モーターサイクル・ダイアリー④（終）

(６がつ１４にち。えるねすとのたんじょうびぱーてぃがひらかれました。)

6月14日。エルネストの誕生日パーティが開かれました。

(「ここにきてくれて、ぜんりょくでかんじゃたちにむきあってくれてありがとう」)

「ここに来てくれて、全力で患者たちに向き合ってくれてありがとう」

(とおれいをいわれます。いかだをぷれぜんとしてもらい、)

とお礼を言われます。筏をプレゼントしてもらい、

(それであしたからのたびをつづけることになります。)

それで明日からの旅を続けることになります。

(えるねすとは「まずしいぼくらにかえせるのはことばだけです。)

エルネストは「貧しい僕らに返せるのは言葉だけです。

(みずしらずのぼくらをかぞくのようにうけいれてくれて、)

見ず知らずの僕らを家族のように受け入れてくれて、

(かんしゃはけっしてわすれません。そのかんだいさになんどもたすけられました。)

感謝は決して忘れません。その寛大さに何度も助けられました。

(ぼくらはみなおなじひとつのこんけつみんぞくなのに、なんべいがばらばらに)

僕らはみな同じひとつの混血民族なのに、南米がバラバラに

(なってくるしんでいるのはおかしいとかくしんしました。)

なって苦しんでいるのはおかしいと確信しました。

(へんきょうなちいきしゅぎからのかいほうをめざしましょう」と)

偏狭な地域主義からの解放を目指しましょう」と

(すぴーちしました。)

スピーチしました。

(ひきつづきみんなはゆかいにおどりますが、えるねすとはまっくらの)

引き続きみんなは愉快に踊りますが、エルネストは真っ暗の

(かわむこうをみつめています。「みなみでたんじょうびをいわう」といいだし、)

川向こうを見つめています。「南で誕生日を祝う」と言い出し、

(かわにはいっていきました。「やめてくれ、なにかにくわれるぞ」と)

川に入っていきました。「止めてくれ、何かに食われるぞ」と

(あるべるとがとめますが、まったくきこえていません。)

アルベルトが止めますが、まったく聞こえていません。

(かこにおよいでわたったひとはひとりもいないそうです。)

過去に泳いで渡った人はひとりもいないそうです。

(いへんにきづいたみなみがわのひとびともきしにあつまってきて、)

異変に気づいた南側の人々も岸に集まってきて、

(「えるねすと、あなたならできるわ」とせいえんをおくります。)

「エルネスト、あなたならできるわ」と声援を送ります。

(およぎきったとき、りょうがんからおおきなはくしゅが。)

泳ぎ切ったとき、両岸から大きな拍手が。

(そしてよくあさ、「どうかおげんきで」、おわかれのときがやってきました。)

そして翌朝、「どうかお元気で」、お別れの時がやってきました。