火種

(せなかがすけてみえるぜひじつざいのてれぷらずむ)

背中が透けて見えるぜ　非実在のテレプラズム

(はんしはんしょうのたいくをあるかせるのはなんだったっけ？)

半死半生の体躯を　歩かせるのはなんだったっけ？

(きょぜつをくりかえしきずついてふんだくられて)

拒絶を繰り返し　傷ついて　ふんだくられて

(たまらずじぶんをのろえばふかいやみもつれとなった)

たまらず自分を呪えば　深い闇も連れとなった

(「だれのせい」とか「どこでまちがった」とか)

「誰のせい」とか　「何処で間違った」とか

(けついがすたるぜえらんだのはぼくだ)

決意が廃るぜ　選んだのは僕だ

(げんせにまどうふとくにおどるなきさけんだこえなきこえ)

現世に惑う　不徳に踊る　泣き叫んだ声なき声

(すくうんじゃなくもとにもどすんだぼくが)

救うんじゃなく　元に戻すんだ僕が

(ねえこれゆめゆめ、わするるなかれむねかげるとこやみにこそ)

ねえ　これ怒怒、忘るるなかれ　胸翳る常闇にこそ

(きっかけ、ひきがねいっそまぶしくせかいをやく)

きっかけ、引き金　いっそ眩しく世界を焼く

(ひだねはあのひののろいだ)

火種はあの日の呪いだ

(かんおけにかたあしつっこんでやらなけりゃやられるかくごで)

棺桶に片足突っ込んで　やらなけりゃやられる覚悟で

(いっぽずつにいのちをとすがきゅうちはぼくにほほえんだ)

一歩ずつに命を賭すが　窮地は僕に微笑んだ

(じょうじゅもあんしんもよみちつけねらうぬすびと)

成就も安心も　夜道つけ狙う盗人

(そのころにはおのれのてきはおのれのなかにしかいない)

その頃には己の敵は　己の中にしかいない

(よみせどおりにかぜのとおりみち)

夜店通りに　風の通り道

(ひはとどかずともさくはなをみたのだ)

陽は届かずとも　咲く花を見たのだ

(げんせにまどうふとくにおどるきみはだれだ？おのれにとう)

現世に惑う　不徳に踊る　君は誰だ？　己に問う

(あばくんじゃなくおもいださせるんだぼくが)

暴くんじゃなく　思い出させるんだ僕が

(ねえこれゆめゆめ、わするるなかれむねかげるとこやみにこそ)

ねえ　これ努努、忘るるなかれ　胸翳る常闇にこそ

(きっかけ、ひきがねいっそまぶしくせかいをやく)

きっかけ、引き金　いっそ眩しく世界を焼く

(ひだねはあのひののろいだ)

火種はあの日の呪いだ

(かぜがとまったゆうひがしずんだやみにひそんだきみのでばんだ)

風が止まった　夕日が沈んだ　闇に潜んだ君の出番だ

(せかいでひとつきみだけにしかかえられないものそれはきみのいきかた)

世界で一つ　君だけにしか変えられないもの　それは君の生き方

(かいせんぜんやぼくらちかったやくそくもこくえんにまぎれてもうみえない)

開戦前夜　僕ら誓った約束も　黒煙に紛れてもう見えない

(てらしていたみできみのふこうがやくにたつ)

照らして　痛みで　君の不幸が役に立つ

(あのひじぶんをのろったのはきみじゃないか)

あの日自分を呪ったのは君じゃないか

(げんせにまどうふとくにおどるさきもみえぬくきょうにこそ)

現世に惑う　不徳に踊る　先も見えぬ苦境にこそ

(こわすんじゃなくてらしだすんだぼくが)

壊すんじゃなく　照らしだすんだ僕が

(ねえこれゆめゆめ、わするるなかれむねかげるとこやみにこそ)

ねえ　これ努努、忘るるなかれ　胸翳る常闇にこそ

(きっかけ、ひきがねいっそまぶしくせかいをやく)

きっかけ、引き金　いっそ眩しく世界を焼く

(ひだねはあのひののろいだ)

火種はあの日の呪いだ