武者小路実篤『友情』 下篇④
武者小路実篤『友情』(新潮社、昭和22年)より、主人公・野島の思いを知りつつ野島の親友・大宮と結婚することにした杉子と、その大宮との間に交わされる手紙です。
関連タイピング
-
プレイ回数2.6万長文かな779打
-
プレイ回数340長文2077打
-
プレイ回数551長文2468打
-
プレイ回数92長文4082打
-
プレイ回数359長文3658打
-
プレイ回数414長文2583打
-
プレイ回数183長文かな2194打
-
プレイ回数73長文1658打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(のじまさまはわたくしがいなくっても、なおりっぱになれるかたとおもいます。)
野島さまは私がいなくっても、なお立派になれる方と思います。
(このごろおかきになるものにはすごいほど、つよいかんじがでてきたようにおもいます。)
この頃おかきになるものには凄い程、強い感じが出て来たように思います。
(ですがわたくしはあなたのもののほうがどのくらいすきでございましょう。)
ですが私はあなたのものの方がどの位好きで御座いましょう。
(あなたのおかきになるものはいちごんいっくはいけんいたします。)
あなたのおかきになるものは一言一句拝見いたします。
(あなたについてかかれたものもすべてはいけんいたしております。)
あなたについてかかれたものもすべて拝見いたしております。
(わたくしはあなたのいちばんいいどくしゃになりたいとおもっております。)
私はあなたの一番いい読者になりたいと思っております。
(あなたをそんけいしているかたはたくさんございましょう。)
あなたを尊敬している方は沢山御座いましょう。
(ですがほかのかたにはわからないところも)
ですが他の方にはわからない所も
(ちゃんとわたくしにはわかっておりますつもりです。)
ちゃんと私にはわかっておりますつもりです。
(さもないとくやしいので、そうおもっております。)
さもないと口惜しいので、そう思っております。
(まいにちまいにち、あなたのごけんこうと、ごこうふくをいのっております。)
毎日毎日、あなたの御健康と、御幸福を祈っております。
(どうかおゆるしください。)
どうかお許し下さい。
(どんなみじかいごへんじでもくださればとびあがります。)
どんな短かい御返事でも下さればとび上ります。