第四解剖室　スティーヴン・キング　8

(つぎにきがつくとすとれっちゃーにのせられ、したいぶくろにつめこまれて、)

つぎに気が付くとストレッチャーに乗せられ、死体袋に詰め込まれて、

(じっぱーをぴったりとざされ、まいく（「なんばんだといっていた？」）)

ジッパーをぴったり閉ざされ、マイク（「何番だと言っていた？」）

(とらすてぃ（「よんばんだったとおもう。ああ、よんばんだよ」）)

とラスティ（「四番だったと思う。ああ、四番だよ」）

(のかいわがみみにいってきたのだ。じぶんはへびのいっしゅにかまれたのだーー)

の会話が耳に入ってきたのだ。自分は蛇の一種に噛まれたのだーー

(そうおもいたいが、それはぼーるをさがしていたときにへびのことをかんがえていた)

そう思いたいが、それはボールを探していたときに蛇のことを考えていた

(からかもしれない。むしにさされたとしてもおかしくはない。)

からかもしれない。虫に刺されたとしてもおかしくはない。

(とにかくおぼえているのはいっしゅんのげきつうだけ。それに、)

とにかく覚えているのは一瞬の激痛だけ。それに、

(こうなってしまったいじょう、そんなことはもんだいにもならないのでは？)

こうなってしまった以上、そんなことは問題にもならないのでは？

(いまのもんだいは、わたしがまだいきているのに、ここにいるれんちゅうが)

今の問題は、わたしがまだ生きているのに、ここにいる連中が

(そのじじつをしらない、ということにつきる。)

その事実を知らない、ということに尽きる。

(うんがわるかったというまでもないーーどくたーじぇにんぐすのことは)

運が悪かったというまでもないーードクター・ジェニングスのことは

(しっている。じゅういちばんほーるでじぇにんぐすのふたりぐみがぷれー)

知っている。十一番ホールでジェニングスの二人組がプレー

(しているあいだ、かいわをかわしたきおくもある。きのいいおとこだが、)

している間、会話を交わした記憶もある。気のいい男だが、

(こうれいのせいか、いささかとろいこともじじつ。あのとしよりが、)

高齢のせいか、いささかとろいことも事実。あの年寄りが、

(わたしのしをせんこくした。そのあとあのらすてぃが、とろんとしたみどりの)

私の死を宣告した。そのあとあのラスティが、とろんとした緑の

(めとしょうねんいんにふさわしいばかまるだしえがおのもちぬしが、)

目と少年院にふさわしいバカ丸出し笑顔の持ち主が、

(わたしのしをせんこくしたとは。そしてじょい、みずしすこきっどは、)

私の死を宣告したとは。そして女医、ミズ・シスコ・キッドは、

(まだいっかいもまともにわたしをみていない。)

まだ一回もまともに私を見ていない。

(このじょいがみてくれていたら、あるいはーー「わたしね、)

この女医が見てくれていたら、あるいはーー「私ね、

(あのていのうおとこがしんそこきらいなのよ」どあがしまると、じょいがいう。)

あの低能男が心底嫌いなのよ」ドアが閉まると、女医が言う。