遺書を書くつもりでした。

(こんなきょうはいきにくててさ)

こんな今日は生きにくててさ

(おきあがることさえおっくうだ)

起き上がることさえ億劫だ

(いきをすうのもあたまがいたくて)

息を吸うのも頭が痛くて

(じさつしゃのにゅーす)

自殺者のニュース

(よくきくはなし)

よく聞く話

(だれかにとってよろこばしいきょうが)

誰かにとって喜ばしい今日が

(わたしにとってはくるしいし)

私にとっては苦しいし

(よるはあけてあさがくるんだ)

夜は明けて朝が来るんだ

(そんなはなししりやしないし)

そんな話知りやしないし

(きょうもさぼっちまおうかな)

今日もサボっちまおうかな

(しにたいなしにたいな)

死にたいな。死にたいな。

(そんなことばをはいちゃだめだ)

そんな言葉を吐いちゃダメだ

(うるせえようるせえよ)

うるせえようるせえよ

(だれもわたしのいたみなんて)

誰も私の痛みなんて

(わかりやしないくせに)

分かりやしないくせに

(いきたいとさけんだところで)

生きたいと叫んだところで

(しにたいとさけんだところで)

死にたいと叫んだところで

(らくになりやしないことなんて)

楽になりやしないことなんて

(わかっちゃいるんだよ)

分かっちゃいるんだよ

(それでもこのいたみをことばに)

それでもこの痛みを言葉に

(しないときえてしまいそうなんだ)

しないと消えてしまいそうなんだ

(きのうをいきていたわたしよ)

昨日を生きていた私よ

(いまもまだいきているぞここに)

今もまだ生きているぞここに

(わらわれるばかりのひびに)

笑われるばかりの日々に

(うんざりしてもかわらずに)

うんざりしても変わらずに

(それでやめるんもしゃくだから)

それで辞めるんも癪だから

(とりあえずおわりはしないけど)

とりあえず終わりはしないけど

(ときどきわれにかえってさ)

時々我にかえってさ

(おもってしまう)

思ってしまう

(なんのため)

何のため

(ほんとなんなんだろ)

ほんとなんなんだろ

(ゆめなんだゆめなんだ)

夢なんだ夢なんだ

(だめだじしんなどけしさられた)

だめだ自信など消し去られた

(うるせえようるせえよ)

うるせえようるせえよ

(いきていることをわらうんじゃねえ)

生きていることを笑うんじゃねえ

(おおきなおせわだよ)

大きなお世話だよ

(もしもきみをわらったやつらが)

もしも君を笑ったやつらが

(いまもへらへらといきているなら)

今もヘラヘラと生きているなら

(そのくやしさとくるしさで)

その悔しさと苦しさで

(うらみをはらして)

恨みを晴らして

(わたしたちをわらったかこに)

私たちを笑った過去に

(まけちゃいないといいはるんだよ)

負けちゃいないと言い張るんだよ

(あのひいきていたわたしへ)

あの日生きていた私へ

(いまもまだいきているぞここに)

今もまだ生きているぞここに

(しにたいとさけんだせかいで)

死にたいと叫んだ世界で

(ろまんちっくばかりのせけんで)

ロマンチックばかりの世間で

(あたりまえのようにひとはしに)

当たり前のように人は死に

(そのどれもがじんせいだった)

そのどれもが人生だった

(あしたおわるかもな)

明日終わるかもな

(そんなきょうをいきている)

そんな今日を生きている。

(ならばせめて)

ならばせめて

(むだでもいいから)

無駄でもいいから

(あがけ)

足掻け、

(きょうのわたしよ)

今日の私よ。

(いまだくらがりのなかあるいて)

いまだ暗がりの中歩いて

(きょうのむいみさにおちこんで)

今日の無意味さに落ち込んで

(うまくいきやしないことなんて)

上手くいきやしないことなんて

(わかっちゃいるんだよ)

分かっちゃいるんだよ

(それでもまだまけちゃいないよ)

それでもまだ負けちゃいないよ

(ただのつよがりだけどそれでもいい)

ただの強がりだけどそれでもいい

(あすへたちむかうわたしよ)

明日へ立ち向かう私よ

(いまもまだいきているぞここに)

今もまだ生きているぞここに