mononoke3

(もろいちぞくもともにたたかう。おっことぬしさまはどこか)

モロ一族も共に戦う。乙事主さまはどこか

(ありがとう)

ありがとう

(たたらばからだ)

タタラ場からだ

(いこう)

行こう

(なにものか)

何者か

(さむらいだ)

侍だ

(とまれ)

止まれ

(おしとおる)

押し通る

(こいや)

来いや

(こりゃあたまげたとめたぞやるのうやめとけ、やのむだだ)

こりゃあたまげた　止めたぞ　やるのう　やめとけ、矢の無駄だ

(はやくはやく)

早く早く

(ほんとうだ)

本当だ

(あのひとだよ)

あの人だよ

(ゆうれいじゃないよね)

幽霊じゃないよね

(あしたかさま)

アシタカさま

(おときさんか。みんなぶじか)

おトキさんか。みんな無事か

(みてのとおりさ。おとこたちのるすをねらって、さむらいどもがおしよせてきやがった)

見ての通りさ。男たちの留守を狙って、侍どもが押し寄せて来やがった

(したはやられちまった。おんなばかりとあまくみやがって)

下はやられちまった。女ばかりと甘く見やがって

(えぼしどのは)

エボシ殿は

(うごけるおとこはみんなつれて、ししがみたいじにいっちまってる)

動ける男はみんな連れて、シシ神退治に行っちまってる

(こうかこまれてはしらせようがなくてさ)

こう囲まれては知らせようがなくてさ

(ししがみたいじ)

シシ神退治

(やはりさっきのおとは)

やはりさっきの音は

(だんな。あずかってましたぜ)

旦那。預かってましたぜ

(なんでくらとみのももってこなかったのさ)

なんで鞍と蓑も持って来なかったのさ

(だって)

だって

(このやくたたず)

この役立たず

(こうろく、ありがとう。えぼしどのをよびにいく。それまでもつか)

甲六、ありがとう。エボシ殿を呼びに行く。それまでもつか

(いざとなったらとけたてつをぶっかけてやるさ)

いざとなったら融けた鉄をぶっかけてやるさ

(やった)

やった

(あしたかさまおねがいします)

アシタカさまお願いします

(やあ、はずしたか。ふねがきますぞ、おはやく)

やあ、外したか。舟が来ますぞ、お早く

(えぼしさまをたのみます。わたしらもたたかいますゆえ)

エボシさまを頼みます。私らも戦いますゆえ

(かならずもどる。がんばれ)

必ず戻る。頑張れ

(たのむよきをつけて)

頼むよ　気を付けて

(でたぞ、いっき)

出たぞ、一騎

(おってがかかった。たのむぞやっくる)

追手がかかった。頼むぞヤックル

(いきもののやけるにおいだ)

生き物の焼ける臭いだ

(やっくる)

ヤックル

(こいや)

来いや

(くるな)

来るな

(やっくる、きずをみせろ)

ヤックル、傷を見せろ

(すまない、ここでまっててくれ。かならずもどる)

すまない、ここで待っててくれ。必ず戻る

(だめだまってろ)

駄目だ待ってろ

(がんばれ、もうすこしだ)

頑張れ、もう少しだ