エゴイスティック

(たぐりよせたいとでひきつけるようにして)

手繰り寄せた糸で惹き付けるようにして

(かんきゃくのいないぶたいのまくがあく)

観客のいない舞台の幕が開く

(みえないところへとしせんをいざなって)

見えない所へと視線を誘って

(うまくひきあがるしゅんかんをまっている)

上手く引き上がる瞬間を待っている

(こころをもとめてうごくからだならば)

心を求めて動く身体ならば

(ひかるまぼろしみせてあげよう)

光る幻見せてあげよう

(もっとつよくだいてゆびをからめ)

もっと強く抱いて　指を絡め

(このばのすべてによいおぼれて)

この場の全てに酔い溺れて

(しろくぬりつけられたようなほほえみをうかべて)

白く塗りつけられたような微笑みを浮かべて

(きづかないでさとらないで)

気付かないで　悟らないで

(よくのままにつきうごかされて)

欲の侭に突き動かされて

(にぎりかえすわたしのてにひかれてこころのそこからわらえ)

握り返す私の手に引かれて心の底から笑え

(ふできなえんぎでもかまいやしないのさ)

不出来な演技でも構いやしないのさ

(つまずいたようにみせるのもうまいね)

躓いたように見せるのも上手いね？

(それがきみのすがるあいでんてぃてぃでしょう)

それが君の縋るアイデンティティでしょう？

(ひかんするほどむりかいじゃないけど)

悲観するほど無理解じゃないけど

(いきもつけぬようなほそいきんちょうかんで)

息も付けぬような細い緊張感で

(いつまではりつづけるのだろう)

いつまで張り続けるのだろう

(ひかりてらしだしたぶたいのうえ)

光照らし出した舞台の上

(ふたりしかいないせまいせかい)

二人しかいない狭い世界

(どちらともたがいばかりをきにしてるえごいすと)

どちらとも互いばかりを気にしてるエゴイスト

(ひいたところにおさまるのが)

引いた所に収まるのが

(なによりもきもちいいのだから)

何よりも気持ちいいのだから

(うれえずになげかずに)

憂えずに　嘆かずに

(むすばれたいとにあわせておどれ)

結ばれた糸に合わせて踊れ

(よういされたかけらくりぬかれて)

用意された欠片くり抜かれて

(ちいさなぎねんにのみこまれて)

小さな疑念に飲み込まれて

(ないはずだとしんじつづけたすがおにおびえている)

無いはずだと信じ続けた素顔に怯えている

(ぬりつけられているあついしろはとうめいなくろとかさねられて)

塗りつけられている厚い白は透明な黒と重ねられて

(わからないきづけもしない)

分からない　気付けもしない

(あらそうようにもとめて)

争うように求めて

(りずむにみをまかせふりまわされ)

リズムに身を任せ振り回され

(まくがさがるそのいっしゅんまで)

幕が下がるその一瞬まで

(たとえげーむのさいごまかされるのがわたしでも)

たとえゲームの最後負かされるのが私でも

(くりあうたびゆれるいとは)

繰り合うたび揺れる糸は

(みにくすぎてうつくしくみえた)

醜すぎて美しく見えた

(ししのようにおどるこころ)

四肢のように踊る心

(しはいするすべてわすれてわらえ)

支配する全て忘れて笑え