夢野久作 いなか、の、じけん 1
関連タイピング
-
上級者向けタイピングゲームだよ
プレイ回数3.2万長文かな822打 -
タイピングに慣れてきた人におすすめ
プレイ回数110万長文かな1008打 -
Mrs.GREEN APPLEの青と夏です!
プレイ回数14万歌詞1030打 -
めっちゃいい曲....
プレイ回数2.3万歌詞かな200打 -
長文
プレイ回数1.3万長文120秒 -
好評だった小説の続きです
プレイ回数6908長文797打 -
プレイ回数837長文1105打
-
テトリスサビ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
プレイ回数10万歌詞かな167打
問題文
(おおきなてがかり)
大きな手がかり
(そんちょうさんのところのこめぐらから、はくまいをよんひょうぬすんでいったものがある。)
村長さんの処の米倉から、白米を四俵《ひょう》盗んで行ったものがある。
(あくるあさはやくちゅうざいのおまわりさんがきてしらべたら、)
あくる朝早く駐在の巡査《おまわり》さんが来て調べたら、
(たわらをつんでいったらしいくるまのわのあとが、)
俵《たわら》を積んで行ったらしい車の輪のあとが、
(あまあがりのつちにはっきりついていた。そのあとをつけていくと、)
雨あがりの土にハッキリついていた。そのあとをつけて行くと、
(まちへでるとちゅうの、とあるむらはずれのいっけんやののきしたに、)
町へ出る途中の、とある村外《はず》れの一軒屋の軒下に、
(そのこめだわらをつんだくるまがおいてあって、そのよこのえんだいのうえに、)
その米俵を積んだ車が置いてあって、その横の縁台の上に、
(ほおかぶりをしたおとこがだいのじになって、)
頬冠《ほおかぶ》りをした男が大の字になって、
(ぐうぐうといびきをかいていた。ひっとらえてみるとそれは、)
グウグウとイビキをかいていた。引っ捕えてみるとそれは、
(そのかいわいでもてあましもののばくちうちであった。)
その界隈で持てあまし者の博奕打《ばくちう》ちであった。
(ばくちうちはぬすんだこめをまちへうりにいくとちゅう、)
博奕打ちは盗んだ米を町へ売りに行く途中、
(ひさしぶりにからだをつかってくたびれたので、)
久し振りに身体《からだ》を使ってクタビレたので、
(ちょっとのつもりでやすんだのが、おもわずねすごしたのであった。)
チョットのつもりで休んだのが、思わず寝過ごしたのであった。
(こしなわをうたれたままくるまをひっぱってゆくおとこの、)
腰縄を打たれたまま車を引っぱってゆく男の、
(うしろすがたをみおくったひとびとは、ためいきしていった。)
うしろ姿を見送った人々は、ため息して云った。
(「わるいことはできんなあ」)
「わるい事は出来んなあ」
