ピノッキオの冒険 43

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問題文
(やがて、まちのあちらこちらにぽすたーがはりだされました。)
やがて、町のあちらこちらにポスターが貼りだされました。
(「さーかすはつしゅつえん、ろばのぴのっきお。)
『サーカス初出演、ロバのピノッキオ。
(とんだりはねたりおどったり、さあ、いらっしゃい、いらっしゃい」)
とんだりはねたりおどったり、さあ、いらっしゃい、いらっしゃい』
(「ははあ、さーかすか。なになに、ろばのぴのっきおだって?」)
「ははあ、サーカスか。なになに、ロバのピノッキオだって?」
(ひとりたちどまり、ふたりたちどまり、)
ひとり立ち止まり、ふたり立ち止まり、
(みるみるぽすたーのまえにはひとのやまができました。)
みるみるポスターの前には人の山ができました。
(「かわいらしいわねえ、このろばちゃん」)
「かわいらしいわねえ、このロバちゃん」
(「ねえ、こんばんさーかすへいってみない?」)
「ねえ、今晩サーカスへ行ってみない?」
(「ぼくもぴのっきおちゃんがみたいよう」)
「僕もピノッキオちゃんが見たいよう」
(こうしてそのばん、さーかすごやはまくのあがるいちじかんもまえから)
こうしてその晩、サーカス小屋は幕の上がる一時間も前から
(おきゃくでいっぱいになりました。それでもまだ、いりぐちのところには)
お客でいっぱいになりました。それでもまだ、入り口のところには
(あとからあとから、まちのひとたちがおしかけてきています。)
あとからあとから、町の人たちが押しかけてきています。
(「ねえねえ、おねがいだからきっぷをうっておくれよ」)
「ねえねえ、お願いだから切符を売っておくれよ」
(「きっぷはのこらずうりきれです」)
「切符は残らず売り切れです」
(「そこをきみ、なんとかさ。おかねはにばいはらうから」)
「そこを君、なんとかさ。お金は二倍払うから」
(「いえいえ、なんとおっしゃられても、おいれすることはできません」)
「いえいえ、なんとおっしゃられても、お入れすることはできません」
(そのうち、とうとう、さーかすがはじまりました。)
そのうち、とうとう、サーカスが始まりました。
(つなわたりがすみ、ぴえろのおしばいがおわると、)
綱渡りがすみ、ピエロのお芝居が終わると、
(ぶらんこのりがくうちゅうをひゅうひゅうととびまわりはじめました。)
ブランコ乗りが空中をヒュウヒュウと飛び回り始めました。
(それがすんで、くらくなったこやのなかが、またぱっとあかるくなったかとおもうと)
それがすんで、暗くなった小屋の中が、またぱっと明るくなったかと思うと
(りっぱなふくをきこんでむちをてにしただんちょうが、むねをはるようにしながら)
立派な服を着こんで鞭を手にした団長が、胸を張るようにしながら
(おきゃくのまえにすがたをあらわしました。)
お客の前に姿をあらわしました。
(「みなさま、たいへんおまたせをいたしました。)
「皆様、大変お待たせをいたしました。
(これより、いよいよ、せかいでいちばんあたまがよく、せかいでいちばんみのかるいろば、)
これより、いよいよ、世界で一番頭がよく、世界で一番身の軽いロバ、
(ぴのっきおをおめにかけることにいたしまする。さあ、ぴのっきおでておいで」)
ピノッキオをお目にかけることにいたしまする。さあ、ピノッキオ出ておいで」
(だんちょうのあいずといっしょに、はねとりぼんでかざりたてられたぴのっきおが)
団長の合図と一緒に、羽とリボンで飾り立てられたピノッキオが
(らっぱやたいこのひびきにのって、とことことまくのうしろからかけだしてきました。)
