんに二、三日を費やした。

(ところがわたしがかまくらについてみっかとたたないうちに、わたしをよびよせたともだちは、)

ところが私が鎌倉に着いて三日とたたないうちに、私を呼び寄せた友達は、

(きゅうにくにもとからかえれというでんぽうをうけとった。)

急に国もとから帰れという電報を受け取った。

(でんぽうにはははがびょうきだからとことわってあったけれどもともだちはそれをしんじなかった。)

電報には母が病気だからと断ってあったけれども友だちはそれを信じなかった。

(ともだちはかねてからくにもとにいるおやたちにすすまないけっこんをしいられていた。)

友だちはかねてから国もとにいる親たちにすすまない結婚をしいられていた。

(かれはげんだいのしゅうかんからいうとけっこんするにはあまりとしがわかすぎた。)

彼は現代の習慣からいうと結婚するにはあまり年が若すぎた。

(それにかんじんのとうにんがきにいらなかった。)

それに肝心の当人が気にいらなかった。

(それでなつやすみにとうぜんかえるべきところを、)

それで夏休みに当然帰るべきところを、

など

(わざとさけてとうきょうのちかくであそんでいたのである。)

わざと避けて東京の近くで遊んでいたのである。

(かれはでんぽうをわたしにみせてどうしようとそうだんをした。)

彼は電報を私に見せてどうしようと相談をした。

(わたしにはどうしていいかわからなかった。)

私にはどうしていいかわからなかった。

(けれどもじっさいかれのははがびょうきであるとすれば)

けれどもじっさい彼の母が病気であるとすれば

(かれはもとよりかえるべきはずであった。)

彼はもとより帰るべきはずであった。

(せっかくきたわたしはひとりとりのこされた。)

せっかく来た私は一人取り残された。

(がっこうのじゅぎょうがはじまるにはまだだいぶにっすうがあるので、)

学校の授業が始まるにはまだだいぶ日数があるので、

(かまくらにおってもよし、かえってもいいというきょうぐうにいたわたしは、)

鎌倉におってもよし、帰ってもいいという境遇にいた私は、

(とうぶんもとのやどにとどまるかくごをした。)

当分元の宿に留まる覚悟をした。

(ともだちはちゅうごくのあるしさんかのむすこでかねにふじゆうのないおとこであったけれども、)

友達は中国のある資産家の息子で金に不自由のない男であったけれども、

(がっこうががっこうなのととしがとしなので、せいかつのていどはわたしとそうかわりもしなかった。)

学校が学校なのと年が年なので、生活の程度は私とそう変わりもしなかった。

(したがってひとりぼっちになったわたしは)

したがって一人ぼっちになった私は

(べつにかっこうなやどをさがすめんどうももたなかったのである。)

べつにかっこうな宿を捜す面倒ももたなかったのである。

(やどはかまくらでもへんぴなほうがくにあった。)

宿は鎌倉でも辺鄙(へんぴ)な方角にあった。

(たまつきだのあいすくりーむだのというはいからなものには)

玉突きだのアイスクリームだのというハイカラなものには

(ながいなわてをひとつこさなければてがとどかなかった。)

長い畷(なわて)を一つ越さなければ手が届かなかった。

(くるまでいってもにじゅうせんはとられた。)

車で行っても二十銭は取られた。

(けれどもこじんのべっそうはそこここにいくつでもたてられていた。)

けれども個人の別荘はそこここにいくつでも建てられていた。

(それにうみへはごくちかいのでかいすいよくをやるにはしごくべんりなちいをしめていた。)

それに海へはごく近いので海水浴をやるにはしごく便利な地位を占めていた。

(わたしはまいにちうみへはいりにでかけた。)

私は毎日海へはいりに出かけた。

(ふるいくすぶりかえったわらぶきのあいだをとおりぬけていそへおりると、)

古いくすぶり返った藁葺(わらぶき)の間を通り抜けて磯へおりると、

(このあたりにこれほどのとかいじんしゅがすんでるのかとおもうほど、)

この辺にこれほどの都会人種が住んでるのかと思うほど、

(ひしょにきたおとこやおんなですなのうえがうごいていた。)

避暑に来た男や女で砂の上が動いていた。

(あるときはうみのなかがせんとうのようにくろいあたまでごちゃごちゃしていることもあった。)

ある時は海の中が銭湯のように黒い頭でごちゃごちゃしていることもあった。

(そのなかにしったひとをひとりももたないわたしも、)

そのなかに知った人を一人ももたない私も、

(こういうにぎやかなけしきのなかにつつまれて、)

こういうにぎやかな景色の中につつまれて、

(すなのうえにねそべってみたり、ひざがしらをなみにうたして、)

砂の上に寝そべってみたり、膝頭(ひざがしら)を波に打たして、

(そこいらをはねまわるのはゆかいであった。)

そこいらをはね回るのは愉快であった。

(わたしはじつにせんせいをこのざっとうのあいだにみつけだしたのである。)

私は実に先生をこの雑踏の間に見つけ出したのである。

(そのときかいがんにはかけぢゃやがにけんあった。)

その時海岸には掛茶屋(かけぢゃや)が二件あった。

(わたしはふとしたはずみからそのいっけんのほうにいきなれていた。)

私はふとしたはずみからその一軒のほうに行きなれていた。

(はせへんにおおきなべっそうをかまえているひととちがって、)

長谷辺(はせへん)に大きな別荘を構えている人と違って、

(めいめいにせんゆうのきがえじょうをこしらえていないここいらのひしょきゃくには、)

めいめいに専有の着替場をこしらえていないここいらの避暑客には、

(ぜひともこうしたきょうどうきがえじょといったふうなものがひつようなのであった。)

ぜひともこうした共同着替所といったふうなものが必要なのであった。

(かれらはここでちゃをのみ、ここできゅうけいするほかに、)

彼らはここで茶を飲み、ここで休憩するほかに、

(ここでしおはゆいからだをきよめたり、ここへぼうしやかさをあずけたりするのである。)

ここで塩はゆいからだを清めたり、ここへ帽子や傘を預けたりするのである。

(かいすいみずぎをもたないわたしにももちものをぬすまれるおそれはあったので、)

海水水着を持たない私にも持ち物を盗まれる恐れはあったので、

(わたしはうみへはいるたびにそのちゃやへいっさいをぬぎすてることにしていた。)

私は海へはいるたびにその茶屋へいっさいを脱ぎ捨てることにしていた。

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