意味がわかると怖い話 親切な老人

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投稿者投稿者冬蘭(ふゆらん)いいね21お気に入り登録
プレイ回数2.5万難易度(5.0) 3402打 長文
意味がわかると怖い話です。
キノコに少し詳しい人であれば、「オイオイ、待てよ」と言いたくなるかもしれませんね。老人が教えてくれた「ユキヨダケ」なんてキノコは存在していません。語り手が持ち帰ったのは、白く卵のような傘(かさ)を持つ特徴から、ドクツルタケやシロタマゴテングタケの類だと思われます。似通った外見を持ち、いずれも致死性の猛毒を持つ株で、「素人は白いキノコには手を出すな」という言葉まであるそうです。彼は信じるべき相手を間違えたようです。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 鉄オタ 6220 A++ 6.5 95.6% 529.4 3451 158 48 2024/03/16
2 しか 6060 A++ 6.2 96.3% 535.1 3370 127 48 2024/03/15
3 おしゃお 5974 A+ 6.1 96.8% 550.3 3400 112 48 2024/03/15
4 とも 5638 A 6.2 90.6% 536.5 3374 349 48 2024/03/13
5 のん 5416 B++ 5.5 97.5% 605.7 3365 84 48 2024/03/09

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問題文

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(うぇぶれんさいのためのしらべものちゅう、たどりついたかんこうじょうほうのまとめぶろぐで、じもとの)

ウェブ連載のための調べ物中、辿り着いた観光情報のまとめブログで、地元の

(iやまがしょうかいされているのをみた。じぬしがきのこがりをしたいじもとみんのために)

I山が紹介されているのを見た。地主がキノコ狩りをしたい地元民のために

(やまをかいほうしているという。おれのあぱーとからじてんしゃでいけるきょりだ。なにかのねた)

山を開放しているという。俺のアパートから自転車で行ける距離だ。何かのネタ

(になりそうだとおもい、いってみるきになった。といっても、きのこがりなんてし)

になりそうだと思い、行ってみる気になった。と言っても、キノコ狩りなんてし

(たことがない。としょかんでよさそうなぽけっとずかんをかりてもっていくことにした)

たことがない。図書館で良さそうなポケット図鑑を借りて持って行くことにした

(iやまは、やまというよりおかにそってひろがるぞうきばやしといったほうがいい、なだらかな)

I山は、山というより丘に沿って広がる雑木林と言った方が良い、なだらかな

(さとやまだ。ふだんばきのすにーかーでじゅうぶん、わけいっていける。)

里山だ。普段履きのスニーカーで十分、分け入って行ける。

(「おひとりできのこがりですか?」ふいにはいごからこえをかけられた。)

「おひとりでキノコ狩りですか?」不意に背後から声をかけられた。

(ふりかえると、おおきなりゅっくをせおってへるめっとをかぶった、ひとのよさそうな)

振り返ると、大きなリュックを背負ってヘルメットをかぶった、人の好さそうな

(ろうじんがたっていた。ろうじんはひだりうでにまいた「しんりんぼらんてぃあ」とかかれたわんしょうを)

老人が立っていた。老人は左腕に巻いた「森林ボランティア」と書かれた腕章を

(みせ、「きけんなばしょがないかのみまわりや、きのこがりにきたひとのさぽーとをしと)

見せ、「危険な場所がないかの見回りや、キノコ狩りに来た人のサポートをしと

(ります」それはごくろうさまです、とおれがあたまをさげると、ろうじんはめをほそめて、)

ります」それはご苦労様です、と俺が頭を下げると、老人は目を細めて、

(「きのこのどくはこわいですから。きょねんもほら、このあたりでさんにんかぞくがみんなしん)

「キノコの毒は怖いですから。去年もほら、このあたりで3人家族がみんな死ん

(じまったってことがあったでしょう?なにか、がいどぶっくはおもちですか?」)

じまったってことがあったでしょう?何か、ガイドブックはお持ちですか?」

(たずねられ、おれがぽけっとずかんをだしてみせるとろうじんはけわしいかおになった。)

尋ねられ、俺がポケット図鑑を出して見せると老人は険しい顔になった。

(ひったくるようにずかんをとって、ろうじんはいう。「ちょっとよくないですね。)

ひったくるように図鑑を取って、老人は言う。「ちょっと良くないですね。

(はちねんもまえのほんだ。きのこがこわいのはね、しょくようとおもわれていたかぶに、あとからどくせいが)

8年も前の本だ。キノコが怖いのはね、食用と思われていた株に、後から毒性が

(みいだされることがままあるんです。たとえば、すぎひらたけというかぶはながくむがい)

見いだされることがままあるんです。例えば、スギヒラタケという株は長く無害

(としんじられてきましたが、じゅうなんねんかまえにちゅうどくしがあいつぎ、とくていのしっかんがあるひとに)

と信じられてきましたが、十何年か前に中毒死が相次ぎ、特定の疾患がある人に

(ちめいてきなどくさようがあるとわかったんです。だからきのこずかんはまいとし、さいしんのもの)

致命的な毒作用があると分かったんです。だからキノコ図鑑は毎年、最新のもの

など

(をかわなきゃならんのですよ」ねっしんではくしきをかんじさせるくちょうに、おれはたのもしさを)

