トラノコ/秦基博

(またうそをついてしまうきらわれたくなくて)

また嘘をついてしまう 嫌われたくなくて

(おちゃをにごしてしまうんだ)

お茶を濁してしまうんだ

(とまともきらいだしさーふぃんなんてできないし)

トマトも嫌いだし サーフィンなんて出来ないし

(いつまででもきょりはちぢまんない)

いつまででも距離は縮まんない

(おもってるばっかじゃはじまらないんだ)

想ってるばっかじゃ始まらないんだ

(なにもつたえてないのとおなじだろ)

何も伝えてないのと同じだろ

(かおとかおをあわせてきょうはちゃんとそのめをみて)

顔と顔を合わせて 今日はちゃんとその目を見て

(いえずにいたことばがあるんだきみがすきだすきなんだ)

言えずにいた言葉があるんだ 君が好きだ 好きなんだ

(とどいてるかなこえきかせて)

届いてるかな 声聞かせて

(でんわやめーるもわるくはないけど)

電話やメールも悪くはないけど

(こうやっておんどでかんじたい)

こうやって温度で感じたい

(かっこつけたいっていうかっこうわるさなんて)

格好つけたいっていう格好悪さなんて

(かっこよくさっとすてちゃいたいな)

格好よくサッと捨てちゃいたいな

(おもってるそれをかざらないあれで)

想ってるソレを 飾らないアレで

(うまくつたえなくたっていいんだよ)

うまく伝えなくたっていいんだよ

(ゆびでふれてみたくてあわよくばぎゅっとだきしめたくて)

指で触れてみたくて あわよくばギュッと抱きしめたくて

(いえずにいたことばがあるんだきみがすきだすきだから)

言えずにいた言葉があるんだ 君が好きだ 好きだから

(ひびいてるかなこえきかせて)

響いてるかな 声聞かせて

(たった２もじがなんですっとくちからでない)

たった2文字がなんで すっと口から出ない

(いまひとつふみだせないこけつのそとでなにもえずのまま)

いまひとつ 踏み出せない 虎穴の外で何も得ずのまま

(ことなかれしゅぎねっからのゆうじゅうふだん)

ことなかれ主義 根っからの優柔不断

(がいけんやうわさよりもないめんでしょうぶだって)

外見や噂よりも内面で勝負だって

(いいきかせたところでどだいがむりなはなしで)

言い聞かせたところで 土台が無理な話で

(だけどうんだがしかしいやむしろもうむりだって)

だけど うん だが しかし いや むしろ もう無理だって

(どうどうめぐり)

堂々巡り

(まよってるばっかじゃすすまないんだ)

迷ってるばっかじゃ進まないんだ

(あとはつたえるゆうきだわかってる)

あとは伝える勇気だ わかってる

(かおとかおをあわせてからだとこころをふるわせて)

顔と顔を合わせて 体と心を震わせて

(いえずにいたことばがあるんだすきだすきだすきなんだ)

言えずにいた言葉があるんだ 好きだ 好きだ 好きなんだ

(またあえるかなこえきかせて)

また会えるかな 声聞かせて