ピノッキオの冒険 1

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数22難易度(4.7) 3211打 長文
原作 コッローディ
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 りく 5959 A+ 6.0 97.8% 535.8 3265 72 68 2025/05/28

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問題文

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(むかしむかし、あるところに、1ぽんのぼうっきれがありました。)

むかしむかし、あるところに、1本の棒っ切れがありました。

(それは、こまかくわって、たきぎにでもするよりほかには)

それは、細かく割って、たきぎにでもするよりほかには

(つかいみちのなさそうな、ごくふつうのぼうっきれでした。)

使い道のなさそうな、ごく普通の棒っ切れでした。

(じっさい、ぼうっきれはずいぶんまえから、まきごやのすみっこのところに)

実際、棒っ切れはずいぶん前から、薪小屋のすみっこのところに

(ころんところがっていたのです。)

ころんと転がっていたのです。

(そのままずっと、まきごやのすみっこにころがっていたとしたら)

そのままずっと、薪小屋のすみっこに転がっていたとしたら

(ぼうっきれは、まちがいなくすとーぶかだんろのなかにほうりこまれて)

棒っ切れは、間違いなくストーブか暖炉の中に放り込まれて

(ぼうぼうと、もやされてしまったにちがいありません。)

ぼうぼうと、燃やされてしまったに違いありません。

(でも、そうはなりませんでした。)

でも、そうはなりませんでした。

(どうして、そういうことになったのかは、わかりませんが)

どうして、そういうことになったのかは、わかりませんが

(とにかく、あるひ、ぼうっきれは、まちのだいくさんのしごとばにすがたをあらわして)

とにかく、ある日、棒っ切れは、町の大工さんの仕事場に姿をあらわして

(しごとにつかうてーぶるのはしっこのところに、ちょこんともたれかかっていたのです。)

仕事に使うテーブルの端っこの所に、ちょこんともたれかかっていたのです。

(だいくさんは、もうずいぶんのとしでしたが、たいへんなげんきもので)

大工さんは、もうずいぶんの年でしたが、大変な元気者で

(まちのみんなからは、さくらんぼおやかたとよばれていました。)

町のみんなからは、サクランボ親方と呼ばれていました。

(おさけがすきなせいか、はなのさきがさくらんぼとおなじようなあかいいろをしていて)

お酒が好きなせいか、鼻の先がさくらんぼと同じような赤い色をしていて

(てかてかとひかっていたからです。)

てかてかと光っていたからです。

(「おや、おや?」)

「おや、おや?」

(そのあさ、いつものように、しごとばへやってきたさくらんぼおやかたは、)

その朝、いつものように、仕事場へやってきたサクランボ親方は、

(みたことのないぼうっきれが、てーぶるにもたれかかっているのにきがついて)

見たことのない棒っ切れが、テーブルにもたれかかっているのに気がついて

(ちょっとおどろきました。)

ちょっと驚きました。

など

(でも、てにとってしらべているうちに、)

でも、手に取って調べているうちに、

(さくらんぼおやかたは、そのぼうっきれがすっかりきにいってしまって)

サクランボ親方は、その棒っ切れがすっかり気に入ってしまって

(にこにことしはじめました。)

にこにことし始めました。

(「ふうむ、これは、おあつらえむきのものがてにはいったぞ。)

「ふうむ、これは、おあつらえ向きの物が手に入ったぞ。

(ちょうど、てーぶるのちいさいのをつくろうとおもっていたところだ。)

ちょうど、テーブルの小さいのを作ろうと思っていたところだ。

(こいつを、てーぶるのあしにつかってやるとしよう」)

こいつを、テーブルの足に使ってやるとしよう」

(さくらんぼおやかたは、さっそく、ぴかぴかにとぎあげたおのをてにすると)

サクランボ親方は、さっそく、ぴかぴかに研ぎあげた斧を手にすると

(きのかわをはぎとるしごとにとりかかりました。)

木の皮をはぎ取る仕事に取り掛かりました。

(ところが、さくらんぼおやかたのては、ふいにぴたりと、とまってしまいました。)

ところが、サクランボ親方の手は、ふいにぴたりと、止まってしまいました。

(おのをふりおろそうとしたら、どこかから、ちいさなこえがきこえてきたのです。)

斧を振り下ろそうとしたら、どこかから、小さな声が聞こえてきたのです。

(「おやかた、おやかた、あんまりつよくぶたないでね」)

「親方、親方、あんまり強くぶたないでね」

(「おやっ!」さくらんぼおやかたはびっくりして、あたりをみまわしました。)

「おやっ!」サクランボ親方はびっくりして、辺りを見回しました。

(でも、へやのなかにはだれのすがたもみえません。)

