サラマンドラの踊り子

(まなつのよるのあれちにあかいほのおもえさかる)

真夏の夜の荒地に 紅い炎燃え盛る

(うすぎぬをみにまといいのりをささげるしょうじょ)

薄絹を身に纏い 祈りを捧げる少女

(ねがいはせんじょうへとたびだつかれのぶじを)

願いは戦場へと 旅立つ彼の無事を

(ほかにはいらないなみだをとどけてほしい)

他にはいらない 涙を届けて欲しい

(かみをなびかせてほそいてでないで)

髪を靡かせて 細い手で凪いで

(しなやかにまいおどりすずをならしゆれる)

しなやかに舞い踊り 鈴を鳴らし揺れる

(ようせいはあいをはんでうたうよ)

妖精は哀を 食んで歌うよ

(ほのおまいてみちびいてかなたへと)

炎蒔いて 導いて彼方へと

(あつくひかれあうかれのてへもういちどあわせて)

熱く惹かれあう 彼の手へもう一度逢わせて

(ながれたほしをかぞえうんめいのゆくえうらなう)

流れた星を数え 運命の行方占う

(しろいはだにはしるはひのとかげのあかいした)

白い肌に走るは 火のトカゲの紅い舌

(しょうじょへこいにおちたほのおすべるおうはいう)

少女へ恋に堕ちた 炎統べる王は言う

(わがためおどればのぞみをききとどけよう)

我が為 踊れば 望みを聞き届けよう

(ながいまつげふせほそいあしくびに)

長い睫毛伏せ 細い足首に

(ほのおこがれてつかまえるせかいごと)

炎焦れて 捕まえる世界ごと

(きんのあんくれっとつきのひかりがみちる)

金のアンクレット 月の光が満ちる

(ようせいははねをかわしうたうよ)

妖精は羽を交わし歌うよ

(そしてにげられぬかれのうでじょうねつでやけつく)

そして逃げられぬ彼の腕 情熱で焼け付く

(あまやかなささやきひとつけがれなきしょうじょにはどく)

甘やかな囁き一つ 穢れ無き少女には毒

(とまどいあらがうだけうれいにみちかがやく)

戸惑い抗うだけ 憂いに満ち輝く

(かみをなびかせてほそいてでないで)

髪を靡かせて 細い手で凪いで

(しなやかにまいおどりすずをならしゆれる)

しなやかに舞い踊り 鈴を鳴らし揺れる

(ようせいはあいをはんでうたうよ)

妖精は哀を食んで歌うよ

(ほのおまいてえみうかべる)

炎蒔いて 笑み浮かべる

(ながいまつげふせほそいあしくびに)

長い睫毛伏せ 細い足首に

(きんのあんくれっとつきのひかりがみちる)

金のアンクレット 月の光が満ちる

(ようせいははねをかわしうたうよ)

妖精は羽を交わし歌うよ

(ほのおこがれてつかまえるせかいごと)

炎焦れて 捕まえる世界ごと

(そしてにげられぬかれのうでじょうねつでやけつく)

そして逃げられぬ彼の腕 情熱で焼け付く