ピノッキオの冒険 29

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投稿者投稿者ローズマリーいいね0お気に入り登録
プレイ回数7難易度(4.3) 3311打 長文
原作 コッローディ

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問題文

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(つぎのあさ、せんにょがあさごはんのしたくをしていると、)

次の朝、仙女が朝ごはんの支度をしていると、

(ぴのっきおがはんぶんねぼけているようなかおで、めをこすりながらおきてきました。)

ピノッキオが半分寝ぼけているような顔で、目をこすりながら起きてきました。

(「あらあら、はやいのねえ。まだねていてもよかったのに」)

「あらあら、早い野ねえ。まだ寝ていてもよかったのに」

(「だって、きょうからがっこうへゆくんですもの」)

「だって、今日から学校へ行くんですもの」

(「そうそう、そういえばそうだったわね。すっかりわすれていたわ」)

「そうそう、そういえばそうだったわね。すっかり忘れていたわ」

(でもせんにょは、わすれてなどはいませんでした。)

でも仙女は、忘れてなどはいませんでした。

(ぴのっきおのために、きょうかしょやのーとやえんぴつや、それをいれるかばんまで)

ピノッキオのために、教科書やノートや鉛筆や、それを入れるかばんまで

(ちゃんとよういしておいてくれたのです。)

ちゃんと用意しておいてくれたのです。

(よろこんだぴのっきおは、かおをあらって、あさごはんをたべると)

喜んだピノッキオは、顔を洗って、朝ごはんを食べると

(かばんをかたに、げんきよくいえをとびだしました。)

かばんを肩に、元気よく家を飛び出しました。

(「いってきまあす」「いってらっしゃい。またみちにまよったりしないでね」)

「行ってきまあす」「行ってらっしゃい。また道に迷ったりしないでね」

(「はあい」)

「はあい」

(はたらくひとたちでいっぱいのまちのとおりを、ぴのっきおはどんどんとはしっていきました)

働く人たちでいっぱいの町の通りを、ピノッキオはどんどんと走っていきました

(ところが、がっこうへついたぴのっきおがもんをくぐって)

ところが、学校へ着いたピノッキオが門をくぐって

(うんどうじょうにあしをふみいれたとたん、おおさわぎがはじまりました。)

運動場に足を踏み入れたとたん、大騒ぎが始まりました。

(「おーい、みろ、みろ。へんなやつがやってきたぞ」)

「おーい、見ろ、見ろ。変なやつがやってきたぞ」

(「あやつりにんぎょう、ばかにんぎょう。やーい、やい」)

「操り人形、ばか人形。やーい、やい」

(ぴのっきおははらをたてて、みんなをにらみつけました。)

ピノッキオは腹を立てて、みんなをにらみつけました。

(「ぼくだっていつまでもにんぎょうでなんかいないぞ。)

「僕だっていつまでも人形でなんかいないぞ。

(そのうちきっと、ほんとのにんげんになってみせるぞ、おどろくな」)

そのうちきっと、ほんとの人間になってみせるぞ、驚くな」

など

(「きいたか、きいたか。そのうちにんげんになってみせるとさ。)

「聞いたか、聞いたか。そのうち人間になってみせるとさ。

(こいつ、ねぼけてるんじゃないのかい」)

こいつ、寝ぼけてるんじゃないのかい」

(「そうだ、そうだ。ねぼけにんぎょう、ばかにんぎょう。やーい、やい」)

「そうだ、そうだ。寝ぼけ人形、ばか人形。やーい、やい」

(やがてかねがなって、べんきょうがはじまりました。)

やがて鐘が鳴って、勉強が始まりました。

(でもやすみじかんになると、すぐにきょうしつのなかでもさわぎがはじまりました。)

でも休み時間になると、すぐに教室の中でも騒ぎが始まりました。

(「ねえねえ、こいつのかおにいんきでひげをかいてやったらどうだろう。)

「ねえねえ、こいつの顔にインキでひげをかいてやったらどうだろう。

(こいつ、べんきょうのあいだじゅうまじめくさって、せんせいのはなしをきいてたもんなあ」)

こいつ、勉強のあいだじゅう真面目くさって、先生の話を聞いてたもんなあ」

(「それより、こいつのからだにいとをむすびつけるんだ。ひもをひっぱってやれば)

「それより、こいつの体に糸を結び付けるんだ。ひもを引っぱってやれば

(こいつ、きっとおどりだすにちがいないぜ」)

こいつ、きっと踊りだすに違いないぜ」

(「うん、やろうやろう。そいつはおもしろいや」)

「うん、やろうやろう。そいつは面白いや」

(きょうしつのこどもたちは、みんなおなかをかかえておおわらい。)

教室の子供たちは、みんなおなかをかかえて大笑い。

(はじめのうちはしらんかおをしていたぴのっきおも、)

初めのうちは知らん顔をしていたピノッキオも、

(とうとうがまんができなくなりました。)

とうとう我慢ができなくなりました。

(「おい、みんな、どうしてそうぼくのことをばかにするんだ。)

