mononoke10

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投稿者投稿者もけけいいね0お気に入り登録
プレイ回数38難易度(4.2) 1998打 長文 かな

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問題文

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(われらはにんげんをころしもりをまもるためにきた。なぜにんげんがここにいる)

われらは人間を殺し森を守るために来た。なぜ人間がここにいる

(わたしのむすめだ。にんげんなどどこにでもいる。じぶんのもりにもどりそこでころせばいい)

私の娘だ。人間などどこにでもいる。自分の森に戻りそこで殺せばいい

(ししがみのもりをまもるためにころすのだ。なぜにんげんがここにいる)

シシ神の森を守るために殺すのだ。なぜ人間がここにいる

(このにんげんのきずをししがみさまがいやした。だからころさずにかえす)

この人間の傷をシシ神さまが癒した。だから殺さずに帰す

(ししがみがにんげんをたすけた?ししがみがにんげんをいやしただと)

シシ神が人間を助けた?シシ神が人間を癒しただと

(なぜなごのかみをたすけなかったのだ。ししがみはもりのまもりがみではないのか)

なぜ名護の守を助けなかったのだ。シシ神は森の守り神ではないのか

(ししがみはいのちをあたえもし、うばいもする。そんなこともわすれてしまったのか、いのししどもめ)

シシ神は命を与えもし、奪いもする。そんなことも忘れてしまったのか、猪共め

(ちがう。やまいぬがししがみをひとりじめしているからだ。なごをたすけずうらぎったからだ)

違う。山犬がシシ神を独り占めしているからだ。名護を助けず裏切ったからだ

(きゃつはしをおそれたのだ。いまのわたしのように)

彼奴は死を恐れたのだ。今の私のように

(わたしのからだにもにんげんのどくつぶてがはいっている)

私の体にも人間の毒つぶてが入っている

(なごはにげ、わたしはじぶんのしをみつめている)

名護は逃げ、私は自分の死を見つめている

(もろ。だからししがみさまに)

モロ。だからシシ神さまに

(さん。わたしはじゅうぶんにいきた。ししがみはきずをなおさずにいのちをすいとるだろう)

サン。私は十分に生きた。シシ神は傷を治さずに命を吸い取るだろう

(そんなことない。かあさんはししがみさまをまもってきた)

そんなことない。母さんはシシ神さまを守ってきた

(だまされぬぞ。なごはうつくしくつよいきょうだいだ。にげるはずがない)

騙されぬぞ。名護は美しく強い兄弟だ。逃げるはずがない

(やまいぬどもがくったんだ。くっちまったんだ)

山犬どもが喰ったんだ。喰っちまったんだ

(だまれ。かあさんをばかにするとゆるさんぞ)

黙れ。母さんを馬鹿にすると許さんぞ

(あらぶるやまのかみがみよ、きいてくれ。なごのかみにとどめをさしたのはわたしだ)

荒ぶる山の神々よ、聞いてくれ。名護の守にとどめを刺したのは私だ

(むらをおそったたたりがみをわたしはやむなくころした。おおきないのししがみだった。これがあかしだ)

村を襲ったタタリ神を私はやむなく殺した。大きな猪神だった。これが証だ

(あるいはこののろいをししがみがといてくれぬかとこのちへきた)

あるいはこの呪いをシシ神が解いてくれぬかとこの地へ来た

など

(だがししがみはきずはいやしてもあざはけしてくれなかった)

だがシシ神は傷は癒しても痣は消してくれなかった

(のろいがわがみをくいつくすまで、くるしみいきろと)

呪いがわが身を食い尽くすまで、苦しみ生きろと

(おっことぬしだ。すこしははなしのわかるやつがきた)

乙事主だ。少しは話の分かる奴が来た

(まっておっことぬしさま。このひとをたべてはだめ)

待って乙事主さま。この人を食べては駄目

(もろのむすめだね。うわさはきいていたよ)

モロの娘だね。噂は聞いていたよ

(あなた、めが)

あなた、目が

(どいとくれ。くいはしない)

どいとくれ。食いはしない

(やまいぬのひめ、かまわない。なごのかみのさいごをつたえたいから)

山犬の姫、構わない。名護の守の最後を伝えたいから

(ありがとうよ、おわかいの。かなしいことだ。いちぞくからたたりがみがでてしまった)

ありがとうよ、お若いの。悲しいことだ。一族からタタリ神が出てしまった

(おっことぬしどの。このたたりをけすすべはないのだろうか)

乙事主殿。この祟りを消す術はないのだろうか

(もりをされ。つぎにあうときはおまえをころさねばならぬ)

森を去れ。次に会うときはお前を殺さねばならぬ

(おっことぬしよ。かずだけではにんげんのいしびやにはかてぬぞ)

乙事主よ。数だけでは人間の石火矢には勝てぬぞ

(もろ。わしのいちぞくをみろ。みんなちいさくばかになりつつある)

モロ。わしの一族を見ろ。みんな小さく馬鹿になりつつある

(このままではわしらはただのにくとしてにんげんにかられるようになるだろう)

このままではわしらはただの肉として人間に狩られるようになるだろう

(きにいらぬ。いちどにけりをつけようなどと、にんげんどものおもうつぼだ)

気に入らぬ。一度にけりをつけようなどと、人間どもの思うつぼだ

(やまいぬのちからをかりようとはおもわぬ)

山犬の力を借りようとは思わぬ

(たとえわがいちぞくことごとくほろぶとも、にんげんにおもいしらせてやる)

たとえわが一族悉く滅ぶとも、人間に思い知らせてやる

(ししがみさま)

シシ神さま

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