でも、部屋の中には誰の姿も見えません。

(「だれかかくれているのかな」)

「誰か隠れているのかな」

(さくらんぼおやかたは、ためしにしごとだいのしたをのぞいてみました。)

サクランボ親方は、試しに仕事台の下を覗いてみました。

(とだなのなかもしらべてみましたし、くずかごのなかもかきまわしてみました。)

戸棚の中も調べてみましたし、くずかごの中もかきまわしてみました。

(さいごには、とうとうどあをあけて、そとをのぞいてみたりもしましたが)

最後には、とうとうドアを開けて、外を覗いてみたりもしましたが

(そこにもやはり、ひとのすがたはひとりもみえませんでした。)

そこにもやはり、人の姿はひとりも見えませんでした。

(「なあんだ、ばかばかしい。さっきのこえは、わしのそらみみにちがいないわい。)

「なあんだ、ばかばかしい。さっきの声は、わしの空耳に違いないわい。

(さあ、そんなことより、しごとだ、しごとだ」)

さあ、そんなことより、仕事だ、仕事だ」

(きをとりなおしたさくらんぼおやかたは、)

気を取り直したサクランボ親方は、

(ぼうっきれにむかって、ちからいっぱいおのをふりおろしました。)

棒っ切れに向かって、力いっぱい斧を振り下ろしました。

(そのとたん「あっ、いたい。だめだよ、そんなにつよくぶったりしちゃあ」)

そのとたん「あっ、痛い。だめだよ、そんなに強くぶったりしちゃあ」

(さくらんぼおやかたは、くちをぽかんとあけて、)

サクランボ親方は、口をぽかんと開けて、

(めのまえのぼうっきれを、まじまじとみつめました。)

目の前の棒っ切れを、まじまじと見つめました。

(おやかたには、ぼうっきれがくちをきいたとしか、おもえなかったのです。)

親方には、棒っ切れが口をきいたとしか、思えなかったのです。

(「ばかな。ぼうっきれがくちをきいたりしてたまるものか。)

「馬鹿な。棒っ切れが口をきいたりしてたまるものか。

(でも、ひょっとしたら・・・」)

でも、ひょっとしたら・・・」

(さくらんぼおやかたは、おそるおそるぼうっきれをもちあげ)

サクランボ親方は、おそるおそる棒っ切れを持ち上げ

(ごつんとゆかにたたきつけると、じっとみみをすましました。)

ゴツンと床にたたきつけると、じっと耳を澄ましました。

(にふんたち、さんぷんたちましたが、)

二分たち、三分たちましたが、

(ぼうっきれからは、なんのこえもきこえてきませんでした。)

棒っ切れからは、何の声も聞こえてきませんでした。

(「そうか、やっぱりあれは、ただのそらみみだったんだ。)

「そうか、やっぱりあれは、ただの空耳だったんだ。

(ぼうっきれが、くちをきいたりするはずはないからな。)

棒っ切れが、口をきいたりするはずはないからな。

(へん、きけるものならきいてみろってんだ。 さあ、しごと、しごと」)

へん、きけるものならきいてみろってんだ。 さあ、仕事、仕事」

(でも、ほんとうをいえば、おやかたはおっかなびっくりで)

でも、本当を言えば、親方はおっかなびっくりで

(にどと、おのをつかうきにはなれませんでした。)

二度と、斧を使う気にはなれませんでした。

(そこで、さくらんぼおやかたは、かわりにかんなをてにすると)

そこで、サクランボ親方は、かわりにかんなを手にすると

(へいきなふりをするために、わざとはなうたをうたったりしながら)

平気なふりをするために、わざと鼻歌をうたったりしながら

(いせいよくぼうっきれをけずりはじめました。)

威勢よく棒っ切れを削り始めました。

(そのとたん、ぼうっきれがからだをことこととふるわせたかとおもうと)

そのとたん、棒っ切れが体をコトコトと震わせたかと思うと

(くすくすとわらいだしました。)

くすくすと笑いだしました。

(「やめてよ、やめてよ。くすぐったくて、たまらないや」)

「やめてよ、やめてよ。くすぐったくて、たまらないや」

(「はあっ!」)

「はあっ!」

(さくらんぼおやかたは、おもわずかんなをおとすと)

サクランボ親方は、思わずかんなを落とすと

(ごじまんのあかいはなをまっさおにして、へたへたとしりもちをついてしまいました。)

ご自慢の赤い鼻を真っ青にして、へたへたと尻もちをついてしまいました。

(しばらくして、やっとわれにかえったおやかたは)

しばらくして、やっと我に返った親方は

(だれかがしきりに、どあをたたいていることにきがつきました。)

誰かがしきりに、ドアをたたいていることに気がつきました。

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