「おい、みんな、どうしてそう僕のことを馬鹿にするんだ。

(ぼくは、だれもばかになんかしたくない。そのかわり、だれかがぼくのことを)

僕は、誰も馬鹿になんかしたくない。そのかわり、誰かが僕のことを

(ばかにしたらだまってはいないからな」)

馬鹿にしたら黙ってはいないからな」

(「こいつ、おとなみたいなくちをきいてやがらあ。なまいきな」)

「こいつ、大人みたいな口をきいてやがらあ。生意気な」

(ひとりがぴのっきおのはなをつまもうとしました。)

ひとりがピノッキオの鼻をつまもうとしました。

(「おまけに、ぱんくずのぼうしなんかかぶってさ」)

「おまけに、パンくずの帽子なんかかぶってさ」

(もうひとりが、ぼうしをひったくろうとしました。)

もうひとりが、帽子をひったくろうとしました。

(「なにをするんだ!」ぴのっきおは、ひとりのこのむこうずねを)

「なにをするんだ!」ピノッキオは、ひとりの子のむこうずねを

(おもいきりけとばし、もうひとりのこのおなかにげんこつをくらわせました。)

思い切り蹴とばし、もうひとりの子のお腹にげんこつをくらわせました。

(「いててて」ふたりともあしをかかえたり、おなかをおさえたりしながら)

「いててて」二人とも足を抱えたり、お腹を押さえたりしながら

(ゆかにうずくまってしまいました。)

床にうずくまってしまいました。

(このことがあってから、ぴのっきおはみんなから、)

このことがあってから、ピノッキオはみんなから、

(そんけいのめでながめられるようになりました。)

尊敬の目で眺められるようになりました。

(いちどにふたりをやっつけたぴのっきおのいさましさが、がっこうじゅうのひょうばんになったのです)

一度に二人をやっつけたピノッキオの勇ましさが、学校中の評判になったのです

(おまけにぴのっきおは、だれよりもねっしんにべんきょうをするので、)

おまけにピノッキオは、誰よりも熱心に勉強をするので、

(いまでは、せんせいのいちばんのおきにいり。)

今では、先生の一番のお気に入り。

(ぴのっきおに、さんすうのもんだいのこたえをききにくるこまでがあらわれるありさまです。)

ピノッキオに、算数の問題の答えを聞きにくる子までが現れるありさまです。

(「それはよかったわねえ。でも、きをつけないとだめよ。)

「それはよかったわねえ。でも、気をつけないとだめよ。

(とくいになりすぎて、またこまっためにあったりするといけないから」)

得意になりすぎて、また困っためにあったりするといけないから」

(せんにょがしんぱいそうにちゅういをしました。)

仙女が心配そうに注意をしました。

(でも、がっこうがすきですきでたまらなくなったぴのっきおは、そんなちゅういなどは)

でも、学校が好きで好きでたまらなくなったピノッキオは、そんな注意などは

(きにもとめず、まいにちまいにち、ねっしんにべんきょうをつづけました。)

気にも留めず、毎日毎日、熱心に勉強を続けました。

(そんなあるあさ、ぴのっきおががっこうへゆこうとしてとおりをあるいていると、)

そんなある朝、ピノッキオが学校へ行こうとして通りを歩いていると、

(むこうからきょうしつのなかまが、なんにんかがやがやとはしってくるのにであいました。)

むこうから教室の仲間が、何人かがやがやと走ってくるのに出会いました。

(「やあ、ぴのっきお。ぼくたち、きみをむかえにきたんだ」)

「やあ、ピノッキオ。僕たち、君を迎えに来たんだ」

(「なにかあったのかい?」)

「何かあったのかい?」

(「むこうのかいがんにさめがいっぴきあらわれたんだって。)

「むこうの海岸にサメが一匹現れたんだって。

(それがまた、やまほどもあるおおきなさめなんだとさ」)

それがまた、山ほどもある大きなサメなんだとさ」

(「こいよ、ぴのっきお。いっしょにみにいこうぜ」)

「来いよ、ピノッキオ。一緒に見に行こうぜ」

(こどもたちがこえをそろえてさけびました。)

子供たちが声をそろえて叫びました。

(「でも、もうすぐがっこうがはじまるじかんだよ。)

「でも、もうすぐ学校が始まる時間だよ。

(べんきょうがおわってからみにいくことにしたら?」)

勉強が終わってから見に行くことにしたら?」

(「ばかだなあ。そんなころまで、さめがうろうろしているもんか。さあ、はやくはやく)

「馬鹿だなあ。そんな頃まで、サメがうろうろしているもんか。さあ、早く早く

(「さめをみたら、すぐがっこうへいけばいいんだよ」)

「サメを見たら、すぐ学校へ行けばいいんだよ」

(「そうだなあ」ぴのっきおは、よせばいいのについついうなずいてしまいました)

「そうだなあ」ピノッキオは、よせばいいのについついうなずいてしまいました

(「ようし、それじゃ、いってみよう」)

「ようし、それじゃ、行ってみよう」

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