友情(武者小路実篤) 自序

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モテない男の大失恋劇の序文
武者小路実篤『友情』(新潮社、昭和22年)より、作者本人による序文です。

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問題文

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(にんげんにとってけっこんはだいじなことにはちがいない。)

人間にとって結婚は大事なことにはちがいない。

(しかしゆいいつのことではない。)

しかし唯一のことではない。

(するほうがいい、しないほうがいい、どっちもいい。)

する方がいい、しない方がいい、どっちもいい。

(どうじにどっちもわるいともいえるかもしれない。)

同時にどっちもわるいとも云えるかも知れない。

(しかしじぶんはけっこんについてはらっかんしているものだ。)

しかし自分は結婚に就ては楽観しているものだ。

(そしてほんとうにこいしあうものはけっこんすべきであるとおもう。)

そして本当に恋しあうものは結婚すべきであると思う。

(しかしこいにもいろいろある。)

しかし恋にもいろいろある。

(いちがいにはいえない。)

一概には云えない。

(このしょうせつのしゅじんこうはすぎことけっこんしなかったためにほかのおんなとけっこんしたろう。)

この小説の主人公は杉子と結婚しなかった為に他の女と結婚したろう。

(そしてこがうまれたろう。)

そして子が生れたろう。

(そのこがおとこで、おおみやとすぎこのあいだにできたおんなのこをこいして)

その子が男で、大宮と杉子の間に出来た女の子を恋して

(けっこんするということもかんがえられないことではない。)

結婚するということも考えられないことではない。

(そしてりょうほうがおたがいにうまれたことをかんしゃしあうということも)

そして両方がお互に生れたことを感謝しあうと云うことも

(ありえないことではない。)

あり得ないことではない。

(ふうふのことはどこかほかのところでかこう。)

夫婦のことは何処か他の処で書こう。

(じぶんはここではほいっとまんのまねして、)

自分はここではホイットマンの真似して、

(しつれんするのもばんざい、)

失恋するのも万歳、

(けっこんするものもばんざいといっておこう。)

結婚する者も万歳と云っておこう。

(1920・1・14 さねあつ)

一九二〇・一・一四 実篤

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