花火から逃げて

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投稿者投稿者D/ond いいね0お気に入り登録
プレイ回数77難易度(2.7) 922打 歌詞 かな 長文モード可
楽曲情報 花火から逃げて  澤田 空海理  作詞澤田 空海理  作曲澤田 空海理
澤田空海理の「花火から逃げて」です。
ぜひ!
※このタイピングは「花火から逃げて」の歌詞の一部または全部を使用していますが、歌詞の正しさを保証するものではありません。

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歌詞(問題文)

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(ああてをつないではなびをよこにもった)

嗚呼、手を繋いで花火を横に持った。

(つないだにぎりこんだみぎのひだりてはしめった)

繋いだ。握り込んだ。右の左手は湿った。

(はちがつのよるみたいに)

八月の夜みたいに。

(てもちはなびみたいに)

手持ち花火みたいに。

(ゆくえしらずのうちあげはなびがわたしみたいだ)

「行方知らずの打ち上げ花火が私みたいだ」

(とわらった)

と、笑った。

(よるをまったはなびらひとつ)

夜を舞った花びら、一つ。

(きょうをまったことばをひとつ)

今日を待った言葉を一つ。

(はなびからとおざかろうなれないげたではしろう)

花火から遠ざかろう。慣れない下駄で走ろう。

(せめてひとことつたわるように)

せめて、一言伝わるように。

(じゃあてをはなしたなつのにおいがさった)

「じゃあ」手を放した。夏の匂いが去った。

(ふたりはきろについたぎゃくがわのえきをめざした)

二人は帰路に着いた。逆側の駅を目指した。

(いまそのそでをつかんでにげだしてしまおうか)

今、その袖を掴んで逃げ出してしまおうか。

(はんたいほうこうはしりだすあなたのせをおう)

反対方向、走り出す。あなたの背を追う。

(ふいにやなぎがうつった)

不意に柳が映った。

(よるをまったはなびらひとつ)

夜を舞った花びら、一つ。

(きょうをまったことばをひとつ)

今日を待った言葉を一つ。

(どうせならいっしょにいようあさまでいっしょにいよう)

「どうせなら一緒に居よう。朝まで一緒に居よう」

(まつりがおわっていく)

祭りが終わっていく。

(わたしたちはにげていくはなびからこのよるから)

私たちは逃げていく。花火から。この夜から。

(このはがゆいかんけいから)

この、歯がゆい関係から。

(はいごでさいごがなったあくるそらとおとでわかった)

背後で最後が鳴った。明くる空と音で分かった。

(いまはふりむかないようにゆびをからめてにげた)

今は振り向かないように指を絡めて逃げた。

(よるをまったはなびらひとつ)

夜を舞った花びら、一つ。

(きょうをまったことばをひとつ)

今日を待った言葉を一つ。

(はなびからとおざかろうなれないげたではしろう)

花火から遠ざかろう。慣れない下駄で走ろう。

(せめてひとこと)

せめて一言。

(ゆくあてのないよるをはしる)

行く宛てのない夜を走る。

(つかまらないようにとはしる)

捕まらないようにと走る。

(なにもいみがなくてもあまりにはかなくても)

何も意味がなくても、あまりに儚くても、

(それはわたしのいきるかてになった)

それは、私の生きる糧になった。