ながぐつをはいたねこ 1
関連タイピング
-
プレイ回数10万歌詞200打
-
プレイ回数3.2万歌詞1030打
-
プレイ回数4276かな314打
-
プレイ回数75万長文300秒
-
プレイ回数111歌詞かな240秒
-
プレイ回数483長文535打
-
プレイ回数1.8万長文かな102打
-
プレイ回数89歌詞959打
問題文
(こなやははたらきどおしにはたらきましたが、やがておもいびょうきにかかりました。)
粉屋は働きどおしに働きましたが、やがて重い病気にかかりました。
(びょうきがなおらないとわかると、こなやはさんにんのむすこをよんでいいました。)
病気が治らないとわかると、粉屋は三人の息子を呼んで言いました。
(「ちょうなんよ、おまえにはこなひきばをあげることにしよう。)
「長男よ、お前には粉ひき場をあげることにしよう。
(じなんよ、おまえにはろばをあげることにしよう。)
次男よ、お前にはロバをあげることにしよう。
(すえのむすこよ、おまえにはわしがとてもかわいがっていた、ねこをあげることにしよう)
末の息子よ、お前にはわしがとてもかわいがっていた、猫をあげることにしよう
(では、なかよくげんきにくらすのだよ」)
では、仲良く元気に暮らすのだよ」
(そして、こなやはいきをひきとりました。)
そして、粉屋は息を引き取りました。
(いちばんうえのにいさんは、にばんめのにいさんにいいました。)
一番上の兄さんは、二番目の兄さんに言いました。
(「おれたちは、うんがよかったよな。おまえはろばを、おれはこなひきばを)
「おれたちは、運がよかったよな。お前はロバを、おれは粉ひき場を
(もらったんだもの。これからいっしょになって、ひともうけしようじゃないか」)
もらったんだもの。これから一緒になって、ひと儲けしようじゃないか」
(すると、すえのむすこがいいました。)
すると、末の息子が言いました。
(「にいさん、ぼくはどうしたらいいの?」)
「兄さん、僕はどうしたらいいの?」
(「おまえは、ここからでていってくれ。)
「お前は、ここから出て行ってくれ。
(ねこしかもっていないんじゃ、なんのやくにもたたないからな」)
猫しか持っていないんじゃ、何の役にも立たないからな」
(「ほんとうに、にいさんのいうとおりだ。ねこなんてもっていたって、)
「本当に、兄さんの言うとおりだ。猫なんて持っていたって、
(そのにくをたべて、けでえりまきをつくれば、それでおしまいだもの」)
その肉を食べて、毛でえり巻を作れば、それでおしまいだもの」
(すえのむすこがひとりごとをいっていると、ねこがいいました。)
末の息子が独りごとを言っていると、猫が言いました。
(「ごしゅじんさま、そんなにかなしむことはありません。わたしにふくろをひとつと)
「ご主人様、そんなに悲しむことはありません。私に袋を一つと
(やぶへはいれるように、ながぐつをいっそくください。)
やぶへ入れるように、長靴を一足ください。
(そうすれば、わたしがあなたにどんなにやくだつか、おわかりになりますよ」)
そうすれば、私があなたにどんなに役立つか、おわかりになりますよ」
(すえのむすこは、いうとおりにしました。)
末の息子は、言うとおりにしました。
(ねこはじょうずにながぐつをはき、ふくろをくびにかけ、)
猫は上手に長靴をはき、袋を首にかけ、
(ふくろのひもをまえあしでにぎって、もりへいきました。)
袋のひもを前足でにぎって、森へ行きました。
(もりには、うさぎがたくさんいました。)
森には、うさぎがたくさんいました。
(ねこは、うさぎのすきな、ぬかとのげしをふくろにいれ、ふくろのくちをおおきくあけると)
猫は、うさぎの好きな、ぬかと野げしを袋に入れ、袋の口を大きく開けると
(ふくろのひもをにぎって、しんだふりをしていました。)
袋のひもをにぎって、死んだふりをしていました。
(うさぎがえさをたべようとして、ふくろのなかにはいってきたら、)
うさぎがえさを食べようとして、袋の中に入ってきたら、
(すぐにひもをひっぱって、ふくろのなかにとじこめてしまおうとおもったのです。)
すぐにひもを引っぱって、袋の中に閉じ込めてしまおうと思ったのです。
(「まだこないかな」ねこはそっとうすめをあけて、ふくろのほうをみました。)
「まだ来ないかな」猫はそっとうす目をあけて、袋のほうを見ました。
(うさぎはようじんぶかいので、なかなかふくろのそばにはやってきません。)
うさぎは用心深いので、なかなか袋のそばにはやってきません。
(とおくのほうから、ねことふくろをながめているばかりです。)
遠くのほうから、猫と袋を眺めているばかりです。
(そのうち、あわてもののうさぎがいっぴき、ふくろのちかくにやってきました。)
そのうち、あわてもののうさぎが一匹、袋の近くにやってきました。
(はなをもぐもぐさせて、ふくろのなかのにおいをかいでいます。)
鼻をもぐもぐさせて、袋の中のにおいをかいでいます。
(「やあ、きた、きた。・・・こちらはしらんかおをしてなくちゃ。)
「やあ、来た、来た。・・・こちらは知らん顔をしてなくちゃ。
(・・・ぼくのほうをのぞいているな。)
・・・僕のほうを覗いているな。
(・・・うさぎくん、あんしんしろよ。ぼく、しんでいるんだから」)
・・・うさぎくん、安心しろよ。僕、死んでいるんだから」
(ねこはめをつぶって、ねころんだままぴくりともうごきませんでした。)
猫は目をつぶって、寝ころんだままぴくりとも動きませんでした。
(すると、うさぎはあんしんしたらしく、ふくろのそばまでやってきました。)
すると、うさぎは安心したらしく、袋のそばまでやってきました。
(「うさぎくん、こわがることはないぞ。ふくろのなかへはいってみろよ。)
「うさぎくん、怖がることはないぞ。袋の中へ入ってみろよ。
(そら・・・、いち、にの、さん!」)
そら・・・、いち、にの、さん!」
(ねこはひもをひっぱって、うさぎをつかまえてしまいました。)
猫はひもを引っぱって、うさぎを捕まえてしまいました。
(ねこはつかまえたうさぎをもって、おうさまのしろにいきました。 )
猫は捕まえたうさぎを持って、王様の城に行きました。
(「おうさま、これはしゅじんのからばこうしゃくさまから、さしあげるようにといわれた)
「王様、これは主人のカラバ侯爵様から、差し上げるようにといわれた
(うさぎでございます」)
うさぎでございます」
(するとおうさまは、「ごしゅじんによろしくいっておくれ。)
すると王様は、「ご主人によろしく言っておくれ。
(わしが、たいそうよろこんでいた、とな」といいました。)
わしが、たいそう喜んでいた、とな」と言いました。
(それからもねこは、ふくろでうさぎやうずらをつかまえると、)
それからも猫は、袋でうさぎやウズラを捕まえると、
(それをもっておうさまのしろにいきました。)
それを持って王様の城に行きました。
(そして、そのたびに「これは、しゅじんのからばこうしゃくさまからのおくりものでございます」)
そして、そのたびに「これは、主人のカラバ侯爵様からの贈り物でございます」
(といいました。)
と言いました。
(おうさまとけらいたちは、「からばこうしゃくって、どんなおとこだろう」とはなしあいました。)
王様とけらいたちは、「カラバ侯爵って、どんな男だろう」と話し合いました。