ピノッキオの冒険 23

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数1難易度(4.3) 2773打 長文
原作 コッローディ

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問題文

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(まよなかごろ、ぴのっきおはふとめをさましました。)

真夜中ごろ、ピノッキオはふと目を覚ましました。

(どこかでひそひそとはなしごえがするのです。)

どこかでひそひそと話し声がするのです。

(こっそりとのぞいてみると、いぬごやのちかくでいたちたちがよんひき、)

こっそりと覗いてみると、犬小屋の近くでイタチたちが四匹、

(かおをつきあわせて、なにかをこそこそとそうだんしているところでした。)

顔を突き合わせて、何かをこそこそと相談しているところでした。

(そのなかのいっぴきが、いぬごやのそばへやってきました。)

その中の一匹が、犬小屋のそばへやってきました。

(「こんばんは、めらんぽちゃん」)

「こんばんは、メランポちゃん」

(「ぼく、めらんぽじゃなくて、ぴのっきおっていうんです。)

「僕、メランポじゃなくて、ピノッキオっていうんです。

(めらんぽはしんでしまったらしいですよ」)

メランポは死んでしまったらしいですよ」

(「まあ、かわいそう。きのいいいぬだったのにねえ。)

「まあ、かわいそう。気のいい犬だったのにねえ。

(わたしたち、めらんぽちゃんととりきめがしてあったのよ。)

私たち、メランポちゃんと取り決めがしてあったのよ。

(ねえ、ぴのちゃん、あなたもわたしたちととりきめをしない?」)

ねえ、ピノちゃん、あなたも私たちと取り決めをしない?」

(「なんですか、とりきめって?」)

「なんですか、取り決めって?」

(「わたしたち、いっしゅうかんにいちどずつ、このとりごやへやってきて)

「私たち、一週間に一度ずつ、この鶏小屋へやってきて

(にわとりをきゅうわずつもらっていくことにしていたの。)

鶏を九羽ずつもらっていくことにしていたの。

(めらんぽちゃんとおなじように、あなたにもそのうちいちわをあげることにするわ。)

メランポちゃんと同じように、あなたにもそのうち一羽をあげることにするわ。

(そのかわり、このことをおひゃくしょうにつげぐちしてはだめよ。いかが?」)

その代わり、このことをお百姓に告げ口してはだめよ。いかが?」

(ぴのっきおはおどろきましたが、ちょっとかんがえてからうなずきました。)

ピノッキオは驚きましたが、ちょっと考えてからうなずきました。

(「いいでしょう。にわとりはすきなだけおもちなさい。)

「いいでしょう。鶏は好きなだけお持ちなさい。

(ぼくがここでみはっていてあげますから」)

僕がここで見張っていてあげますから」

(「まあ、よかった。あなたってめらんぽちゃんよりも、)

「まあ、よかった。あなたってメランポちゃんよりも、

など

(ずっとずっとえらいいぬだわ。それじゃ、なにかあったらすぐにしらせてちょうだいね」)

ずっとずっと偉い犬だわ。それじゃ、何かあったらすぐに知らせて頂戴ね」

(いたちたちは、よろこんでつぎつぎにとりごやのなかへはいっていきました。)

イタチたちは、喜んで次々に鶏小屋の中へ入って行きました。

(ところがはいりきるかきらないうちに、こやのとがばたりとしまってしまいました)

ところが入りきるかきらないうちに、小屋の戸がバタリと閉まってしまいました

(とをしめたのは、ぴのっきおでした。)

戸を閉めたのは、ピノッキオでした。

(いたちたちはおどろいて、がやがやとさわぎはじめました。)

イタチたちは驚いて、がやがやと騒ぎ始めました。

(「ぴのちゃん、ぴのちゃん。あなたなにをしているのよ。)

「ピノちゃん、ピノちゃん。あなた何をしているのよ。

(とをしめたりしたら、だめじゃないの」)

戸を閉めたりしたら、だめじゃないの」

(「そうよ、そうよ。あけといてちょうだいよ」)

「そうよ、そうよ。開けといて頂戴よ」

(それにはへんじをせずに、ぴのっきおはいしをおしつけてとがあかないようにすると)

