ピノッキオの冒険 17

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数4難易度(4.2) 3387打 長文
原作 コッローディ

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問題文

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(「からすさんにふくろうさん、ぴのっきおをたすけてくださって)

「からすさんにふくろうさん、ピノッキオを助けてくださって

(ありがとうございました。こおろぎさんも、ほんとうにありがとう。)

ありがとうございました。こおろぎさんも、本当にありがとう。

(もうしんぱいはないとおもいますから、きょうのところはこれでおひきとりくださいまし)

もう心配はないと思いますから、今日のところはこれでおひきとりくださいまし

(せんにょはさんにんにおれいをいうと、めどーらをよんで)

仙女は三人にお礼を言うと、メドーラを呼んで

(からすたちをいえまでおくりとどけるように、いいつけました。)

からすたちを家まで送り届けるように、言いつけました。

(へやのなかにほかのものがいなくなってしまうと、)

部屋の中に他の者がいなくなってしまうと、

(せんにょはすぐに、ぴのっきおのひたいへ、そっとてをあててみました。)

仙女はすぐに、ピノッキオのひたいへ、そっと手を当ててみました。

(ぴのっきおのひたいは、ねつでもえるようにあつくなっていました。)

ピノッキオのひたいは、熱で燃えるように熱くなっていました。

(「ぴのっきお、あなたくるしくはないの?」)

「ピノッキオ、あなた苦しくはないの?」

(せんにょはぴのっきおのかおをのぞきこみながら、やさしくたずねました。)

仙女はピノッキオの顔を覗き込みながら、優しく尋ねました。

(「いいえ、くるしくなんかありません。)

「いいえ、苦しくなんかありません。

(でもなんだか、めがまわるようなきがするなあ」)

でもなんだか、目が回るような気がするなあ」

(「それはいけないわ。すぐにくすりをのまないと。ちょっとまっていらっしゃい」)

「それはいけないわ。すぐに薬を飲まないと。ちょっと待っていらっしゃ い」

(もういちど、ぴのっきおのひたいにてをあててねつのぐあいをみると)

もう一度、ピノッキオのひたいに手を当てて熱の具合を見ると

(せんにょはいそいでへやをでていきました。)

仙女は急いで部屋を出て行きました。

(どこかちかくのへやで、くすりのしたくをはじめたらしく、なにかをすりつぶしたり)

どこか近くの部屋で、薬の支度を始めたらしく、何かをすりつぶしたり

(まぜあわせたりするようなおとが、こちらのへやまでひびいてきます。)

混ぜ合わせたりするような音が、こちらの部屋まで響いてきます。

(しばらくすると、せんにょはくすりのはいったうつわをもってもどってきました。)

しばらくすると、仙女は薬の入った器を持って戻ってきました。

(「さあ、ぴのっきお。このくすりをおのみ。これをのめばねつもすぐにさがるはずよ」)

「さあ、ピノッキオ。この薬をお飲み。これを飲めば熱もすぐにさがるはずよ」

(「このくすり、にがいんじゃないの?」)

「この薬、苦いんじゃないの?」

など

(ぴのっきおはうつわのなかをのぞきこみながら、ふへいそうなこえでたずねました。)

ピノッキオは器の中を覗き込みながら、不平そうな声で尋ねました。

(「そうね、それほどにがくはないとおもうけれど」)

「そうね、それほど苦くはないと思うけれど」

(「ほんとうかなあ」)

「ほんとうかなあ」

(ぴのっきおは、おそるおそるうつわをくちのそばへもっていきましたが、)

ピノッキオは、おそるおそる器を口のそばへ持って行きましたが、

(たちまち、きゅっとかおをしかめました。)

たちまち、きゅっと顔をしかめました。

(「うわあ、いやなにおい。ぼく、こんなもののめないや」)

「うわあ、嫌なにおい。僕、こんなもの飲めないや」

(「へいき、へいき。めをつぶって、ぐっとのんでおしまいなさい。)

「平気、平気。目をつぶって、ぐっと飲んでおしまいなさい。

(あとでくちなおしに、おさとうをあげるから」)

後で口直しに、お砂糖をあげるから」

(「えっ、おさとう?じゃ、さきにおさとうをちょうだい」)

「えっ、お砂糖?じゃ、先にお砂糖をちょうだい」

(「しようのないこねえ」)

「しようのない子ねえ」

(せんにょはしぶしぶ、つぼのなかからかくざとうをひとつとりだすと、)

仙女はしぶしぶ、壷の中から角砂糖を一つ取り出すと、

(ぴのっきおのくちのなかにいれてやりました。)

ピノッキオの口の中に入れてやりました。

(ぴのっきおは、かくざとうをひといきにのみこんでいいました。)

ピノッキオは、角砂糖をひといきに飲み込んで言いました。

(「ああ、おいしかった。くすりもこのくらいおいしければいいんだけどなあ」)

「ああ、おいしかった。薬もこのくらいおいしければいいんだけどなあ」

(「さあぴのっきお、やくそくよ。くすりをのみなさい」)

