水槽少女

(ふるびたすいそうのさかなをみつめてはちいさくわらういたいけなきみのくちびるをしってる)

古びた水槽の魚を見つめては、　小さく咲う　幼気な君の唇を知ってる。

(きみのかみのさききみのてのかたちいまとなってはぼくのしんぞうのふちをつねってる)

君の髪の先　君の手の形　今となっては　僕の心臓の淵をつねってる。

(すいそうしょうじょにさわりたいすいそうしょうじょをわらわせたい)

水槽少女に触りたい。　水槽少女を咲わせたい。

(すいそうしょうじょをだきしめたいのになんもないよ)

水槽少女を　抱きしめたいのに何もないよ。

(きみをみてたこのめがいたいきみとみつめてたうみがいたい)

君を見てたこの目が痛い。　君と見つめてた海が痛い。

(どこをさがしてもきみはいないのだねえずるいよ)

どこを探しても君はいないのだ　ねえ、ずるいよ。

(あのひのしんごうがぼくののうりをよぎる)

あの日の信号が僕の脳裏をよぎる。

(こきゅうをかさねてきみをなぞったがきもちよくもないな)

呼吸を重ねて君をなぞったが、　気持ちよくもないな

(すいそうしょうじょにさわりたいすいそうしょうじょをわらわせたい)

水槽少女に触りたい。　水槽少女を咲わせたい。

(すいそうしょうじょをだきしめたいのになんもないよ)

水槽少女を抱きしめたいのに何もないよ。

(きみをみてたこのめがいたいきみとみつめてたうみがいたい)

君を見てたこの目が痛い。　君と見つめてた海が痛い。

(どこをさがしてもきみはいないのだねえずるいよ)

どこを探しても君はいないのだ　ねえ、ずるいよ。

(きみがなにをなにをしたっていうんだきみがなにを)

君がなにを、　なにをしたって言うんだ。　君がなにを。

(すいそうしょうじょはもういないすいそうしょうじょがぼくをよごす)

水槽少女はもういない　水槽少女が僕を汚す。

(すいそうしょうじょをだきしめたいのになんもないよ)

水槽少女を抱きしめたいのに何もないよ。

(きばんだせかいのうえぼくのてだけこばんだきみがぼくをわすれ)

黄ばんだ世界の上、僕の手だけ拒んだ君が僕を忘れ、

(ぼくだけいまでもきみをさがしてるよねえまって)

僕だけ今でも君を探してるよ。　ねえ、待って。