リビングデッド・ターミナル

(ぼくがさいしゅうれっしゃにのったらあすがひょうひょうとしてかおをだすから)

僕が最終列車に乗ったら　明日が飄々として顔を出すから

(えがいていたゆめやたいしががらくたになっていく)

描いていた夢や大志がガラクタになっていく

(ぼくがまいふんまいびょうこうしてだみんをむさぼっているうちに)

僕が毎分毎秒こうして惰眠を貪っているうちに

(まだよわいじゅうだいのえりーとがまたすたーになっていく)

まだ齢１０代のエリートがまたスターになっていく

(いったいどうしてぼくはいきをしていまだしんぞうはどくどくどくみゃくうっている)

一体どうして僕は息をして未だ心臓はドクドクドク脈打っている

(このじんせいははかばまでよくみわたせるもんだ)

この人生は墓場までよく見渡せるもんだ

(なんだってそうなみだもでないんだよおしえてくれよ)

なんだってそう涙も出ないんだよ教えてくれよ

(だってだってをくりかえしておとなになってしまったぼくのことは)

「だってだって」を繰り返して大人になってしまった僕のことは

(だれもおぼえていないんだこのまちにはびこるぞんびなんだ)

誰も覚えていないんだこの街に蔓延るゾンビなんだ

(まってまっておいていかないで)

「待って待って、置いていかないで」

(きてきがなってしまったほーむのどあ)

汽笛が鳴って閉まったホームのドア

(さいしゅうれっしゃはついにぼくをみすてた)

最終列車は遂に僕を見捨てた

(ぼくがらいしゅうずっとやすんでもだれもきっときがつかない)

僕が来週ずっと休んでも誰もきっと気がつかない

(そしてだいほんどおりじゃないけどまたぶたいをさっていく)

そして台本通りじゃないけどまた舞台を去って行く

(もしもだいとうりょうになったらこのせかいをみさいるでほろぼす)

もしも大統領になったらこの世界をミサイルで滅ぼす

(そしてこうもふこうもこのまちもみんなはいになっていく)

そして幸も不幸もこの街もみんな灰になっていく

(だってだってをくりかえしておとなになってしまったぼくのことは)

「だってだって」を繰り返して大人になってしまった僕のことは

(だれもおぼえていないんだこのまちにはびこるぞんびなんだ)

誰も覚えていないんだこの街に蔓延るゾンビなんだ

(はいけいあのにますへてがみにかいてつづったぼくのことば)

拝啓アノニマスへ手紙に書いて綴った僕の言葉

(だれもとどいてないさこのばしょがぼくのしゅうてんえきとなる)

誰も届いてないさこの場所が僕の終点駅となる

(ぼくがさいしゅうかいをむかえてもだれもきっときずつかない)

僕が最終回を迎えても誰もきっと傷つかない

(だからだいほんどおりじゃないけどこのぶたいをさっていく)

だから台本通りじゃないけどこの舞台を去って行く