nausicaa7

(きょしんへいをさんのうみふかくしずめ、ほんごくへかえってくれぬか。たににのこるへいはすくない)

巨神兵を酸の湖深く沈め、本国へ帰ってくれぬか。谷に残る兵は少ない

(いまたたかうはやさしいが、これいじょうのぎせいはむいみだ)

今戦うは易しいが、これ以上の犠牲は無意味だ

(やつにはひもみずもきかぬ。あるきだすまではもはやうごかすこともな)

奴には火も水も効かぬ。歩き出すまでは最早動かすこともな

(わからぬか。もはやあともどりはできないのだ)

分からぬか。最早後戻りはできないのだ

(きょだいなちからをたこくがもつきょうふゆえに、わたしはぺじてこうりゃくをめいじられた)

巨大な力を他国が持つ恐怖故に、私はペジテ攻略を命じられた

(やつのじつざいがしられたいじょう、れっこくはつぎつぎとたいぐんをこのちにおくりこむだろう)

奴の実在が知られた以上、列国は次々と大軍をこの地に送り込むだろう

(おまえたちにのこされたみちはひとつしかない)

お前たちに残された道は一つしかない

(きょしんへいをふっかつさせ、れっきょうのかんしょうをはいしやつとともにいきることだ。みろ)

巨神兵を復活させ、列強の干渉を排し奴と共に生きることだ。見ろ

(むしにか)

蟲にか

(わがおっととなるものはさらにおぞましきものをみるだろう)

我が夫となる者は更におぞましきものを見るだろう

(ふかいをやき、むしをころし、にんげんのせかいをとりもどすになにをためらう！)

腐海を焼き、蟲を殺し、人間の世界を取り戻すに何をためらう！

(わがぐんがぺじてからうばったようにやつをうばうがいい)

我が軍がペジテから奪ったように奴を奪うがいい

(きょしんへいはふっかつさせぬ)

巨神兵は復活させぬ

(たいへんだ！)

大変だ！

(おい、あいことばをいえ)

おい、合言葉を言え

(いそいでるのに！ かぜ！たに！)

急いでるのに！ 風！　谷！

(よし。 ほうしがのこっていたんだ！)

よし。 胞子が残っていたんだ！

(なんだと！？ すごいしょうきをだして、たにじゅうおおさわぎになってる！)

何だと！？ すごい瘴気を出して、谷中大騒ぎになってる！

(わたせ！ はやくしないと、たにがぜんめつしちまうぞ！)

渡せ！ 早くしないと、谷が全滅しちまうぞ！

(ほうしをやくどうぐはぶきにもなります。わたすのは)

胞子を焼く道具は武器にもなります。渡すのは

(しかたあるまい。じゅういがいはもどしてやれ。 はっ)

仕方あるまい。銃以外は戻してやれ。 はっ

(こるべっと、しゅっぱつします)

コルベット、出発します

(こんどはぬかるな。ぺじてにのこるへいりょくをすべてこのたににしゅうけつさせろ)

今度は抜かるな。ペジテに残る兵力を全てこの谷に集結させろ

(やれやれ、めんどうなことになってきやがったぜ)

やれやれ、面倒なことになってきやがったぜ

(はやくしろ！いそげ！)

早くしろ！急げ！

(ひめさまをおねがいします)

姫様をお願いします

(たにをたのむぞ。もどるまでじちょうしてくれ)

谷を頼むぞ。戻るまで自重してくれ

(はい。 わしらはたにへいくぞ)

はい。 わしらは谷へ行くぞ

(だめだ！こんなところまできんしがきている。 こっちもやられているぞ！)

だめだ！こんなところまで菌糸がきている。 こっちもやられているぞ！

(どいて！なにをする！ ここも・・・おおばばさま・・・)

どいて！　何をする！ ここも・・・大ババ様・・・

(もやすしかないよ。このもりはもうだめじゃ)

燃やすしかないよ。この森はもうだめじゃ

(ておくれになるとたにはふかいにのみこまれてしまう)

手遅れになると谷は腐海に飲み込まれてしまう

(なんとかならんかのう。ちょすいちを３００ねんもまもってくれたもりじゃ)

何とかならんかのう。　貯水池を300年も守ってくれた森じゃ

(くそう。あいつらさえこなければ)

くそう。あいつらさえ来なければ

(こりゃこのままじゃおさまらんぞ。わしらもいこう)

こりゃこのままじゃ収まらんぞ。わしらも行こう