ピノッキオの冒険 24

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数2難易度(4.3) 2896打 長文
原作 コッローディ

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問題文

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(おひゃくしょうのいえをにげだしたぴのっきおは、こんどばかりはもうどこへもよりみちをせず)

お百姓の家を逃げ出したピノッキオは、今度ばかりはもうどこへも寄り道をせず

(ほしのかがやくそらのしたをどんどんとはしりつづけて、)

星の輝く空の下をどんどんと走り続けて、

(せんにょのいえのあるもりのなかへもどってきました。)

仙女の家のある森の中へ戻ってきました。

(けれどもどうしたことか、せんにょのいえはかげもかたちもなくなっていて、)

けれどもどうしたことか、仙女の家は影も形もなくなっていて、

(あとにはおはかがひとつたっていました。)

後にはお墓が一つたっていました。

(みると、おはかにほりつけられたことばが、ほしあかりをうけて)

見ると、お墓に彫りつけられた言葉が、星あかりを受けて

(ぼんやりとうかびあがっています。)

ぼんやりと浮かび上がっています。

(「ゆくえしれずとなったぴのっきおのみのうえをあんじたあまり)

『行方知れずとなったピノッキオの身の上を案じたあまり

(おもいびょうきとなっていきをひきとった、あわれなせんにょここにねむる」)

重い病気となって息を引き取った、哀れな仙女ここに眠る』

(「あっ、これはせんにょさまのおはかだ」)

「あっ、これは仙女さまのお墓だ」

(ぴのっきおはおどろいて、がっくりとひざをつきました。)

ピノッキオは驚いて、がっくりと膝をつきました。

(「なんということだ。せんにょさまがしんでしまっただなんて。)

「なんということだ。仙女さまが死んでしまっただなんて。

(せんにょさま、どうしてしんだりしたんですよう。おねがいです。)

仙女さま、どうして死んだりしたんですよう。お願いです。

(もういちど、かおをみせてください。こえをきかせてください」)

もう一度、顔を見せてください。声を聞かせてください」

(おはかのまえにみをなげだしたぴのっきおは、そのまま、いつまでもいつまでも)

お墓の前に身を投げ出したピノッキオは、そのまま、いつまでもいつまでも

(こえをあげてなきつづけました。)

声を上げて泣き続けました。

(やがて、よるがしらじらとあけてきました。)

やがて、夜がしらじらと明けてきました。

(なきつかれたぴのっきおは、じめんのうえにつっぷして)

泣き疲れたピノッキオは、地面の上に突っ伏して

(ときどきおもいだしたように、しゃくりあげていました。)

時々思い出したように、しゃくりあげていました。

(そのとき、おおきないちわのはとが、ばたばたとぴのっきおのそばへまいおりてきました)

その時、大きな一羽の鳩が、バタバタとピノッキオのそばへ舞い降りてきました

など

(「もしもし、ちょっとうかがいますが、ぴのっきおというこどもさんを)

「もしもし、ちょっと伺いますが、ピノッキオという子供さんを

(ごぞんじありませんか」「ぴのっきおなら、ぼくだけど」)

ご存じありませんか」「ピノッキオなら、僕だけど」

(「そうでしたか。じつはきのうのあさ、ここからだいぶはなれたかいがんで)

「そうでしたか。実は昨日の朝、ここからだいぶ離れた海岸で

(じぇぺっとじいさんにあいましてね」「えっ、おじいさんにあったって?」)

ジェペット爺さんに会いましてね」「えっ、お爺さんに会ったって?」

(「ええ、ちょうどふねにのりこむしたくをしているところでした。)

「ええ、ちょうど船に乗り込む支度をしているところでした。

(あなたをさがしに、とおくのくにまでいくんだとかいってね。)

あなたを探しに、遠くの国まで行くんだとか言ってね。

(できたらおまえも、ぴのっきおのゆくえをさがしてもらいたいとたのまれたものですから)

できたらお前も、ピノッキオの行方を捜してもらいたいと頼まれたものですから

(ここへもどってきていないかどうか、たしかめにきたんですよ」)

ここへ戻ってきていないかどうか、確かめに来たんですよ」

(「そうだったのか。でも、とおくのかいがんとなると、)

