雨になりたい

(さかさにからまってさいている)

逆さに絡まって咲いている

(かさなってさいている)

重なって咲いている

(どこかへすてたいとおもったんだ)

何処かへ捨てたいと思ったんだ

(すてたいとおもったままゆめをはんだ)

捨てたいと思ったまま 夢を食んだ

(きょうもきのうもまたたくまきえた)

今日も昨日も瞬く間消えた

(あのあかいあかいはなをみてる)

あの 赤い赤い花を見てる

(きみがしんじゃいたいとおもおうが)

君が死んじゃいたいと思おうが

(みなもにうかんだいろがあせようが)

水面に浮かんだ色が褪せようが

(それすらわからないんだじんせいなんて)

それすらわからないんだ 人生なんて

(つまんないがいどをなぞって)

つまんないガイドをなぞって

(あきのないしゅうでんにつめこまれるまま)

空きのない終電に詰め込まれるまま

(ゆられたこのあいたしんぞうはもう)

揺られた この空いた心臓はもう

(それすらそれすらわらえないから)

それすら それすら笑えないから

(そうだもういっそかんがえないでいたい)

そうだ もういっそ考えないでいたい

(ことばにからまってないている)

言葉に絡まってないている

(つまずいてないているぼくも)

躓いて泣いている 僕も

(つめたいみずがふるようだったら)

冷たい水が降るようだったら

(いっそぬれないようにあめになりたいのだ)

いっそ濡れないように 雨になりたいのだ

(きのうもきょうもまたはながかれる)

昨日も今日もまた花が枯れる

(なにをどうやったってむなしいか)

何をどうやったって虚しいか

(わざとてくびをきってきもちいいか)

わざと手首を切って気持ちいいか

(それすらわからないんだこうかいなんて)

それすらわからないんだ 後悔なんて

(おもいつきのことばをはいて)

思いつきの言葉を吐いて

(よあけまえのせかいすらもみえないままで)

夜明け前の世界すらも見えないままで

(よごれたこのあいたしんぞうはもう)

汚れた この空いた心臓はもう

(きみすらきみすらうつせないから)

君すら 君すら映せないから

(そうかもうぼくもいきちゃいないのだろう)

そうか もう僕も生きちゃいないのだろう

(どうかひびくこえよやまないで)

どうか 響く声よ止まないで

(いつかのあかいはながかれたって)

いつかの紅い花が枯れたって

(それでもすすめないなこうかいなんて)

それでも進めないな 後悔なんて

(つまんないさいごをなぞって)

つまんない最後をなぞって

(あきもなくこんなうたにそそぐまいにちで)

飽きもなくこんな唄に注ぐ毎日で

(よごれたこのあいたしんぞうはもう)

汚れた この空いた心臓はもう

(いまさらいまさらとまらないから)

今更 今更止まらないから

(どうかあといちどだけ)

どうかあと一度だけ

(きみはこんなせかいはたのしいか)

君はこんな世界は愉しいか

(わからないくせきょうもいきたいか)

わからない癖今日も生きたいか

(それすらゆるせないんだじんせいなんて)

それすら許せないんだ 人生なんて

(つまんないがいどをなぞって)

つまんないガイドをなぞって

(くもひとつないそらにすいこまれるまま)

雲ひとつない空に吸い込まれるまま

(わからないわからないままなんだろう)

わからない わからないままなんだろう

(それでもきみにもわらっててをふった)

それでも 君にも笑って手を振った

(きょうをもうずっとかんがえないでいたい)

今日を もうずっと考えないでいたい