『劇作家』の独白
Feuille-Morte 「ゲキノウタ」 より
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歌詞(問題文)
(あわれなおとこよ)
哀れな男よ
(おのれのいきるみち)
おのれのいきる道
(あたえられずして)
与えられずして
(ことばひとつもつむげず)
言葉ひとつも紡げず
(あわれなおとこよ)
哀れな男よ
(おまえはうまれもせず)
おまえは生まれもせず
(そのいのちとざす)
その人生閉ざす
(なんにもついやされることなく)
何にも費やされることなく
(しょせんはこのていど。)
-所詮はこの程度。
(そうつぶやくことばそらぞらしく)
そう呟く言葉 空々しく-
(だれがふかんぜんなものをうんで)
誰が不完全なものを産んで
(それのふできあざわらうか?)
それの不出来あざ笑うか?
(そのいのちに)
その人生に
(ねがうことなど)
願うことなど
(なにひとつありはしないのに)
なにひとつありはしないのに
(おまえをださくとよぶなら)
お前を『駄作』と呼ぶなら
(やはり、わたしもまたそうなのだろう)
やはり、私もまた"そう"なのだろう-
(なぜひとはゆるせる)
なぜ人は許せる
(おのれのかってに)
おのれの勝手に
(いのちのもちえぬ)
人生の持ちえぬ
(ものがたりつくりだし)
「人物」作り出し
(おのれのおもう)
おのれの思う
(やくめあたえては)
役目与えては
(おのれのかって)
おのれの勝手
(そのいみおわらせる)
その意味終わらせる
(そのこういうらがわにひそむあくとくにしらぬかおをしながら)
その行為裏側に潜む悪徳に知らぬ顔をしながら
(きくがいい)
聞くがいい
(ださくとよばれておわった)
駄作と呼ばれて終わった
(そのものたちこえをあげるはずがないだろう!?)
そのものたち声を上げる筈がないだろう!?
(いうがいい)
言うがいい
(あたえてせおわれるいのちが)
与えて背負われる人生が
(おもりとなってしかるべきものであることを)
荷重となってしかるべきものであることを
(めぐりつづける)
廻り続ける
(すすみつづける)
進み続ける
(まくのむこうに)
幕の向こうに
(あれらはつみ)
あれらは罪
(あなたのこえは)
父君の声は
(かくもおおきく)
かくも大きく
(つづくものたちのそのてがそうしてまた!)
続くもの達のその手が-そうしてまた!
(かくもあふれる)
かくも溢れる
(なみだのかずほど)
涙の数ほど
(わたしだけはおまえとともにたたかうだろう)
私だけは"駄作"と伴に戦うだろう
(そしてあるいは)
そして或いは
(せかいにきばむけ)
世界に牙剥け
(このこころにひらめくそのすがたをもとめて)
この心に閃くその姿を求めて
(だれでもないだれかのこえ)
「誰でもない誰か」の声
(よるのやみのむこうがわ)
夜の闇の向こう側
(すべてのかたりてたちのうしろに!)
全ての語り手達の後ろに!
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