「そうだったのか。でも、遠くの海岸となると、

(いまからおいかけても、まにあわないかもしれないなあ」)

今から追いかけても、間に合わないかもしれないなあ」

(「それならしんぱいはいりません。あなたをせなかにのせて、)

「それなら心配はいりません。あなたを背中に乗せて、

(かいがんまでつれていってあげますから。なあに、あなたひとりくらい)

海岸まで連れて行ってあげますから。なあに、あなた一人くらい

(せなかにのせたってへいきです。さあさあ、えんりょなどしないではやくおのりなさい」)

背中に乗せたって平気です。さあさあ、遠慮などしないで早くお乗りなさい」

(ぴのっきおをせなかにのせると、はとはそらへむかって)

ピノッキオを背中に乗せると、鳩は空へ向かって

(まっすぐにまいあがりました。)

まっすぐに舞い上がりました。

(「ひゃあ」ぴのっきおはあわててはとのくびにしがみつくと、)

「ひゃあ」ピノッキオは慌てて鳩の首にしがみつくと、

(ぎゅっとめをつぶりました。)

ぎゅっと目をつぶりました。

(「そうそう、そのちょうしでしっかりつかまっていてくださいよ。)

「そうそう、その調子でしっかりつかまっていてくださいよ。

(もしもおちたりしたら、たちまちこなみじんになってしまいますからね」)

もしも落ちたりしたら、たちまち粉みじんになってしまいますからね」

(「もう、そんなたかいところまでのぼったのかい?」)

「もう、そんな高いところまでのぼったのかい?」

(「ふふ、したをみるのがこわいんですか?」)

「ふふ、下を見るのが怖いんですか?」

(「べつにこわくはないけどさ」)

「べつに怖くはないけどさ」

(おそるおそるめをあけてみると、ずっとずっとしたのほうに)

おそるおそる目を開けてみると、ずっとずっと下の方に

(いえのやねやまちのとおりがみえました。)

家の屋根や町の通りが見えました。

(とおりをあるいているひとたちなどは、まるでまめつぶのよう。)

通りを歩いている人たちなどは、まるで豆粒のよう。

(みんなめをまるくして、こどもをせなかにのせてそらをとびすぎるおおばとのほうを)

みんな目を丸くして、子供を背中に乗せて空を飛び過ぎる大鳩のほうを

(ぽかんとみあげているところかもしれません。)

ぽかんと見上げているところかもしれません。

(でも、そんなことをたしかめるひまもなく、やねもはたけももりも)

でも、そんなことを確かめるひまもなく、屋根も畑も森も

(うしろへうしろへと、とびさっていきます。)

後ろへ後ろへと、飛び去って行きます。

(「ねえ、はとくん。このぶんなら、おじいさんがふねででかけるまえに)

「ねえ、鳩くん。このぶんなら、お爺さんが船で出かける前に

(かいがんへつけそうだね」 「ええ、あしたのおひるまえにはつくでしょう」)

海岸へ着けそうだね」 「ええ、明日のお昼前には着くでしょう」

(「すてき、すてき。うれしいなあ」)

「素敵、素敵。うれしいなあ」

(ぴのっきおがそらをとんで、あとをおいかけてきたとしったら)

ピノッキオが空を飛んで、後を追いかけてきたと知ったら

(じぇぺっとじいさんは、どんなにびっくりすることでしょう。)

ジェペット爺さんは、どんなにびっくりすることでしょう。

(そうおもうと、うれしくてうれしくてひとりでにわらいがこみあげてきます。)

そう思うと、嬉しくて嬉しくてひとりでに笑いがこみ上げてきます。

(いまではもう、たかいところをとんでいることもすこしもこわくはありません。)

今ではもう、高いところを飛んでいることも少しも怖くはありません。

(めのしたにひろがっているけしきをながめたり、)

目の下に広がっている景色を眺めたり、

(ふきつけてくるかぜをかおいっぱいにうけたり、このときばかりは)

吹き付けてくる風を顔いっぱいに受けたり、この時ばかりは

(せんにょにしなれてしまったかなしさもわすれて、)

仙女に死なれてしまった悲しさも忘れて、

(ぴのっきおはそらのたびをこころゆくまでたのしみました。)

ピノッキオは空の旅を心ゆくまで楽しみました。

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