人でなしの恋3
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問題文
(ひとつは、どのようなへんじんであろうが、きむずかしやさんであろうが、いまもうす)
一つは、どの様な変人であろうが、気むずかし屋さんであろうが、今申す
(みずぎわだったとのごぶりに、わたしはすっかりみせられていたのでもございましょう。)
水際立った殿御振に、私はすっかり魅せられていたのでもございましょう。
(それにまた、そんなせいしつのかたにかぎって、じょうがこまやかなのではないか、)
それに又、そんな性質の方に限って、情が濃かなのではないか、
(わたしならわたしひとりをまもって、すべてのあいじょうというあいじょうをわたしひとりにそそぎつくして、)
私なら私一人を守って、凡ての愛情という愛情を私一人に注ぎつくして、
(かわいがってくださるのではないか、などと、わたしはまあなんておひとよしに)
可愛がって下さるのではないか、などと、私はまあなんてお人よしに
(できていたのでございましょう。そんなふうにおもってもみるのでございました。)
出来ていたのでございましょう。そんな風に思っても見るのでございました。
(はじめのあいだは、とおいさきのことのように、ゆびおりかぞえていたひどりが、ゆめのまにちかづいて)
初めの間は、遠い先のことの様に、指折数えていた日取りが、夢の間に近づいて
(ちかづくにしたがって、あまいくうそうがずっとげんじつてきなおそれにかわって、いざとうじつ、)
近づくに従って、甘い空想がずっと現実的な恐れに代って、いざ当日、
(ごこんれいのぎょうれつがもんぜんにせいぞろいをいたします。そのぎょうれつがまた、じまんにもうすのでは)
御婚礼の行列が門前に勢揃いをいたします。その行列が又、自慢に申すのでは
(ありませんが、とおいくつりのわたしのまちにしてはとびきりりっぱなものでしたが、)
ありませんが、十幾つりの私の町にしては飛切り立派なものでしたが、
(それのなかにはさまって、くるまにのるときのこころもちというものは、どなたもあじわいなさる)
それの中にはさまって、車に乗る時の心持というものは、どなたも味わいなさる
(ことでしょうけれど、ほんとうにもう、きがとおくなるようでございましたっけ、まるで)
ことでしょうけれど、本当にもう、気が遠くなる様でございましたっけ、まるで
(としょのひつじでございますわね。せいしんてきにおそろしいばかりでなく、もうみうちがずきずき)
屠所の羊でございますわね。精神的に恐しいばかりでなく、もう身内がずきずき
(いたむような、それはもう、なんともうしてよろしいのやら。・・・・・・)
痛む様な、それはもう、何と申してよろしいのやら。……
(に)
二
(なにがどうなったのですか、ともかくもむちゅうでごこんれいをすませて、ひといふつかは、)
何がどうなったのですか、兎も角も夢中で御婚礼を済せて、一日二日は、
(よるさえねむったのやらねむらなかったのやら、しゅうとしゅうとめがどのようなかたなのか、)
夜さえ眠ったのやら眠らなかったのやら、舅姑がどの様な方なのか、
(めしつかいたちがいくにんいるか、あいさつもし、あいさつされていながらも、まるであたまに)
召使達が幾人いるか、挨拶もし、挨拶されていながらも、まるで頭に
(のこっていないというありさまなのでございます。するともう、さとがえり、おっととくるまを)
残っていないという有様なのでございます。するともう、里帰り、夫と車を
(ならべて、おっとのうしろすがたをながめながらはしっていても、それがゆめなのかうつつなのか、・・・・・・)
並べて、夫の後姿を眺めながら走っていても、それが夢なのか現なのか、……
(まあ、わたしはこんなことばかりおしゃべりしていまして、ごめんくださいまし、)
まあ、私はこんなことばかりおしゃべりしていまして、御免下さいまし、
(かんじんのおはなしがどこかへいってしまいますわね。)
肝心のお話がどこかへ行ってしまいますわね。
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