オントロジー

(ゆうだちぐもにおいていかれたぼくたちは)

夕立雲に　置いていかれた僕たちは

(ちがうかさのしたあすをながめている)

違う傘の下　明日を眺めている

(いいたいこともつたえられないまま)

言いたいことも　伝えられないまま

(ずっとかんがえているこれからのことを)

ずっと考えている　これからのことを

(しみついたこうかいも)

染み付いた　後悔も

(しっぱいもふかいかんも)

失敗も　不快感も

(しのつくあめのなかながしだされて)

篠突く雨の中　流し出されて

(ぐうぜんにのこっている)

偶然に　残っている

(とまどいのしょうたいを)

戸惑いの　正体を

(ぼくはなきながらたしかめてみる)

僕は泣きながら　確かめてみる

(まちがえながらきょうもあるきだす)

間違えながら　今日も歩き出す

(あぁおいかけつづけたぼくたちのばしょは)

あぁ　追いかけ続けた　僕たちの場所は

(あぁみつけられないままふたしかになる)

あぁ　見つけられないまま　不確かになる

(あぁくもまにかくれたみらいのしょうこが)

あぁ　雲間に隠れた　未来の証拠が

(あぁきみのよぶこえでほんものになる)

あぁ　君の呼ぶ声で　本物になる

(めをあけてこえがしてぼくはかおをあげて)

目を開けて　声がして　僕は顔をあげて

(あめのなかかけていくきのうよりもっととおくへ)

雨の中　駆けていく　昨日よりもっと遠くへ

(おちていくみちていくなみだのみずたまりに)

落ちていく　満ちていく　涙の水溜まりに

(こげるようなさめるような)

焦げるような　覚める様な

(そらのいろがういていた)

空の色が　浮いていた

(ほんとうのことをごまかしたまいにちに)

本当のことを　誤魔化した毎日に

(おくびょうがさをさしてずっとうつむいている)

臆病傘をさして　ずっと俯いている

(きえないあとがいっそうにふえていく)

消えない跡が　一層に増えていく

(きみにあうひまできっとだいじにするよ)

君に会う日まで　きっと大事にするよ

(いったいなんどこうかいを)

一体何度　後悔を

(あじわってきたんだろう)

味わってきたんだろう

(あめにまけながら)

雨に負けながら

(かぜにまけながら)

風に負けながら

(それでもあるいている)

それでも歩いている

(けんめいにあがいている)

懸命に足掻いている

(きみのうたうこえがずっときこえている)

君の歌う声が　ずっと聴こえている

(あぁあきらめそこねたちいさなきざしが)

あぁ　諦め損ねた　小さな兆しが

(あぁとくべつじゃないままむねにもえてる)

あぁ　特別じゃないまま　胸に燃えてる

(あぁまぼろしのようだったきょうのゆくえが)

あぁ　幻のようだった　今日の行方が

(あぁきみのよぶこえではっきりとみえる)

あぁ　君の呼ぶ声で　はっきりと見える

(それはきれいで)

それは綺麗で

(にぎやかしくて)

賑やかしくて

(ゆめにみたような)

夢に見たような

(そんなみらいさ)

そんな未来さ

(ゆうだちぐもにおいていかれたぼくたちは)

夕立雲に　置いて行かれた僕たちは

(きみにいえなかったことをずっとおぼえている)

君に言えなかったことを　ずっと覚えている

(きみもおそらくあるきつづけているだろう)

君もおそらく　歩き続けているだろう

(おなじそらをめざしたまま)

同じ空を　目指したまま

(あぁおいかけつづけたぼくたちのばしょは)

あぁ　追いかけ続けた　僕たちの場所は

(あぁみつけられないままふたしかになる)

あぁ　見つけられないまま　不確かになる

(あぁくもまにかくれたみらいのしょうこが)

あぁ　雲間に隠れた　未来の証拠が

(あぁきみのよぶこえでほんものになる)

あぁ　君の呼ぶ声で　本物になる

(めをあけてこえあげてぼくはきみをみつけて)

目を開けて　声あげて　僕は君をみつけて

(あめのなかてをとってそらのむこうをゆびさす)

雨の中　手を取って　空の向こうを指差す

(おちていたかさのなかなみだのみずたまりが)

落ちていた　傘の中　涙の水溜まりが

(しろいくもをうつしている)

白い雲を　映している

(あめがすこしあがりだした)

雨が　少し上がりだした

(ぼくたちがめざしていく)

僕たちが　目指していく

(あおいそらがうかんでいた)

青い空が　浮かんでいた

(ゆうだちぐもにおいついたぼくたちは)

夕立雲に　追いついた僕たちは

(またであうひまでずっとおぼえていよう)

また出会う日まで　ずっと覚えていよう

(ふりかえらずにあるきつづけていく)

振り返らずに　歩き続けていく

(おなじかさをひらいたまま)

同じ傘を　開いたまま