ピノッキオの冒険 14

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数2難易度(4.2) 3525打 長文
原作 コッローディ

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問題文

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(「ほんとうに、どうしておとなというものは、)

「本当に、どうして大人というものは、

(こどもにむかっていろんなことを、うるさくいいたがるんだろう」)

子供に向かっていろんなことを、うるさく言いたがるんだろう」

(ぴのっきおは、ぶつぶつといいながら、またよみちをあるきだしました。)

ピノッキオは、ぶつぶつと言いながら、また夜道を歩きだしました。

(「うちのおじいさんは、むろんやさしいひとにはちがいないさ。)

「うちのお爺さんは、むろん優しい人には違いないさ。

(でも、ねんじゅう、ぼくのすることにめをひからせているみたいだものなあ。)

でも、年中、僕のすることに目を光らせているみたいだものなあ。

(おまけに、こおろぎのやつまでが、おせっきょうをはじめるしまつだ。)

おまけに、こおろぎの奴までが、お説教を始める始末だ。

(なんだって?おいはぎにきをつけろだって?へん」)

なんだって?追いはぎに気をつけろだって?へん」

(ぴのっきおは、はなをならしました。)

ピノッキオは、鼻をならしました。

(「そんなにかんたんにおいはぎがでたりしてたまるものか。)

「そんなに簡単に追いはぎが出たりしてたまるものか。

(ふん、でるならでてみろ。そんなもん、こわくもなんともないや」)

ふん、出るなら出てみろ。そんなもん、怖くもなんともないや」

(ぴのっきおは、へいきなふりをして、ちょっとうたをうたってみました。)

ピノッキオは、平気なふりをして、ちょっと歌をうたってみました。

(でも、うたがおわると、あたりはいっそうしーんとなり、)

でも、歌が終わると、辺りは一層しーんとなり、

(そらのほしまでが、またたくのをやめてしまったようでした。)

空の星までが、またたくのをやめてしまったようでした。

(「うわあ、なんだかほんとうにこわくなってきたぞ。)

「うわあ、なんだか本当に怖くなってきたぞ。

(なにか、へんなものがでないといいんだけどなあ」)

なにか、へんなものが出ないといいんだけどなあ」

(ぴのっきおは、がたがたとふるえながら、ぬきあしさしあしでみちをすすんでいきました。)

ピノッキオは、がたがたと震えながら、抜き足差し足で道を進んで行きました。

(そのとき、うしろのほうでがさっとこのはのすれあうようなおとがしました。)

その時、後ろの方でガサッと木の葉の擦れ合うような音がしました。

(ふりかえったとたん、ぴのっきおはおもわずとびあがりそうになりました。)

振り返ったとたん、ピノッキオは思わず飛び上がりそうになりました。

(まっくろなふくろをあたまからすっぽりとかぶった、きみのわるいかげがふたつ)

真っ黒な袋を頭からすっぽりとかぶった、気味の悪い影が二つ

(こちらへむかってかぜのようにはしってくるのです。)

こちらへ向かって風のように走ってくるのです。

など

(「わあ、たいへん。ほんとうにおいはぎがでた」)

「わあ、大変。本当に追いはぎが出た」

(ぴのっきおはあわてて、もっていたきんかをくちのなかへかくすと)

ピノッキオは慌てて、持っていた金貨を口の中へ隠すと

(おおいそぎでにげだそうとしました。)

大急ぎで逃げ出そうとしました。

(でも、ほんのに、さんぽはしったところで、ぴのっきおはとびかかってきた)

でも、ほんの二、三歩走ったところで、ピノッキオは飛びかかってきた

(ふたりのおいはぎに、かたをしっかりとおさえつけられてしまいました。)

二人の追いはぎに、肩をしっかりと押さえつけられてしまいました。

(「かねをだせ。ださんといのちがないぞ」)

「金を出せ。出さんと命がないぞ」

(くちのなかにきんかをいれているために、こえのだせないぴのっきおは、)

口の中に金貨を入れているために、声の出せないピノッキオは、

(あたまをふったり、ぺこぺことおじぎをしたりして)

頭を振ったり、ぺこぺことお辞儀をしたりして

(なんとかおかねをもっていないことを、わからせようとしました。)

なんとかお金を持っていないことを、わからせようとしました。

(「なんだ、なんだ。へんなかっこうばかりしやがって」)

「なんだ、なんだ。変な格好ばかりしやがって」

(おいはぎたちははらをたてたように、)

追いはぎたちは腹を立てたように、

(ぴのっきおのうでを、ぎゅうぎゅうとねじあげました。)

ピノッキオの腕を、ぎゅうぎゅうとねじ上げました。

(「やい、おまえがきんかをもっていることは、ちゃんとわかっているんだぞ。)

「やい、おまえが金貨を持っていることは、ちゃんとわかっているんだぞ。

(さあ、だせといったらださんか」)

さあ、出せと言ったら出さんか」

(ぴのっきおは、あわててまたくびをふりました。)

ピノッキオは、慌ててまた首を振りました。

(そのひょうしに、くちのなかのきんかがちゃりんとおとをたてました。)

その拍子に、口の中の金貨がチャリンと音をたてました。

(「ははあ、こいつめ、きんかをくちのなかにかくしているな」)

