浮かれバケモノの朗らかな破綻

(てんぐかいではにんきはなたれではなしょうひんならおまかせあれ)

天狗界では人気鼻タレで　鼻商品ならおまかせあれ

(だけどぜんけあなからとびちるにんげんかいへのあこがれがとまんない)

だけど全毛穴から飛び散る　人間界への憧れが止まんない！

(りょうしんがそふとにやつれるまでおねだりしたかいありまして)

両親がソフトにやつれるまで　土下座（おねだり）したかいありまして

(さんねんだけとにんげんかいをゆるすそのあいだににんげんかいにひつようなそんざいになれ)

「3年だけ渡人間界を許す　その間に人間界に必要な存在になれ」

(てんぐぱわーでめだってもしょうたいばれたらさとがえり)

天狗パワーで目立っても　正体バレたら強制送還（さとがえり）

(ほうほうがわからずむなしいきたくぶせいかつにんげんとなにかをなしとげればいいのかな)

方法がわからず虚しい帰宅部生活　人間と何かを成し遂げればいいのかな？

(ばんどくんでうれっこになるってどうだろう)

バンド組んで売れっ子になるってどうだろう！

(よしめんばーさがし)

よし！メンバー探し！

(くらすめいとににんげんがふたりしかいないってどういうこと)

クラスメイトに人間が　二人しかいないってどういうこと？

(ぐうぜんおれみたいなばけものばかりかくりつろんのひざがわらってる)

偶然俺みたいなバケモノばかり　確率論のひざが笑ってる

(ばけものどうしだからわかるんだ)

バケモノ同士だからわかるんだ

(あいつはちていじんあいつはぺそ)

あいつは地底人　あいつはペソ

(あいつにいたってはずぼんぷれっさーかでんとおなじくらすってなんだ)

あいつに至ってはズボンプレッサー　家電と同じクラスってなんだ！

(どうにかわずかなにんげんをさそってつくったつたないばんどは)

どうにか僅かな人間を　誘って作った拙いバンドは

(なかよしではあるもののもちべーしょんはそこそこで)

仲良しではあるものの　モチベーションはそこそこで

(じまんのはなをふらんくにべんりぐっつあつかいするめんばー)

自慢の鼻をフランクに　便利グッツ扱いするメンバー

(どらむをたたくないものかたさたしかめるな)

ドラムを叩くな！　イモの固さ確かめるな！

(かさかけるのやめろどあすとっぱーにするな)

傘かけるのやめろ！　ドアストッパーにするな！

(ぱいきじのばすな)

パイ生地伸ばすな！

(どらむをたたくなすきまのそうじにつかうな)

ドラムを叩くな！　隙間の掃除に使うな！

(どらいばーにはならねぇよたのむから)

ドライバーにはならねぇよ！　頼むから

(だいじにしてくれ)

大事にしてくれ！

(ゆかいなみなとすごすうちにだいぶたいにたつちゃんすがまいこんだ)

愉快な皆と過ごすうちに　大舞台に立つチャンスが舞い込んだ

(めずらしくまじめにれんしゅうしてぜったいせいこうさせるって)

珍しく真面目に練習して　絶対成功させるって

(ちかいあっただけどふかくにも)

誓い合った　だけど不覚にも

(みぎてをけがしてぴっくすらもてなくなった)

右手を怪我して　ピックすら持てなくなった

(だいりをたててもじぶんがゆるせないだってこのてがうごかなくたって)

代理を立てても自分が許せない　だってこの手が動かなくたって

(このはながぎたーにとどくもうしょうたいがばれたっていい)

この鼻がギターに届く　もう正体がバレたっていい

(はなにきえないきずがついてはなたれができなくなってもいい)

鼻に消えない傷がついて　鼻タレができなくなってもいい

(どうしてもこのぶたいのうえにみんなといたいっておもうから)

どうしてもこの舞台の上に　皆と居たいって思うから

(よくみえもしないみらいなんかよりいまがだいじになったんだ)

よく見えもしない未来なんかより　今が大事になったんだ

(へたくそながっそうがひびくどのせかいよりもたのしげに)

下手くそな合奏が響く　どの世界よりも楽しげに

(おれはこっそりかえるけどこうかいなんてしてないから)

俺はこっそり帰るけど　後悔なんてしてないから

(なにもかもはたんしちゃったのにどうしてこんなにほがらかなんだろう)

何もかも破綻しちゃったのに　どうしてこんなに朗らかなんだろう