絵空事

(ねむれないよるにきいたものがたりが)

眠れない夜に聞いた物語が

(えそらごとだとしたら)

絵空事だとしたら

(えいえんをしるよりかいらくをもとめて)

永遠を知るより快楽を求めて

(いまをくやんでしまうのは)

今を悔やんでしまうのは

(こころのふかくにすみついたかげから)

ココロの深くに棲みついた影から

(にげるためだとしたら)

逃げるためだとしたら

(それでもあたしはあたしを)

それでもあたしはあたしを

(あいしていられるなら)

愛していられるなら

(はんぶんにわれたたいようがあさをつれてきて)

半分に割れた太陽が朝を連れてきて

(やみになれたしんけいをじわりしげきする)

闇に慣れた神経をじわり刺激する

(おきわすれたのうないはあえてそのままで)

置き忘れた脳内はあえてそのままで

(しなりおにきえたものがたりだ)

シナリオの消えた物語だ

(じゆうにじゆうにかじをとって)

自由に自由に舵を取って

(もっとたかくへまいあがって)

もっと高くへ舞い上がって

(きめつけたこたえのうらがわで)

決め付けた答えの裏側で

(ないてるあのこのこえはきこえない)

泣いてるあの子の声は聞こえない

(かんじょうなんてだれかのさびたものさしで)

感情なんてだれかの錆びた物差しで

(はかるものではないだろう)

測るものではないだろう

(だれのためじゃなくあたしはあたしが)

だれのためじゃなくあたしはあたしが

(いまをわらうためにきずをかくしてる)

今を笑うために傷を隠してる

(すこしかれたこえでえそらごとをうたう)

少し枯れた声で絵空事を歌う

(いまここにあるものがすべてだ)

今ここにあるものがすべてだ

(はんぶんにわれたたいようでまたきょうがはじまる)

半分に割れた太陽でまた今日が始まる

(ものがたりのつづきはこのてのなか)

物語の続きはこの手の中

(あいされることがけつまつじゃないから)

愛されることが結末じゃないから

(みたされるだけじゃたりないでしょう)

満たされるだけじゃ足りないでしょう

(じゆうにじゆうにかじをとって)

自由に自由に舵を取って

(もっととおくへとりになって)

もっと遠くへ鳥になって

(じゆうにじゆうにかじをとって)

自由に自由に舵を取って

(もっとたかくへほしになって)

もっと高くへ星になって