を買わなきゃならんのですよ」熱心で博識を感じさせる口調に、俺は頼もしさを

(おぼえた。「よかったらつきそって、どくきのこのみわけかたなどれくちゃーしますよ)

覚えた。「良かったら付き添って、毒キノコの見分け方などレクチャーしますよ

(というろうじんのもうしでを、おれはありがたくうけることにした。)

という老人の申し出を、俺は有難く受けることにした。

(ろうじんのはなしはおもしろかった。いろやさけかたでみわけるほうほうはれいがいのほうがおおいのだという)

老人の話は面白かった。色や裂け方で見分ける方法は例外の方が多いのだという

(「かじってみればわかるなんてらんぼうなことをいうひともいますがね、もうどくの)

「かじってみれば分かるなんて乱暴なことを言う人もいますがね、猛毒の

(べにてんぐだけなんかはひじょうにうまいそうですよ」ちょっとしたがけのようになって)

ベニテングダケなんかは非常に旨いそうですよ」ちょっとした崖のようになって

(いるくぼちで、ろうじんはあしをとめた。「こりゃすごい」だえんのたまごのようなかさをもった)

いる窪地で、老人は足を止めた。「こりゃすごい」楕円の卵のような傘を持った

(ひょろりとしたしろいきのこがぐんせいしていた。「ゆきよだけですよ。おにいさんが)

ひょろりとした白いキノコが群生していた。「ユキヨダケですよ。お兄さんが

(おもちのようなずかんにはまずのってない、めずらしいきのこでね。わたしもこのやまでみた)

お持ちのような図鑑にはまず載ってない、珍しいキノコでね。私もこの山で見た

(のははじめてです」「たべられるんですか?」おれがきくと、ろうじんはこうふんしたようすで)

のは初めてです」「食べられるんですか?」俺が訊くと、老人は興奮した様子で

(めをかがやかせた。「ちんみちゅうのちんみです。うんのいいかただ。そのままやいてしょうゆをかけ)

目を輝かせた。「珍味中の珍味です。運の良い方だ。そのまま焼いて醤油をかけ

(るだけで、あわびのようなあじがします。・・・・・・ひとによってはたべすぎるとよくじつ、)

るだけで、アワビのような味がします。……人によっては食べすぎると翌日、

(おなかをくだすことがありますが、しんぱいにはおよびません。なんでもうまみせいぶんがつよ)

おなかをくだすことがありますが、心配には及びません。なんでも旨み成分が強

(すぎてげりをするんだとか」はらをくだすほどつよいうまみ、あるいはげりをしてでも)

すぎて下痢をするんだとか」腹をくだすほど強い旨み、あるいは下痢をしてでも

(たべたいちんみ・・・・・・そうぞうもつかないが、そこまでいわれたらがぜん、しょくしがうごく。)

食べたい珍味……想像もつかないが、そこまで言われたら俄然、食指が動く。

(いわれるままにそのまっしろなきのこをとってぽりぶくろにつめた。なんぼんかわけようか)

言われるままにその真っ白なキノコを採ってポリ袋に詰めた。何本か分けようか

(ともうしでたが、「せっかくはじめてきたんだからぜんぶもってかえりなさい」とこじ)

と申し出たが、「せっかく初めて来たんだから全部持って帰りなさい」と固辞

(された。まったくしんせつなひとだ。「ゆきよだけはかくしてあるけ、なんてことばがありま)

された。まったく親切な人だ。「ユキヨダケは隠して歩け、なんて言葉がありま

(してね。そのおいしさゆえ、「それはどくきのこだ、おれがすててやろう」といって)

してね。その美味しさゆえ、『それは毒キノコだ、俺が捨ててやろう』と言って

(だましとろうとするひとがあったそうです」きのこでいっぱいになったふくろをりょうてに)

騙し取ろうとする人があったそうです」キノコでいっぱいになった袋を両手に

(さげ、わかれぎわにはろうじんにこわれてきねんさつえいまでした。りゅっくからとりだして)

下げ、別れ際には老人に請われて記念撮影までした。リュックから取り出して

(みせてくれたあるばむには、えがおでろうじんといっしょにうつるひとのしゃしんがなんまいもはられて)

見せてくれたアルバムには、笑顔で老人と一緒に写る人の写真が何枚も貼られて

(いた。かえりぎわ、おれはすぐにろうじんがかたったとおりのたいけんをすることになった。)

いた。帰り際、俺はすぐに老人が語った通りの体験をすることになった。

(じてんしゃをおいたばしょまでもどると、ちょうどけいとらっくをとめておりてきためつき)

自転車を置いた場所まで戻ると、ちょうど軽トラックを停めて降りてきた目つき

(のわるいちゅうねんおとこがおれをよびとめた。)

の悪い中年男が俺を呼び止めた。

(「にいちゃん!そのしろいの、もうどくだぞ。すててけ」)

「兄ちゃん!その白いの、猛毒だぞ。捨ててけ」

(きのこどろぼうはむかしのはなしじゃないのかよ。おれはくしょうし、おとこのことばをむししてじてんしゃを)

キノコ泥棒は昔の話じゃないのかよ。俺は苦笑し、男の言葉を無視して自転車を

(はしらせた。)

走らせた。

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