ボタン

(ねえあんなにとおいとかんじた)

ねえ あんなに遠いと感じた

(ほそいのぼりざかもなつやすみも)

細い上り坂も 夏休みも

(わずかとおもうんだろうか)

僅かと思うんだろうか

(おとなになってしまったら)

大人になってしまったら

(もうあうこともないだろうと)

もう 会うことも無いだろうと

(いまいっしょうぶんのことばをさがす)

いま 一生分の 言葉を探す

(おかしいなごいはそんなに)

おかしいな 語彙はそんなに

(とぼしいはずじゃないのに)

乏しいはずじゃないのに

(あしたにはもうだれもいなくなって)

明日にはもう 誰もいなくなって

(こどくともちがうふるえを)

孤独とも違う 震えを

(しるあさがくる)

知る朝が来る

(ただいとしいわかれのひに)

ただ愛しい 別れの日に

(ふりむかないでいかなくちゃ)

振り向かないで 行かなくちゃ

(またいつかなんてなくても)

またいつか なんて無くても

(ぼくらはおぼえている)

僕等は覚えている

(ないしょのあんごうも)

内緒の暗号も

(ほうかごにしかないあかねのそらも)

放課後にしかない 茜の空も

(さよならなんてにあわない)

さよならなんて 似合わない

(うんめいがとおくかけちがえても)

運命が遠く 掛け違えても

(さいしょのひとつだけおそろいだからいい)

最初の一つだけ お揃いだからいい

(ぜんぶきえても)

全部消えても

(ただそれだけはほつれない)

ただそれだけは ほつれない

(いまおもえばあのいさかいも)

今 思えばあの諍いも

(ひみつのちかみちもきれいなきみも)

秘密の近道も きれいな君も

(べつべつにおわったせいしゅんも)

別々に終わった青春も

(ぜんぶやさしいひびだった)

全部 優しい日々だった

(かわらないのはきおくだけでも)

変わらないのは 記憶だけでも

(いきすぎてしまうぼくらを)

行き過ぎてしまう 僕等を

(てらすあかりが)

照らす灯りが

(ただひとつひとつあればいい)

ただひとつ ひとつあればいい

(ふりむかないでもうそこに)

振り向かないで もうそこに

(しょうねんのえいえんはないから)

少年の永遠は 無いから

(よごれのないてもすりきれるほど)

汚れのない手も 擦り切れる程

(いくどとなくこれからさがすんだ)

幾度となく これから探すんだ

(さよならなんてにあわない)

さよならなんて 似合わない

(うんめいがとおくかけちがえても)

運命が遠く 掛け違えても

(ぼくらをつなぐさいごのゆうやけ)

僕等を繋ぐ 最後の夕焼け

(きっとわすれない)

きっと忘れない

(ぜんぶきえても)

全部消えても

(ただそれだけはほつれない)

ただそれだけは ほつれない