ピノッキオの冒険 13

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数3難易度(4.6) 3729打 長文
原作 コッローディ

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問題文

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(さんにんは、おおはりきりであるきはじめました。)

三人は、おおはりきりで歩き始めました。

(きがついてみると、きつねはいつのまにかあしをひきずるのをやめてしまっていました)

気がついてみると、狐はいつの間にか足を引きずるのをやめてしまっていました

(ねこのほうも、わるいはずのめをぱっちりとひらいてあるきながら)

猫の方も、悪いはずの目をぱっちりと開いて歩きながら

(しきりに、あたりのけしきをながめています。)

しきりに、あたりの景色を眺めています。

(ぴのっきおは、おどろいてたずねました。)

ピノッキオは、驚いて尋ねました。

(「きつねくんもねこくんも、いつのまにめやあしがよくなったんだい?」)

「狐くんも猫くんも、いつのまに目や足がよくなったんだい?」

(「よくなったわけではありません。)

「よくなったわけではありません。

(でも、ぴのっきおさんをごあんないするのですから、)

でも、ピノッキオさんをご案内するのですから、

(あしがわるいとかめがわるいとか、そんなことはいってられませんからね」)

足が悪いとか目が悪いとか、そんなことは言ってられませんからね」

(「そうです。そんなことはいってられません」)

「そうです。そんなことは言ってられません」

(ねこがあいづちをうちました。)

猫が相槌をうちました。

(ぴのっきおは、すっかりかんげきしました。)

ピノッキオは、すっかり感激しました。

(「きみたちは、なんてしんせつなんだろう。)

「君たちは、なんて親切なんだろう。

(きんかがふえたら、きみたちにもたくさんおれいをあげるからね」)

金貨が増えたら、君たちにもたくさんお礼をあげるからね」

(「ぼくたちは、おれいがほしくてあんないをしているんではありませんよ。)

「僕たちは、お礼が欲しくて案内をしているんではありませんよ。

(おれいだなんて、しっけいな」)

お礼だなんて、失敬な」

(「そうです。おれいなんかはいりません。しっけいな」)

「そうです。お礼なんかはいりません。失敬な」

(ねこがまたあいづちをうちました。)

猫がまた相槌をうちました。

(やがてひがしずんで、あたりがくらくなってきました。)

やがて日が沈んで、辺りが暗くなってきました。

(「あっ、やどやがあったぞ」)

「あっ、宿屋があったぞ」

など

(きつねがうれしそうにさけびました。)

狐が嬉しそうに叫びました。

(「ここでしばらく、やすんでいきましょう。)

「ここでしばらく、休んでいきましょう。

(よなかにしゅっぱつすれば、あしたのあさには、ふしぎがはらへつけますから」)

夜中に出発すれば、明日の朝には、不思議ヶ原へ着けますから」

(やどやにはいると、ねこときつねは、すぐにたべものやらのみものやらを)

宿屋に入ると、猫と狐は、すぐに食べ物やら飲み物やらを

(やまほどもってこさせました。)

山ほど持ってこさせました。

(ねこは、あいにく、おなかをひどくこわしているところだといって)

猫は、あいにく、お腹をひどく壊しているところだと言って

(おおきなさかなをたったの35ひきしかたべませんでしたし、)

大きな魚をたったの35匹しか食べませんでしたし、

(みるくも、おおきめのこっぷで、ほんの20ぱいほどのんだだけでした。)

ミルクも、大きめのコップで、ほんの20杯ほど飲んだだけでした。

(きつねも、「ぼくも、あいにく、なんにもたべてはいけないと)

狐も、「僕も、あいにく、何にも食べてはいけないと

(おいしゃさんから、きつくいいつけられているところだから」)

お医者さんから、きつく言いつけられているところだから」

(といって、やいたうさぎを1ぴきと、まるあげにしたにわとりを3わ)

と言って、焼いたうさぎを1匹と、丸揚げにした鶏を3羽

(ぺろりとのみこむと、そのあとのくちなおしとしてしちゅーをおおきなどんぶりに8はいと)

ぺろりと飲み込むと、その後の口直しとしてシチューを大きなどんぶりに8杯と

(だちょうのたまごのゆでたのを5つほど、もりもりとたいらげただけでした。)

だちょうの卵のゆでたのを5つほど、もりもりと平らげただけでした。

(ぴのっきおは、たべものにはてもふれずに、ひとりでずっとかんがえこんでいました。)

ピノッキオは、食べ物には手も触れずに、一人でずっと考え込んでいました。

(きんかがふえるとおもうと、うれしくておなかのことなどは)

金貨が増えると思うと、嬉しくてお腹のことなどは

(すっかりわすれてしまったのです。)

すっかり忘れてしまったのです。

(しょくじがおわると、きつねはやどやのしゅじんにいいつけました。)

食事が終わると、狐は宿屋の主人にいいつけました。

(「きみ、きみ、へやをふたつよういしてくれたまえ。)

「君、君、部屋を二つ用意してくれたまえ。

(ひとつは、ぴのっきおさんので、もうひとつはぼくたちのだ。)

一つは、ピノッキオさんので、もう一つは僕たちのだ。

(ひとねむりしたら、すぐにまたでかけるから、よろしくたのむよ」)

ひと眠りしたら、すぐにまた出かけるから、よろしく頼むよ」

(「へいへい、しょうちしました」)

「へいへい、承知しました」

(しゅじんはうなずくと、きつねとねこにちょっとめくばせをしてみせました。)