「ははあ、こいつめ、金貨を口の中に隠しているな」

(ふたりのおいはぎは、かおをみあわせうなずきあいました。)

二人の追いはぎは、顔を見合わせうなずき合いました。

(「ようし、ださないつもりならしかたがない。)

「ようし、出さないつもりなら仕方がない。

(ひとつ、てをかしてむりにでもはきださせてやるとしよう」)

ひとつ、手を貸して無理にでも吐き出させてやるとしよう」

(おいはぎたちは、どこかから、ぎらぎらとひかるないふをとりだしました。)

追いはぎたちは、どこかから、ぎらぎらと光るナイフを取り出しました。

(ぴのっきおは、ばたばたとあばれだしましたが、)

ピノッキオは、ばたばたと暴れだしましたが、

(ひとりのおいはぎに、うしろからしっかりとだきすくめられてしまいました。)

一人の追いはぎに、後ろからしっかりと抱きすくめられてしまいました。

(もうひとりのおいはぎが、くいしばっているぴのっきおのはをあけさせようと、)

もう一人の追いはぎが、食いしばっているピノッキオの歯を開けさせようと、

(ないふをもったてを、くちのそばへのばしてきました。)

ナイフを持った手を、口のそばへ伸ばしてきました。

(それをみて、ぴのっきおはおどろきました。)

それを見て、ピノッキオは驚きました。

(けのもじゃもじゃしているところといい、)

毛のもじゃもじゃしているところといい、

(まがったつめのはえているところといい、ねこのあしにそっくりなのです。)

曲がった爪の生えているところといい、猫の足にそっくりなのです。

(でも、そんなことをきにしているときではありません。)

でも、そんなことを気にしている時ではありません。

(ぴのっきおは、あいてがゆだんしたすきに、)

ピノッキオは、相手が油断したすきに、

(ないふをもったてに、がぶりとかみつきました。)

ナイフを持った手に、がぶりとかみつきました。

(「きゃっ」おいはぎは、ひめいをあげてとびあがりました。)

「きゃっ」追いはぎは、悲鳴を上げて飛び上がりました。

(ぴのっきおをおさえつけていた、もうひとりのおいはぎも)

ピノッキオを押さえつけていた、もう一人の追いはぎも

(びっくりしててをはなしました。)

びっくりして手を放しました。

(「いまだ!」ぴのっきおはいちもくさんににげだしました。)

「今だ!」ピノッキオは一目散に逃げだしました。

(ぴのっきおはどんどんとにげました。)

ピノッキオはどんどんと逃げました。

(おいはぎたちも、まけずにひゅうひゅうとおいかけてきます。)

追いはぎたちも、負けずにヒュウヒュウと追いかけてきます。

(「ああ、だめだ。もうこれいじょうはしれない。おやっ、あそこにたかいきがあるぞ」)

「ああ、だめだ。もうこれ以上走れない。おやっ、あそこに高い木があるぞ」

(ぴのっきおはむちゅうで、きのうえへよじのぼりました。)

ピノッキオは夢中で、木の上へよじ登りました。

(おいはぎたちも、まねをしようとしましたが、)

追いはぎたちも、真似をしようとしましたが、

(つるつるとすべってうまくいきません。)

つるつると滑ってうまくいきません。

(こまったようにかんがえこんでいたおいはぎたちは、)

困ったように考え込んでいた追いはぎたちは、

(なにをおもったのか、きのねもとにかれえだをやまほどつみあげると)

何を思ったのか、木の根元に枯れ枝を山ほど積み上げると

(しゅっとひをつけました。)

シュッと火をつけました。

(すぐに、いがらっぽいけむりがもくもくと、ぴのっきおのほうへのぼってきました。)

すぐに、いがらっぽい煙がもくもくと、ピノッキオの方へのぼってきました。

(「うわあ、これはたまらん」)

「うわあ、これはたまらん」

(おどろいたぴのっきおは、きのえだからぴょーんととびおりると)

驚いたピノッキオは、木の枝からぴょーんと飛びおりると

(また、もりをぬけのはらをよこぎって、どんどんにげだしました。)

また、森を抜け野原を横切って、どんどん逃げ出しました。

(ところが、しばらくするとぴのっきおは、)

ところが、しばらくするとピノッキオは、

(ひとすじのどぶがわにいきあたってしまいました。)

一筋のどぶ川に行きあたってしまいました。

(うしろをみると、おいはぎたちがすぐそばまで、せまってきています。)

後ろを見ると、追いはぎたちがすぐそばまで、迫ってきています。

(「よーし」 ぴのっきおは、はずみをつけてどうにかむこうぎしへとびうつりました。)

「よーし」 ピノッキオは、弾みをつけてどうにか向こう岸へ飛び移りました。

(ぴのっきおにできることなら、)

ピノッキオにできることなら、

(じぶんたちにもできないはずはないとかんがえたのでしょう。)

自分たちにもできないはずはないと考えたのでしょう。

(おいはぎたちも、つづいてぴょーんとかわをとびこえようとしました。)

追いはぎたちも、続いてぴょーんと川を飛び越えようとしました。

(そのとたん、ぱしゃーんとおおきなみずのおとがしました。)

そのとたん、パシャーンと大きな水の音がしました。

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