ラッパや太鼓のひびきにのって、とことこと幕の後ろから駆け出してきました。
(おきゃくたちのあいだから、われるようなはくしゅがおこりました。)
お客たちの間から、割れるような拍手が起こりました。
(だんちょうがぱちりとむちをならしました。)
団長がパチリと鞭をならしました。
(「ぴのっきお、おきゃくさまたちにごあいさつ」)
「ピノッキオ、お客様たちにごあいさつ」
(ぴのっきおは、まえあしをおってぴょこりとおじぎをしてみせました。)
ピノッキオは、前足を折ってぴょこりとお辞儀をして見せました。
(はくしゅがいっそうたかまりました。)
拍手がいっそう高まりました。
(ぴのっきおはこやのなかをぐるぐるとかけまわり、あとあしでたってだんすをおどり)
ピノッキオは小屋の中をぐるぐると駆け回り、後足で立ってダンスを踊り
(ぴすとるのおとをあいずにばったりとゆかにたおれて)
ピストルの音を合図にばったりと床に倒れて
(じょうずにしんだまねをしてみせました。)
上手に死んだまねをして見せました。
(「やあ、うまいうまい。あっはっは、あっはっは」)
「やあ、うまいうまい。あっはっは、あっはっは」
(「もっとやれ、もっとやれ。あっはっは、あっはっは」)
「もっとやれ、もっとやれ。あっはっは、あっはっは」
(こやのなかは、もうわらいごえでいっぱいです。)
小屋の中は、もう笑い声でいっぱいです。
(だんちょうがまた、ぱちぱちっとむちをならしました。)
団長がまた、パチパチッと鞭をならしました。
(「さて、つづいては、ろばのわくぐりとござあい」)
「さて、続いては、ロバの輪くぐりとござあい」
(ぴえろたちがかみをはったわをもって、こやのまんなかにたちました。)
ピエロたちが紙をはった輪を持って、小屋の真ん中に立ちました。
(ぴのっきおは、そのわをめがけてかけだしました。)
ピノッキオは、その輪を目がけて駆け出しました。
(そのとき、ぴのっきおのむねがどきんとおとをたてました。)
その時、ピノッキオの胸がドキンと音を立てました。
(うえのほうのせきにすわっているひとりのおんなのひとのかおが、ぱっとめにとびこんできたのです)
上の方の席に座っている一人の女の人の顔が、パッと目に飛び込んできたのです
((あっ、せんにょさまだ!))
(あっ、仙女さまだ!)
(ぴのっきおはおもわず、わのなかへとびこむかわりに)
ピノッキオは思わず、輪の中へ飛び込む代わりに
(うっかりとしたをくぐりぬけてしまいました。)
うっかりと下をくぐりぬけてしまいました。
(「このまぬけろばめ」だんちょうのむちがぴしりとはなのあたまにとんできました。)
「このまぬけロバめ」団長の鞭がピシリと鼻の頭に飛んできました。
(ぴのっきおはむちゅうでせんにょをよぼうとしましたが、それもやはりのどをでたところで)
ピノッキオは夢中で仙女を呼ぼうとしましたが、それもやはり喉を出た所で
(かんだかいろばのなきごえにかわってしまいました。)
甲高いロバの鳴き声にかわってしまいました。
(「ひひひーん」)
「ヒヒヒーン」
(「あっはっは、わざとしっぱいしたふりをしているんだな」)
「あっはっは、わざと失敗したふりをしているんだな」
(「いいぞ、いいぞ。もっとなけ」なにもしらないおきゃくはおおよろこび。)
「いいぞ、いいぞ。もっと鳴け」何も知らないお客は大喜び。
(みると、いつのまにかせんにょのすがたはきえていました。)
見ると、いつの間にか仙女の姿は消えていました。
((せんにょさま、もういちどだけたすけてください。ぼくをもとのぴのっきおに)
(仙女さま、もう一度だけ助けてください。僕を元のピノッキオに