主人はうなずくと、狐と猫にちょっと目配せをしてみせました。

(へとへとにつかれていたぴのっきおは、よこになるとすぐにねむりこんで)

へとへとに疲れていたピノッキオは、横になるとすぐに眠り込んで

(ゆめをみはじめました。)

夢を見始めました。

(のはらのまんなかに、みあげるようにおおきなきがたっています。)

野原の真ん中に、見上げるように大きな木が立っています。

(えだには、ぴかぴかのきんかがいくつもいくつもぶらさがって)

枝には、ぴかぴかの金貨がいくつもいくつもぶら下がって

(ちりんちりんとすずしいおとをたてています。)

チリンチリンと涼しい音を立てています。

(ぴのっきおは、てをのばしてきんかをもぎとろうとしました。)

ピノッキオは、手を伸ばして金貨をもぎ取ろうとしました。

(ところが、もうすこしできんかにてがとどきそうになったとき、)

ところが、もう少しで金貨に手が届きそうになった時、

(やどやのしゅじんがへやへはいってきて、ぴのっきおをゆりおこしました。)

宿屋の主人が部屋へ入ってきて、ピノッキオを揺り起こしました。

(「おきゃくさん、そろそろまよなかですぜ。)

「お客さん、そろそろ真夜中ですぜ。

(おつれのねこさんときつねさんは、とっくにおたちになりましたよ」)

お連れの猫さんと狐さんは、とっくにおたちになりましたよ」

(「えっ、もうでかけてしまったって?」)

「えっ、もう出かけてしまったって?」

(「なんでも、きゅうなようじができたとかでね。)

「なんでも、急な用事ができたとかでね。

(あしたのあさ、ふしぎがはらでまっているとかいってましたっけ」)

明日の朝、不思議ヶ原で待っているとか言ってましたっけ」

(「そうか。それならぼくもすぐにでかけよう。)

「そうか。それなら僕もすぐに出かけよう。

(でも、こまったな。ぼく、ふしぎがはらへいくみちをしらないんだ」)

でも、困ったな。僕、不思議ヶ原へ行く道を知らないんだ」

(「なあに、かんたんでさあ。さきほどきたみちをどこまでもまっすぐにいけばいいんです)

「なあに、簡単でさあ。先ほど来た道をどこまでもまっすぐに行けばいいんです

(おっと、ちょっとまってくださいな」)

おっと、ちょっと待ってくださいな」

(やどやのしゅじんは、ぴのっきおをひきとめました。)

宿屋の主人は、ピノッキオを引き留めました。

(「かんじょうをわすれてもらったらこまりますぜ。)

「勘定を忘れてもらったら困りますぜ。

(きんかをいちまい、おいていっていただきましょう」)

金貨を一枚、置いて行っていただきましょう」

(「えっ、きんかをいちまい?たかいなあ」)

「えっ、金貨を一枚?高いなあ」

(「ごじょうだんをいってはいけません。やまのようなごちそうを、のんだりくったり。)

「ご冗談を言ってはいけません。山のようなごちそうを、飲んだり食ったり。

(おまけに、ねこさんときつねさんは、おみやげを5にんまえずつもっていかれましたからね」)

おまけに、猫さんと狐さんは、お土産を5人前ずつ持って行かれましたからね」

(「へえっ、おみやげまでねえ」)

「へえっ、お土産までねえ」

(しかたなしに、ぴのっきおはきんかをわたして、やどやをでると)

仕方なしに、ピノッキオは金貨を渡して、宿屋を出ると

(くらいよみちを、てくてくとあるきだしました。)

暗い夜道を、てくてくと歩き出しました。

(ところが、とちゅうまできたとき、みちのそばにたっているきのえだに)

ところが、途中まで来た時、道のそばに立っている木の枝に

(いきなりちいさなあかりがひとつ、ぽっとともりました。)

いきなり小さな明かりが一つ、ぽっとともりました。

(あかりのなかには、なにかいきものがいるようです。)

明かりの中には、なにか生き物がいるようです。

(「だれだ、そこにいるのは?」)

「だれだ、そこにいるのは?」

(「わたしですよ。あなたにころされたこおろぎです」)

「私ですよ。あなたに殺されたこおろぎです」

(あかりのなかから、かすかなこえがきこえてきました。)

明かりの中から、かすかな声が聞こえてきました。

(「ぴのっきおさん、いますぐいえへひきかえしなさい。)

「ピノッキオさん、今すぐ家へ引き返しなさい。

(きつねのはなしは、ぜんぶでたらめですよ」)

狐の話は、全部でたらめですよ」

(「でたらめでもいいさ。ぼくはいきたいんだから」)

「でたらめでもいいさ。僕は行きたいんだから」

(「でも、ぴのっきおさん」)

「でも、ピノッキオさん」

(「うるさいなあ。もうおせっきょうはたくさんだ」)

「うるさいなあ。もうお説教はたくさんだ」

(「そうですか。それではしかたがありません。)

「そうですか。それでは仕方がありません。

(おいはぎにおかねをぬすまれたりしないよう、きをつけてくださいね」)

追いはぎにお金を盗まれたりしないよう、気をつけてくださいね」

(そのことばがおわるのといっしょに、ふっとあかりがきえて)

その言葉が終わるのと一緒に、ふっと明かりが消えて

(あたりはまた、もとのくらやみにもどりました。)

辺りはまた、元の暗闇に戻りました。

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