第57回 スピード検定試験2

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第57回(令和元年7月)スピード検定試験
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 a 7798 8.0 97.0% 398.3 3204 98 57 2024/11/23
2 subaru 7490 7.7 96.3% 408.0 3175 119 57 2024/10/03
3 maro 6656 S+ 6.8 97.0% 473.5 3250 98 57 2024/10/06
4 6612 S+ 6.8 97.2% 469.7 3195 89 57 2024/10/25
5 undine 6330 S 6.6 95.9% 476.9 3151 132 57 2024/10/29

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問題文

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(きょうとには、でんとうてきなうつくしいきぬおりものがある。)

京都には、伝統的な美しい絹織物がある。

(ゆたかなしきさいひょうげんとこうどなぎじゅつによって、こうたくとひんかくがうまれ、)

豊かな色彩表現と高度な技術によって、光沢と品格が生まれ、

(いっぱんてきなものとはくべつしてかたられてきた。)

一般的なものとは区別して語られてきた。

(そのとくべつなぬのは「にしきおり」とよばれており、)

その特別な布は「錦織」と呼ばれており、

(くみおりがいくつもかさなっていることから、)

組み織りが幾つも重なっていることから、

(へいめんではなくりったいてきでたさいなしあがりになるという。)

平面ではなく立体的で多彩な仕上がりになるという。

(にほんじんがあこがれをいだきつづけ、せかいにほこるこうげいひんとしていまもむかしもにんしきされている。)

日本人が憧れを抱き続け、世界に誇る工芸品として今も昔も認識されている。

(そのなのかしらもじについているにしきというかんじは、)

その名の頭文字に付いている錦という漢字は、

(もともとうつくしいものをけいようするときやさいこうほうをしめすときにつかわれており、)

もともと美しいものを形容するときや最高峰を示す時に使われており、

(ふるいことわざやひょうげんなどにももちいられているので、しっているひともおおいだろう。)

古いことわざや表現などにも用いられているので、知っている人も多いだろう。

(また、えどまっきがぶたいのじだいげきではこのことばがでてくることもあるので、)

また、江戸末期が舞台の時代劇ではこの言葉が出てくることもあるので、

(れきしがすきなひとは、きいたことがあるかもしれない。)

歴史が好きな人は、聞いたことがあるかもしれない。

(このおりものには、こまかなひだまであらわしたちょうこくのように、)

この織物には、細かなひだまで表した彫刻のように、

(ひょうめんにうつくしくなめらかなでこぼこがある。)

表面に美しく滑らかなでこぼこがある。

(また、いとのいろののうたんをこまかくつかいわけることでりったいかんがうまれる。)

また、糸の色の濃淡を細かく使い分けることで立体感が生まれる。

(さらにきぬいとははんとうめいのがらすぼうのようなけいじょうをしているといい、)

さらに絹糸は半透明のガラス棒のような形状をしているといい、

(そのだんめんはややまるみをおびたさんかくけいで、)

その断面はやや丸みを帯びた三角形で、

(ひかりをはんしゃさせたりとうかさせたりするこうかをもっている。)

光を反射させたり透過させたりする効果を持っている。

(つまり、このこうぞうによってまるで)

つまり、この構造によってまるで

(だいやもんどのようなふくざつなかがやきをはっしている。)

ダイヤモンドのような複雑な輝きを発している。

など

(しょうめいがあたるといんえいができ、ほろぐらむのようにかくどによってひょうじょうをへんかさせ、)

照明が当たると陰影ができ、ホログラムのように角度によって表情を変化させ、

(みるものをおどろかせている。)

見る者を驚かせている。

(さくひんができあがるまでに、そうぞうをこえるてまとじかんがかかっているのだという。)

作品が出来上がるまでに、想像を超える手間と時間がかかっているのだという。

(せっけいずにそってあらかじめいとをひつようないろにこまかくそめ、)

設計図に沿ってあらかじめ糸を必要な色に細かく染め、

(たてとよこでそれぞれにたばねてならべておき、)

縦と横でそれぞれに束ねて並べておき、

(こうごにくみあわせてもようをおっていくのだ。)

交互に組み合わせて模様を織っていくのだ。

(きょうとではむかしから、かんぜんぶんぎょうせいとなっているそうで、)

京都では昔から、完全分業制となっているそうで、

(70にんいじょうのしょくにんがかかわっていちまいのたんものがかんせいする。)

