howl11

(そふぃー、へんなひとがはいってきちゃった！)

ソフィー、変な人が入ってきちゃった！

(ん？おかあさん！)

ん？お母さん！

(そふぃー！あなたどこいってたの、さんざんさがしたのよ！)

ソフィー！あなたどこ行ってたの、さんざん探したのよ！

(まあこんなにおばあちゃんになっちゃって！)

まあこんなにおばあちゃんになっちゃって！

(みんなわたしがわるいの。ごめんねそふぃー、ごめんね)

みんな私が悪いの。ごめんねソフィー、ごめんね

(おかあさん)

お母さん

(すっかりもようがえしたのね。あのかたはどなた？ああ、やぬしさんね)

すっかり模様替えしたのね。あの方はどなた？ああ、家主さんね

(そうだそふぃー、わたしさいこんしたの！)

そうだソフィー、私再婚したの！

(ええ！？)

ええ！？

(とってもいいひと、それにおかねもちなの！またみんなでくらせるわ！)

とってもいい人、それにお金持ちなの！またみんなで暮らせるわ！

(ねっ、そうじふなんてしなくていいのよ！)

ねっ、掃除婦なんてしなくていいのよ！

(でもあたし、いまのくらしがきにいってるから)

でもあたし、今の暮らしが気に入ってるから

(そうお？あ、いけない、くるまをまたせてあるの。いかなきゃ)

そうお？あ、いけない、車を待たせてあるの。行かなきゃ

(のぞきむしかい。さりまんもふるいてをつかうね。かるちゃんもして！)

覗き虫かい。サリマンも古い手を使うね。カルちゃん燃して！

(おかあさん、しあわせになってね)

お母さん、幸せになってね

(ありがとう。そふぃーもね)

ありがとう。ソフィーもね

(いわれたとおりにしたわ。おっとのもとへかえして)

言われたとおりにしたわ。夫の元へ返して

(はい。さりまんせんせいもさぞおよろこびでしょう)

はい。サリマン先生もさぞお喜びでしょう

(ごめんねそふぃー)

ごめんねソフィー

(すごいひとね。みんなにげだして、まちじゅうからっぽになっちゃうわね)

すごい人ね。みんな逃げだして、町中空っぽになっちゃうわね

(そふぃーもいきたいんか？)

ソフィーも行きたいんか？

(え？)

え？

(さっきのひとがそういっておったぞ)

さっきの人がそう言っておったぞ

(そうね。なかなおりできてよかった)

そうね。仲直りできてよかった

(そふぃー、いかないで！ぼく、そふぃーがすきだ、ここにいて)

ソフィー、行かないで！僕、ソフィーが好きだ、ここにいて

(あたしもよまるくる。だいじょうぶ。いかない)

あたしもよマルクル。大丈夫。行かない

(ほんとう！？)

本当！？

(うん)

うん

(ぼくら、かぞく？)

僕ら、家族？

(そう。かぞくよ)

そう。家族よ

(よかった！)

よかった！

(さりまんなんかにはうるはわたさないよ！)

サリマンなんかにハウルは渡さないよ！

(でも、かったってかいてあるよ？)

でも、勝ったって書いてあるよ？

(わかものだけさ、しんじるのは)

若者だけさ、信じるのは

(ふーん)

ふーん

(おかしいわね、かるしふぁーがちっとももえないの)

おかしいわね、カルシファーがちっとも燃えないの

(おばあちゃんそれやめてくれない？ひどいにおいよ)

おばあちゃんそれやめてくれない？ひどい匂いよ

(としよりのたのしみをとるもんじゃないよ)

年寄りの楽しみを取るもんじゃないよ

(まどあけて、まるくる)

窓開けて、マルクル

(うん)

うん

(まどはあけないほうがいいとおもうよ。かるちゃんのちからがよわくなってるからね)

窓は開けない方がいいと思うよ。カルちゃんの力が弱くなってるからね

(やつらがはいってくるよ)

奴らが入ってくるよ

(まるくる！はやくしめて！)

マルクル！早く閉めて！

(おばあちゃんをおねがい。おみせみてくる！)

おばあちゃんをお願い。お店見てくる！

(うん！)

うん！

(こんなときになによ！そんなひまがあったら、かじをけしなさい！)

こんなときに何よ！そんな暇があったら、火事を消しなさい！

(はでねえ)

派手ねえ

(は、はうる！)

ハ、ハウル！

(すまない。こんやはあいてがおおすぎた)

すまない。今夜は相手が多すぎた

(はうる、ああ、はうる！)

ハウル、ああ、ハウル！

(はうるさん！そふぃー！)

ハウルさん！ソフィー!

(かるしふぁー、しっかりしろ)

カルシファー、しっかりしろ

(まだむ、それはさりまんせんせいのぷれぜんとですね？)

マダム、それはサリマン先生のプレゼントですね？

(そのばあちゃんがおいらに、へんなものをくわせたんだ！)

そのばあちゃんがおいらに、変なものを食わせたんだ！

(あら、はうるじゃない。あなたとはゆっくりはなしをしたいわねえ)

あら、ハウルじゃない。あなたとはゆっくり話をしたいわねえ

(わたしもですまだむ。でもいまはじかんがありません)

私もですマダム。でも今は時間がありません

(あらー、めずらしいわねえあなたがにげないなんて)

あらー、珍しいわねえあなたが逃げないなんて

(では、また)

では、また

(そふぃーはここにいろ。かるしふぁーがまもってくれる。そとはぼくがまもる)

ソフィーはここにいろ。カルシファーが守ってくれる。外は僕が守る

(まって！はうる、いってはだめ、ここにいて)

待って！ハウル、行ってはだめ、ここにいて

(つぎのくうしゅうがくる。かるしふぁーも、ばくだんはふせげない)

次の空襲が来る。カルシファーも、爆弾は防げない

(にげましょう。たたかってはだめ！)

逃げましょう。戦ってはだめ！

(なぜ。ぼくはもうじゅうぶんにげた。ようやくまもらなければならないものができたんだ)

何故。僕はもう十分逃げた。ようやく守らなければならないものができたんだ

(きみだ)

君だ

(はうる！ああっ！)

ハウル！ああっ！

(あたしたちのいるまちだ！あそこにはうるがいる！)

あたしたちのいる街だ！あそこにハウルがいる！

(あっ、はうる！)

あっ、ハウル！

(そふぃー！かぶ！)

ソフィー！カブ！

(まるくる、こっちへこよう！)

マルクル、こっちへ来よう！

(え！？)

え！？