「さあピノッキオ、約束よ。薬を飲みなさい」

(「のむよ、のむよ。でもふとんがおもすぎてのめないや」)

「飲むよ、飲むよ。でも布団が重すぎて飲めないや」

(せんにょはだまって、ぴのっきおのあしのうえにかけてあるふとんを)

仙女は黙って、ピノッキオの足の上にかけてある布団を

(したのほうへずらしてやりました。)

下の方へずらしてやりました。

(「さあ、これでいいでしょう?」)

「さあ、これでいいでしょう?」

(「でも、へやのまどがしまったままだよ。)

「でも、部屋の窓が閉まったままだよ。

(まどをあけてくれないと、くすりはのまないからね」)

窓を開けてくれないと、薬は飲まないからね」

(せんにょはちょっとこわいかおになりました。)

仙女はちょっと怖い顔になりました。

(「ぴのっきお、どうしてもいやだというのなら、くすりをのむのはおやめなさい。)

「ピノッキオ、どうしても嫌だというのなら、薬を飲むのはおやめなさい。

(でも、ねつがさがらないとどうなるかわかってるの?)

でも、熱が下がらないとどうなるかわかってるの?

(しんでしまうかもしれないのよ」)

死んでしまうかもしれないのよ」

(「へいきだい」)

「平気だい」

(「まあ、このこったら。しぬのがへいきなんですって?」)

「まあ、この子ったら。死ぬのが平気なんですって?」

(「かまうもんか。こんないやなくすりをのむくらいなら、しんだほうがましさ」)

「かまうもんか。こんな嫌な薬を飲むくらいなら、死んだ方がましさ」

(そのときとつぜん、とびらがおともなくひらいたかとおもうと、)

その時突然、扉が音もなく開いたかと思うと、

(よんひきのくろうさぎが、かんおけをひとつかたにかついで、)

四匹の黒うさぎが、棺桶を一つ肩に担いで、

(しずしずとへやのなかへはいってきました。)

しずしずと部屋の中へ入ってきました。

(うさぎたちは、べっどのそばへかんおけをおろすと、こえをそろえてさけびました。)

うさぎたちは、ベッドのそばへ棺桶を下ろすと、声をそろえて叫びました。

(「ぴのっきおさま、おむかえにあがりました!」)

「ピノッキオ様、お迎えにあがりました!」

(「なんだい、おむかえって?」)

「なんだい、お迎えって?」

(「おむかえはおむかえでございます。)

「お迎えはお迎えでございます。

(さあさあ、このかんおけのなかへおはいりください」)

さあさあ、この棺桶の中へお入りください」

(ぴのっきおはおどろいて、がたがたとふるえだしました。)

ピノッキオは驚いて、がたがたと震えだしました。

(「ぼく、かんおけになんかはいらないぞ。)

「僕、棺桶になんか入らないぞ。

(なんだい、しんでもいないのにそんなところへはいれなんて」)

なんだい、死んでもいないのにそんなところへ入れなんて」

(「いいえ、あなたさまは、あとに、さんぷんするとおなくなりになるのでございます。)

「いいえ、あなた様は、あと二、三分するとお亡くなりになるのでございます。

(おくすりをのんでいればたすかったものを、おきのどくなことでございます。)

お薬を飲んでいれば助かったものを、お気の毒なことでございます。

(おはかもできあがっておりますし、おそうしきのじゅんびもととのっております。)

お墓も出来上がっておりますし、お葬式の準備も整っております。

(どうやら、したくもおすみのようですね。)

どうやら、支度もお済のようですね。

(それでは、わたくしたちがおかんのなかへいれてさしあげましょう」)

それでは、私たちがお棺の中へ入れて差し上げましょう」

(うさぎたちは、そばへちかづいてくるとてをのばして)

うさぎたちは、そばへ近づいてくると手を伸ばして

(ぴのっきおのからだをもちあげようとしました。)

ピノッキオの体を持ち上げようとしました。

(ぴのっきおはあわてて、うさぎたちのてをはらいのけると)

ピノッキオは慌てて、うさぎたちの手を払いのけると

(ありったけのこえでさけびました。)

ありったけの声で叫びました。

(「せんにょさま、くすりをください!はやくはやく!」)

「仙女さま、薬をください!早く早く!」

(ぴのっきおは、せんにょのさしだしたうつわをつかむと、)

ピノッキオは、仙女の差し出した器をつかむと、

(ひといきにくすりをのみほしました。)

ひと息に薬を飲み干しました。

(「おやおや、ぴのっきおめ、くすりをのんじまったぜ」)

「おやおや、ピノッキオめ、薬を飲んじまったぜ」

(「ちぇっ、なんてこったい。おはかまでよういしたっていうのにむだぼねをおらせて」)

「ちぇっ、なんてこったい。お墓まで用意したっていうのに無駄骨をおらせて」

(よんひきのくろうさぎは、ぶつぶつといいながらかんおけをかつぎあげると)

四匹の黒うさぎは、ぶつぶつと言いながら棺桶を担ぎ上げると

(すーっとすがたをけしてしまいました。)

すーっと姿を消してしまいました。

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