70人以上の職人が関わって一枚の反物が完成する。

(それぞれのこうていは、せんもんようごでひょうげんされており、)

それぞれの工程は、専門用語で表現されており、

(そのぎょうかいでしごとをしていないとりかいできないことばもそんざいする。)

その業界で仕事をしていないと理解できない言葉も存在する。

(こうしてじゅくれんのしょくにんによっておおくのぷろせすをていねいにじみちなさぎょうでつむいでいく。)

こうして熟練の職人によって多くのプロセスを丁寧に地道な作業で紡いでいく。

(しきしゃのもと、あらゆるがっきでおとをだしてまとめあげられる)

指揮者の下、あらゆる楽器で音を出してまとめ上げられる

(こうきょうきょくににているのかもしれない。)

交響曲に似ているのかもしれない。

(ひかりのあたりかたによりたさいにかわりゆくきぬいとがぜつみょうにいりまじったときに、)

光の当たり方により多彩に変わりゆく絹糸が絶妙に入り交じった時に、

(にほんのおりものはおーけすとらのようにそうごうげいじゅつとなりかんせいするのである。)

日本の織物はオーケストラのように総合芸術となり完成するのである。

(また、めでみたかんかくとふんいきで、ふうあいをかんじさせるのが、)

また、目で見た感覚と雰囲気で、風合いを感じさせるのが、

(じょうとうなきぬおりもののじょうけんだといわれている。)

上等な絹織物の条件だといわれている。

(なんそうにもかさなっていてあつみがあるのに、)

何層にも重なっていて厚みがあるのに、

(もったしゅんかんかろやかというなんともふしぎなしつかんなのである。)

持った瞬間軽やかという何とも不思議な質感なのである。

(このふうあいはしょくにんによってぜつみょうにことなるそうだ。)

この風合いは職人によって絶妙に異なるそうだ。

(きおんやしつど、てんきなどをかくにんしながら)

気温や湿度、天気などを確認しながら

(ぜつみょうにぐあいをかえてしごとをするしょくにんのぎじゅつがあってこそ、)

絶妙に具合を変えて仕事をする職人の技術があってこそ、

(このげいじゅつひんはうまれるのである。)

この芸術品は生まれるのである。

(このぬのがうつくしくごうかないんしょうであるのに、けっしてはでではなく、)

この布が美しく豪華な印象であるのに、決して派手ではなく、

(むしろひんかくがただようのにはりゆうがあるようだ。)

むしろ品格が漂うのには理由があるようだ。

(それは、いくつものいとをもちいるなかで、とくにきんがじゅうようしされているというてんにある。)

それは、幾つもの糸を用いる中で、特に金が重要視されているという点にある。

(このいろだけでもおどろくほどのしゅるいがあり、のうたんやはいごうがことなるため、)

この色だけでも驚くほどの種類があり、濃淡や配合が異なるため、

(それだけでもひかりとかげをさいげんできるのだ。)

それだけでも光と影を再現できるのだ。

(そこに、ほかのいろがくわわることにより、じょうひんであざやかないろどりとなって)

そこに、他の色が加わることにより、上品で鮮やかな彩りとなって

(たがいをひきたててひびきあい、おだやかなりったいかんがひかりとかげをじざいにあやつる。)

互いを引き立てて響き合い、穏やかな立体感が光と影を自在に操る。

(しゅんかしゅうとうそれぞれのきせつでも、はれとあめ、あさとよるなど、)

春夏秋冬それぞれの季節でも、晴れと雨、朝と夜など、

(そのひょうじょうはむげんだいである。)

その表情は無限大である。

(げんざいでもこのでんとうとぎじゅつをまもりながらせいさくしているこうぼうがあるという。)

現在でもこの伝統と技術を守りながら制作している工房があるという。

(これは、いつのじだいもいろあせることのないげいじゅつひんだといえるのかもしれない。)

これは、いつの時代も色あせることのない芸術品だといえるのかもしれない。

(てまひまをかけてせいさくされたそうだいでいげんのあるうつくしいこのぬのは、)

手間暇をかけて制作された壮大で威厳のある美しいこの布は、

(なんびゃくねんものじかんがたってもかちとたんれいさをたもったまま)

何百年もの時間がたっても価値と端麗さを保ったまま

(わたしたちをみりょうしつづけているのだろう。)

私たちを魅了し続けているのだろう。

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