それには返事をせずに、ピノッキオは石を押し付けて戸が開かないようにすると

(ありったけのこえで、わんわん、きゃんきゃんとほえはじめました。)

ありったけの声で、ワンワン、キャンキャンと吠え始めました。

(すぐにいえのなかからおひゃくしょうがとびだしてきました。)

すぐに家の中からお百姓が飛び出してきました。

(「なんだ、なんだ、なにごとだ」)

「なんだ、なんだ、何事だ」

(「いたちです、いたちです。ほらとりごやのなか」)

「イタチです、イタチです。ほら鶏小屋の中」

(おひゃくしょうはとびあがるほどよろこびました。)

お百姓は飛び上がるほど喜びました。

(「とうとう、つかまったな。このにわとりどろぼうめ。)

「とうとう、捕まったな。この鶏泥棒め。

(おもいきりこらしめてやるから、そうおもえ。といいたいところだが)

思いきり懲らしめてやるから、そう思え。と言いたいところだが

(わしはひどいことをするのがだいきらいだ。あしたのあさ、おまえたちのかわをはいで)

わしはひどいことをするのが大嫌いだ。明日の朝、おまえたちの皮をはいで

(そいつをまちへうりにいくだけでかんべんしてやる。おとなしくこのなかへはいってろ」)

そいつを町へ売りに行くだけで勘弁してやる。大人しくこの中へ入ってろ」

(おひゃくしょうは、いたちをよんひきともふくろのなかへおしこむと)

お百姓は、イタチを四匹とも袋の中へ押し込むと

(きげんよくぴのっきおにこえをかけました。)

機嫌よくピノッキオに声を掛けました。

(「でかしたぞ、ちびすけ。それにしても、よくあのずるがしこいいたちどもを)

「でかしたぞ、ちびすけ。それにしても、よくあのずる賢いイタチどもを

(つかまえることができたなあ。しんだめらんぽでさえ、てこずっていたものだ。)

つかまえることができたなあ。死んだメランポでさえ、手こずっていたものだ。

(あいつはほんとうにかしこくて、みはりのうまい、いいいぬだったのに」)

あいつは本当に賢くて、見張りのうまい、いい犬だったのに」

(でもぴのっきおは、めらんぽといたちたちとのとりきめのことはくちにださずに)

でもピノッキオは、メランポとイタチたちとの取り決めのことは口に出さずに

(ただ、こういっただけでした。)

ただ、こう言っただけでした。

(「なあに、めをさましてみたら、とりごやにいたちがしのびこんでいるのが)

「なあに、目を覚ましてみたら、鶏小屋にイタチが忍び込んでいるのが

(みえたのです。ぼくがやったのは、とをしめて)

見えたのです。僕がやったのは、戸を閉めて

(いたちをなかにとじこめたことだけですよ」)

イタチを中に閉じ込めたことだけですよ」

(「そうか、そうか。それにしてもほんとによくやった。)

「そうか、そうか。それにしてもほんとによくやった。

(ほうびになにかたべさせてやろう」)

褒美に何か食べさせてやろう」

(おひゃくしょうは、くびわをはずしてぴのっきおをいえのなかにいれると)

お百姓は、首輪をはずしてピノッキオを家の中に入れると

(たべのこしのぱんと、すーぷをだしてくれました。)

食べ残しのパンと、スープを出してくれました。

(「なあ、ちびっこ。おまえ、このままずっといぬのくらしをつづけたらどうだ。)

「なあ、ちびっこ。お前、このままずっと犬の暮らしを続けたらどうだ。

(もっといいくびわもかってやるし、おいしいごはんもたべさせよう」)

もっといい首輪も買ってやるし、おいしいごはんも食べさせよう」

(「ごめんですね、そんなこと。もうにどといぬのまねなんかするもんか」)

「ごめんですね、そんなこと。もう二度と犬の真似なんかするもんか」

(ぴのっきおはそとへとびだして、いたちがとじこめられているふくろのひもを)

ピノッキオは外へ飛び出して、イタチが閉じ込められている袋のひもを

(ほどいてやると、そのままあともみずににげだしました。)

ほどいてやると、そのまま後も見ずに逃げ出しました。

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