(怖い話)「八尺様」2

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(ばあちゃんにおそるおそるたずねてみると、「はっしゃくさまにみいられてしまったようだよ。)

ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、「八尺様に魅入られてしまったようだよ。

(じいちゃんがなんとかしてくれる。なんにもしんぱいしなくていいから」と)

じいちゃんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」と

(ふるえたこえでいった。それからばあちゃんは、じいちゃんがもどってくるまで)

震えた声で言った。それからばあちゃんは、じいちゃんが戻ってくるまで

(ぽつりぽつりとはなしてくれた。このあたりには「はっしゃくさま」というやっかいなものがいる)

ぽつりぽつりと話してくれた。この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる

(はっしゃくさまはおおきなおんなのすがたをしている。なまえのとおりはっしゃくほどのせたけがあり、)

八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、

(「ぽぽぽぽ」とおとこのようなこえでへんなわらいかたをする。ひとによって、もふくをきた)

「ぽぽぽぽ」と男のような声で変な笑い方をする。人によって、喪服を着た

(わかいおんなだったり、とめそでのろうばだったり。のらぎすがたのとしまだったりと)

若い女だったり、留め袖の老婆だったり。野良着姿の年増だったりと

(みえかたはちがうが、じょせいでいじょうにせがたかいこととあたまになにかのせていること、)

見え方は違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か乗せていること、

(それにきみわるいわらいごえはきょうつうしている。むかし、たびびとについてきた)

それに気味悪い笑い声は共通している。昔、旅人に憑いて来た

(といううわさもあるが、さだかではない。このちく(いまはまるしのいちぶであるが、)

という噂もあるが、定かではない。この地区(今は○市の一部であるが、

(むかしはばつむら、いまでいう「おおあざ」にあたるくぶん)にじぞうによってふういんされていて、)

昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、

(よそへはいくことがない。はっしゃくさまにみいられると、すうじつのうちに)

よそへは行くことがない。八尺様に魅入られると、数日のうちに

(とりころされてしまう。さいごにはっしゃくさまのひがいがでたのはごじゅうねんほどまえ。)

取り殺されてしまう。最後に八尺様の被害が出たのは五十年ほど前。

(これはあとからきいたことではあるが、じぞうによってふういんされているというのは、)

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、

(はっしゃくさまがよそへいどうできるみちというのはりゆうはわからないがかぎられていて、)

八尺様がよそへ移動できる道というのは理由はわからないが限られていて、

(そのみちのそんきょうにじぞうをまつったそうだ。はっしゃくさまのいどうをふせぐためだが、)

その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、

(それはとうざいなんぼくのきょうかいにぜんぶでよんかしょあるらしい。もっとも、なんでそんなものを)

それは東西南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。もっとも、何でそんなものを

(とめておくことになったかというと、しゅうへんのむらとなんらかのきょうていがあったらしい。)

留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。

(たとえばすいりけんをゆうせんするとか。はっしゃくさまのひがいはすうねんからじゅうすうねんに)

例えば水利権を優先するとか。八尺様の被害は数年から十数年に

(いちどくらいなので、むかしのひとはそこそこゆうりなきょうていをむすべればよしと)

一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な協定を結べれば良しと

など

(おもったのだろうか。そんなことをきいても、ぜんぜんりあるにおもえなかった。)

思ったのだろうか。そんな事を聞いても、全然リアルに思えなかった。

(とうぜんだよね。そのうち、じいちゃんがひとりのろうばをつれてもどってきた。)

当然だよね。そのうち、じいちゃんが一人の老婆を連れて戻ってきた。

(「えらいことになったのう。いまはこれをもってなさい」kさんというろうばは)

「えらいことになったのう。今はこれを持ってなさい」Kさんという老婆は

(そういって、おふだをくれた。それから、じいちゃんといっしょににかいへあがり、)

そう言って、御札をくれた。それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、

(なにやらやっていた。ばあちゃんはそのままいっしょにいて、といれにいくときも)

何やらやっていた。ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも

(ついてきて、といれのどあをかんぜんにしめさせてくれなかった。)

付いてきて、トイレのドアを完全に閉めさせてくれなかった。

(ここにきてはじめて、「なんだかやばいんじゃないか」とおもうようになった。)

ここにきてはじめて、「なんだかヤバいんじゃないか」と思うようになった。

(しばらくしてにかいにあがらされ、いっしつにいれられた。そこはまどがぜんぶ)

しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。そこは窓が全部

(しんぶんしでめばりされ、そのうえにはおふだがはられており、よすみにはもりじおが)

新聞紙で目張りされ、その上には御札が貼られており、四隅には盛り塩が

(おかれていた。また、きでできたはこじょうのものがあり(さいだんなどとよべるもの)

置かれていた。また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるもの

(ではない)、そのうえにちいさなぶつぞうがのっていた。あと、どこからもってきたのか)

ではない)、その上に小さな仏像が乗っていた。あと、どこから持ってきたのか

(「おまる」がふたつもよういされていた。これでようをすませろってことか・・・)

「おまる」が二つも用意されていた。これで用を済ませろってことか・・・

(「もうすぐひがくれる。いいか、あしたのあさまでここからでてはいかん。)

「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。

(おれもばあさんもな、おまえをよぶこともなければ、おまえにはなしかけることもない。)

俺もばあさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。

(そうだな、あしたあさのしちじになるまではぜったいここからでるな。しちじになったら)

そうだな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。七時になったら

(おまえからでろ。いえにはれんらくしておく」と、じいちゃんがまがおでいうもんだから、)

お前から出ろ。家には連絡しておく」と、じいちゃんが真顔で言うもんだから、

(だまってうなずくいがいなかった。「いまいわれたことはよくまもりなさい。おふだも)

黙って頷く以外なかった。「今言われたことは良く守りなさい。御札も

(はだみはなさずな。なにかおきたらほとけさまのまえでおねがいしなさい」とkさんにもいわれた)

肌身離さずな。何かおきたら仏様の前でお願いしなさい」とKさんにも言われた

(てれびはみてもいいといわれていたのでつけたが、みていてもうわのそらで)

テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で

(きもまぎれない。へやにとじこめられるときにばあちゃんがくれたおにぎりや)

気も紛れない。部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりや

(おかしもたべるきがまったくおこらず、ほうちしたままふとんにくるまってひたすら)

お菓子も食べる気が全くおこらず、放置したまま布団に包まってひたすら

(がくぶるしていた。そんなじょうたいでもいつのまにかねむっていたようで、)

ガクブルしていた。そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、

(めがさめたときには、なんだかわすれたがしんやばんぐみがうつっていて、)

目が覚めたときには、何だか忘れたが深夜番組が映っていて、

(じぶんのとけいをみたら、ごぜんいちじすぎだった。(このころはけいたいをもってなかった))

自分の時計を見たら、午前一時過ぎだった。(この頃は携帯を持ってなかった)

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