(もどしてください。ねえ、せんにょさまあ))
もどしてください。ねえ、仙女さまあ)
(ぴのっきおはなみだをぽろぽろとこぼしながら、ひんひんとなきつづけました。)
ピノッキオは涙をぽろぽろとこぼしながら、ヒンヒンと鳴き続けました。
(だんちょうはかんかんにはらをたてて、なんどもむちをふりまわしました。)
団長はかんかんに腹を立てて、何度も鞭を振り回しました。
(「やい、いつまでひんひんないている。おきゃくさまがおまちかねだ。)
「やい、いつまでヒンヒン鳴いている。お客様がお待ちかねだ。
(はやくわくぐりをごらんにいれんか」)
早く輪くぐりをご覧にいれんか」
(「ひひーん」ぴのっきおはちからをふりしぼって、ひらりとわのなかをくぐりぬけました)
「ヒヒーン」ピノッキオは力を振り絞って、ひらりと輪の中をくぐりぬけました
(「やあ、すてき、すてき」「えらい、えらい、よくやった」)
「やあ、すてき、すてき」「えらい、えらい、よくやった」
(でもおきゃくたちは、すぐにしんとなりました。)
でもお客たちは、すぐにしんとなりました。
(わをくぐりぬけたとたん、ぴのっきおがばったりとゆかにたおれたのです。)
輪をくぐりぬけたとたん、ピノッキオがばったりと床に倒れたのです。
(「おや?あしをおったらしいぞ」おどろいただんちょうは、おいしゃをよびにやりました。)
「おや?足を折ったらしいぞ」驚いた団長は、お医者を呼びにやりました。
(ぴのっきおのあしをしらべたおいしゃは、むずかしいかおでくびをひねりました。)
ピノッキオの足を調べたお医者は、難しい顔で首をひねりました。
(「かわいそうですが、これはどうにもなりませんな。)
「かわいそうですが、これはどうにもなりませんな。
(もうさーかすではたらくことはむりでしょう」)
もうサーカスで働くことは無理でしょう」
(「ちぇっ、たかいかねをだしたのに」だんちょうはしたうちをして、うまやばんにいいつけました。)
「ちぇっ、高い金を出したのに」団長は舌打ちをして、厩番に言いつけました。
(「おい、このろばをいくらでもかまわんから、うりとばしてくるんだ」)
「おい、このロバをいくらでも構わんから、売り飛ばしてくるんだ」
(「へい、さっそくいってまいります」)
「へい、さっそく行ってまいります」
(ぴのっきおはあしをひきずりながら、またいちばへつれていかれました。)
ピノッキオは足を引きずりながら、また市場へ連れて行かれました。
(こんどのかいては、むらでおんがくたいをやっているおじいさんでした。)
今度の買い手は、村で音楽隊をやっているおじいさんでした。
(「わしは、このろばのかわでたいこをつくるつもりなんだ。)
「わしは、このロバの皮で太鼓を作るつもりなんだ。
(かわだけあればいいんだから、ごじゅうえんしかはらわんよ」)
皮だけあればいいんだから、五十円しか払わんよ」
(「まあまあ、しかたがないでしょう」)
「まあまあ、仕方がないでしょう」
(おじいさんは、かいとったぴのっきおをかいがんへつれていくと)
おじいさんは、買い取ったピノッキオを海岸へ連れて行くと
(おおきないしをくびにくくりつけ、なわのはしをてにもつとうみのなかへつきおとしました。)
大きな石を首にくくりつけ、縄の端を手に持つと海の中へ突き落しました。
(「ひひーん」ぴのっきおはぶくぶくとみずのそこへしずんでいきました。)
「ヒヒーン」ピノッキオはぶくぶくと水の底へ沈んでいきました。
(こうしてぴのっきおがしんだところをみはからって)
こうしてピノッキオが死んだところを見計らって
(おじいさんはかわをはいでやろうとかんがえたのです。)
おじいさんは皮をはいでやろうと考えたのです。